【第4回】休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」

『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』(弊社刊)などの著書がある、作家の瀧澤中(あたる)氏。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休校が延期になるなど、不安を感じている子供たちを何とか元気づけてあげられないか、とこんな記事を寄稿してくださいました。テーマは、休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」。第4回目をお届けします。

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「最後の5分」を踏ん張ってみませんか

学校での落第、4回。転職の回数、およそ20回。しゃべるのがヘタで、人とのつきあいもうまくない。冗談を言って、出世のチャンスを逃す。なんだか、いろいろな失敗がありますね。でもこれ、全部、のちに総理大臣になる人たちの若い頃の話なんです。落第4回は、石橋湛山(いしばし たんざん)。しょっちゅう転職していたのは、高橋是清(たかはし これきよ)。社交的でないのがずっと悩みだったのは、浜口雄幸(はまぐち おさち)。冗談で出世のチャンスを逃したのは、吉田茂(よしだ しげる)。そうそう、有名なアメリカのリンカーン大統領は、大統領になるまでの間、いろんな選挙に9回も落選しています。

戦国時代の英雄、豊臣秀吉は、若い頃、ある侍の家で働きますが、
仲間とうまくやっていけずに、クビになります。農民から天下人になった、人から好かれて出世した、あの秀吉が、ですよ。明治維新の立役者、西郷隆盛は、上司に嫌みを言って、遠くの島に送られてしまいます。弱みのない人なんて、いません。英雄も、大統領も、総理大臣も、みんな私たちと同じように、弱点や悩みを持っているのです。では、彼らは弱点や悩みを、どうやって良い方向にもって行ったのか。

簡単です。たくさん、たくさん、失敗したのです。失敗するには、チャレンジしなければなりません。チャレンジして、失敗して、反省して、またチャレンジする。そうやって弱点や悩みを、少しずつ良い方向にもっていったのです。日本に親近感を持っていたことで知られるアメリカの大統領、セオドア・ルーズベルトは、「ミスをしない人間は、何もしない人間だけだ」と言っています。失敗した、ということは、間違いなく、なにかにチャレンジしたわけです。ですから、失敗は、ものすごく大切なのです。だって、チャレンジしなければ、なにも実現しないのですから。

そうはいっても、できれば失敗はしたくないですね。先ほどふれた、戦前の総理大臣・浜口雄幸(おさち)は「自分は、失敗の数はたくさんあるが、成功の例はきわめて少ない」と言っています。その浜口が自分の失敗を反省して「成功のひけつ」をのべています。成功のひけつの第一にあげているのは、「自分がやる仕事が、世の中のためになる仕事であること」としています。なぜなら、そういう仕事は、信念を強く持てるから。

この信念をふくめ、8つのことをのべていますが、いちばん最後の8つ目を「もっとも大切なところ」と言っています。それは、「最後の5分間のふんばり」。もう、くたびれて一歩も前に歩けない、そんなときでも、あと一歩、前に出るのです。つかれきって、勇気が出ない。でも、「最後の5分」、その最後のところで、もう一歩だけ、前に進むのです。失敗には、いろいろな種類があります。中でも、あと少し準備をしていれば防げた、ということが、とてもたくさん起こります。後悔をしないためにも、「最後の5分間」をふんばってみませんか。

失敗は、してもいい。でも、後悔しないためにも、「最後の5分」を、やり抜きましょう。たとえば勉強なら、あと1ページ、読み進めましょう。あと1語、漢字を、単語を、覚えましょう。あと一歩、前に進めるのです。そうすれば、どんな結果であっても、きっと次につながります。さて。次回は、いよいよ最後です。「未来を予測する最良の方法」って、
なんだと思いますか?みなさん、考えてみましょう。おたのしみに。

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◇瀧澤中(たきざわ・あたる)

昭和40年東京都出身。平成13年『政治のニュースが面白いほどわかる本』(中経出版)がベストセラーとなり、時事解説を中心に著作活動を続ける。また日本経団連・21世紀政策研究所で平成23年~25年まで、日本政治プロジェクト・タスクフォース委員を務めた。政権交代の混乱期に「リーダーはいかにあるべきか」を徹底議論、報告書作成に関わる。また、『秋山兄弟 好古と真之』(朝日新聞出版)や『日本はなぜ日露戦争に勝てたのか』(KADOKAWA)等で、教育や財政面から歴史をやさしく解説し好評を得、その後『「戦国大名」失敗の研究』(PHP研究所)をはじめとする「失敗の研究」シリーズ(累計19万部)を執筆。自衛隊や日本経団連はじめ経済・農業団体、企業研修、故・津川雅彦氏主宰の勉強会で講師を務めた。マスコミで「近現代の例と比較しながら面白く読ませる」(日本経済新聞)と取りあげられるなど、〝むずかしいを面白く〟の信念のもと、「いまに活かす歴史」を探求する。

成功した人は誰もが「失敗」している――。

『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』

徳川幕府、日本海軍、戦艦大和、織田信長、豊臣家……。本書は作家・政治史研究家として活躍する著者が歴史上の偉人や英雄、強大な組織やシステムがなぜ失敗し、崩壊していったのかを、これまでの歴史書とは異なる視点から分析し、講義形式で綴ったもの。

上杉鷹山や徳川吉宗ら、名君の意外なつまずき。信長や長宗我部元親ら、名将たちはなぜ油断し判断を誤ったのか。大坂城やマジノ要塞などの完璧なはずのシステムはなぜ崩壊したのか。日露戦争勝利に隠された失敗の種とは……。

また「もしあなたが、ラスクマンが通商を求めてきた時の幕府の老中だったらどんな対策を取ろうと考えますか、通商を認める、認めない?」などの設問もあり歴史の当事者になったかのような気持ちで読み進めることができるでしょう。

著者は「”失敗の標本”が歴史には満載であり、歴史の失敗は、学びの宝庫である」といいます。歴史上の人物たちが、なぜその時、そういう判断をしたのかという思考や方向性を探ることは、ビジネスの世界を生き抜く上でも有益な学びとなることでしょう。

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