よき運がついてくる人の条件 —— 林野宏×西田文郎

潰れかかったクレジットカード会社を業界トップ企業に育て上げたクレディセゾンの林野宏さん。ビジネスやスポーツ界など一流の成功者たちの能(脳)力開発に携わってきてサンリ会長の西田文郎さん。それぞれの歩みの中で、人生の運とツキを掴んできたお二人に、よき運を引き寄せるための大原則を語り合っていただきました。

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自分には運があると信じる

〈西田〉
世の中には大きく分けて2種類の人間しかいません。

どうせ自分なんてこんなものだよと思って生きている「否定的錯覚型」と、本田宗一郎さんのように、小さな町工場の親父であってもみかん箱の上に乗って、「世界のホンダになる!」と叫んでいるような「肯定的錯覚型」。たとえ何回躓いても「次はできる、自分はできる」と、そういう錯覚がずーっと続かない限り、絶対に成功者にはならないんですね。

だから、要するに成功者とは何かといえば、常識で考えれば99パーセントは無理だと思われることを「絶対にできる!」と思っている、ただの“アホ”なんです。

〈林野〉
ハハハ(笑)。でも、確かにクレディセゾンはカード会社の常識を覆してきました。

〈西田〉
私は仲間の経営者の方々と集まって夢を語り合う「アホ会」というのを長いことやらせていただいているんです。

アホの定義は、「不可能なことはない!」と思っていること、そして人を喜ばせることが大好きなこと。だから当日会場にきたらマイナスな言葉は一切禁止にして、仲間がどんなとてつもない夢を語っても「おまえならできる!」と言わなきゃいけない。

アホ会では「あんたは日本一のアホだ」と言われると、みんな大喜びです(笑)。一部上場企業の社長もたくさんいます。

〈林野〉
それは面白そうな会ですね。ところで、西田さんがこういう能力開発の仕事をされたのはどのくらい前からですか。

〈西田〉
最近でこそイメージトレーニングが重要だということは十分認知されていますが、僕は1970年代から取り組んできました。

当時日本の有名大学に「参考になるような話を聴きたい」と電話をしましたが、脳の病の研究はしていても、機能研究はやっていなかった。だから本当に手探りで始めて、最初の8年間は失敗ばかりでした。しかしその間、何十万人という方々のデータをいただき、それが後の大きな財産になったんですね。

皆さんに必ず何項目かの設問に答えていただくのですが、育ちも生まれも仕事も違いますから、当然違うところに○をつけるわけです。ところが、成功している人はみんな同じところに○をつけている。その一つが、

「自分には運があると思う」

というところだったのです。

ああ、そうかと。脳は十万台のパソコンよりも高性能ですから、脳に「自分は運がある、ツイている」というソフトが組み込まれていれば、目標をインプットすると、こうしたらできる、ああしたらできると、「できる」ことばかりがイメージとして浮かんでくる。そういう状態であれば、確かにイメージトレーニングも効果的です。

しかし、脳に「ツイていない」というソフトが組み込まれていると、過去の体験から「できなかった」「やっぱり無理」といったトラウマばかりが検索され、できない姿ばかりがイメージされる。

だから成功するには、まずは脳を「自分には運やツキがある」というソフトに替えないといけない。そのことに気がついたのです。


(本記事は『致知』2011年3月号 特集「運とツキの法則」より一部抜粋・編集したものです)


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◇林野 宏(りんの・ひろし)
昭和17年京都府生まれ。埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店入社。人事部、企画室、営業企画室を経て、同百貨店宇都宮店次長。57年西武クレジット(現・クレディセゾン)に、クレジット本部営業企画部長として転籍し、平成12年より現職。著書に『勝つ人の考え方 負ける人の考え方』(かんき出版)がある。

◇西田文郎(にしだ・ふみお)
昭和24年東京都生まれ。40年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、能力開発プログラムを構築。科学的、実践的なメンタルマネジメントを多分野に導入する。現在経営者の勉強会である「西田塾」主宰。トップスポーツマンやビジネスマンの能力開発指導などに当たる。著書に『10人の法則』(現代書林)など多数。

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