「使命があるから、生かされた」——元暴走族総長が少年・少女を救う理由

14歳で暴走族の最年少メンバーとなり、18歳で総長に。窃盗や恐喝、覚醒剤の転売で生計を立て悪名を轟かせてきた工藤良氏は、21歳の時の逮捕を機に、自ら改心しただけでなく、ボランティア団体を設立し、仲間までをも改心させました。その後は地元に更生保護施設「田川ふれ愛義塾」を設立し、多くの子供たちを救っています。工藤氏が子供たちを救う理由についてご紹介します。

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人を助けるために生かされた

——使命があるから、生かされた。

<工藤>
仲間たちを更生させるにはどうしたらいいのか、初めは分かりませんでしたが、入院中に考え続ける中で、ボランティアというアイデアが浮かびました。

そこで、それまで決別していた仲間に連絡を取って、一人ひとり口説いていきました。

暴力団と親交のある人を元のレールに戻すのは大変でしたが、幸いと言うべきでしょうか、暴走族の世界はリーダーを中心とした縦社会です。

リーダーだった私が一人ずつ納得させていくと、どんどん皆を巻き込んでいくことができました。

そして1か月後、暴走族「極連会」を解散し、ボランティア団体「GOKURENKAI」を結成。

毎月1回、ゴミ拾いやペンキ塗りなどのボランティアを2年間続けた結果、就職先を見つけた人、結婚した人など、皆それぞれ新たな人生のスタートラインに立たせることができたんです。

地域の人や警察からはいまだに奇跡だと言われています。

——まさに工藤さんのリーダーシップの賜たまものですね。

<工藤>
自分が仲間に悪さを教え、暴力団と繋いでしまったので、元の道に戻すのが自分の最低限の役割だと思っていました。

私の根本的な思いは昔から何も変わっていなくて、暴走族時代も仲間を守るための喧嘩しかしませんでしたし、ご飯も皆に分け与えながら食べていました。

エネルギーの発散の方向が「悪」から「善」に180度変わっただけで生き方も180度変わったのだと思います。

2年後にはボランティア団体を後輩に任せ、次の役割を模索していたのですが、夜中に金縛りにかかって、「人を助けなさい」と3回、天から声が聞こえてきたんですね。

偶然にもちょうどその頃、深刻な家庭内暴力を受けていた女性が私に会うために関東からわざわざ来てくれました。

私はカウンセラーなんてしたことなかったんですけど、「話を聞くだけだったらできるから、24時間いつでも電話を掛けてきていいですよ」って声を掛けたんです。

そうしたら、いままでそんな言葉を掛けられたことは一度もないと、顔を真っ赤にして泣きながら感謝してくださったんです。

ああ、「人を助ける」というのはこういうことかと。

——使命を悟られた。

<工藤>
本当にこれは使命だと思いました。

そこから次々に相談が入るようになって、家庭に問題を抱えた子供を引き取り一緒に暮らし始めたのが田川ふれ愛義塾の始まりです。2004年のことです。

——話は戻りますが、依存性のある覚醒剤を完全にやめられた要因は何でしょうか?

<工藤>
語弊があるかもしれませんが、私は「覚醒剤をやめた」と言ったことは一度もありません。

仲間や子供たちという、それ以上に大事なものができたから、覚醒剤に依存しなくなって、「ただしていないだけ」なんです。

注射器と覚醒剤がある離れ小島に連れていかれたらどうなるか、自分でも自信がありません。

だから、覚醒剤をやっていた子たちを「きょう1日やらなかったよね、偉いね」と励まして、考えを覚醒剤から逸そらしていくしかないと思っています。

これも奇跡だと思うんですけど、当時自分の周りで覚醒剤を使用していた仲間は皆やめていますし、私自身結構な量を2年間打ち続けていましたが、いまのところ後遺症はありません。

天から「この活動をしているから、おまえを生かしてやっているんだぞ」と言っていただいている気がしています。


本記事では、暴走族総長として悪名を轟かせてきた工藤氏が自ら改心するに至った背景から、更生保護施設「田川ふれ愛義塾」を設立するまでの歩みを振り返っていただきました。多くの少年・少女たちを救い続ける工藤氏の生き方に迫ります。

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工藤良(TFG(田川ふれ愛義塾) 理事長)

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◆留置場で見つけた「蜘蛛の糸」
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◇工藤良(くどう・りょう)
昭和52年福岡県生まれ。中学2年で暴走族「極連会」の最年少メンバーとなる。18歳で3代目総長に就任。平成10年覚醒剤使用の現行犯で逮捕されたことを機に、生き方を180度変える。14年「極連会」を解散し、ボランティア団体「GOKURENKAI」を結成。18年田川ふれ愛義塾設立。20年NPO法人化。21年法務大臣より継続保護事業の経営認可を受ける。24年天皇陛下より御下賜金を拝受。著書に『逆転のボランティア』(学習研究社)がある。

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