2024年06月18日
~本記事は月刊誌『致知』2024年7月号 連載「二十代をどう生きるか」の取材手記です~
インターネット業界の雄
インターネットの黎明期であった1991年にマルチメディア事業を目的とした「ボイスメディア」を創業。1995年にインターネット事業に参入以降、日本のインターネットインフラの礎を築き上げた「GMOインターネットグループ」。インターネット業界の雄として名を馳せ、上場企業10社を含む全110社、売上高2,586億円、営業利益424億円、グループパートナー(社員)7,431名を擁し、東証プライム市場に上場している一流企業です。
「すべての人にインターネット」というコーポレートステートメントの下、プロバイダーやドメイン(ホームページの所在を示す住所)、セキュリティなどを手掛ける同社のインフラサービスは、国内で圧倒的No.1のシェアを誇ります。
また、近年では「GMOあおぞらネット銀行」「GMOクリック証券」をはじめとした金融事業や暗号資産(仮想通貨)事業まで、お客様のニーズに合わせた幅広いサービスを展開しています。
同社を27歳で立ち上げ、一代で今日の繁栄へと導いてきたのが、創業者であり、現在もグループ代表を務める熊谷正寿さんです。いまや日本を代表する経営者のお一人である熊谷さんですが、20代の10年間はコンプレックスに思い悩み、お金も時間も希望もない人生のどん底だったと言います。氏はいかにして運命を拓いていったのでしょうか。
月刊誌『致知』最新号(2024年7月号)の連載「二十代をどう生きるか」では、熊谷さんの経営者としての土台が培われた20代の歩みを振り返っていただき、成功の秘訣に迫りました。


20年ぶりのご登場
4月8日(月)、渋谷の本社を訪ねると、「ようこそいらっしゃいました」と熊谷さんは満面の笑みを浮かべながら、なおかつ礼儀正しく丁重に私たちを迎えてくださいました。
そして挨拶に続いて、熊谷さんはこうおっしゃいました。
「御誌のような崇高な雑誌に再び取材いただけて大変光栄です」と。
実は、熊谷さんと弊誌のご縁は遡ること20年前。熊谷さんが1999年、36歳の時に「独立系インターネットベンチャー」として国内初の株式上場を果たし、その躍進ぶりが世界の注目を集めていた頃、『致知』2004年7月号特集「熱意・誠意・創意」でご登場いただきました。
『致知』2004年7月号誌面
「実は御誌が創刊間もない頃、私が22歳の時からその存在を知っていました。20年前にご取材いだたいたことはもちろん、直接手に触れる機会も多くあり、本当に素晴らしい雑誌だなと思っていたんです。ですから、今回ご取材のお話をいただいた際は、すぐにお受けいたしました」
熊谷さんの胸中を知り、取材前にも拘らず心震わされました。そこから30分という限られた取材時間の中でも、ゼロから一流企業を立ち上げられた所以や人間的魅力、同社がインターネット業界を牽引し続けている要諦を感じ取ることができました。本記事では全3ページにわたって、そこで語られた内容を一つひとつ詳らかに紹介しています。
↓インタビュー内容はこちら!
▼実業家の父から学んだ帝王学
▼手帳に書いた夢を実現させる
▼かくして36歳で上場に導く
▼夢あるところに行動は生まれる
一冊の手帳で夢は必ず叶う
熊谷さんは20代前半の時、アミューズメント事業を手掛けるお父様の会社で働いていました。当時は「1番安い給料で1番長く働き、他の模範となれ」というお父様の教えを実践され、極貧生活を送っていたと言います。
例えば、住んでいたアパートはまるで廃墟のように建物が傾き、電化製品を複数使うとヒューズが飛び電気が消えることもあり、その度にろうそくの灯で過ごす。さらに高校中退のハンディキャップを埋めるべく、朝から晩まで仕事に忙殺されながら、放送大学で勉強をする毎日でした。
肉体的にも、精神的にも、そのうえ経済的にも辛く、どれだけ頑張っても一向に報われない。強い挫折感を味わった熊谷さんの心の支えになったのが、惨めさを紛らわせるように始めた「手帳にやりたいことを書くこと」でした。
こんな車に乗りたい、食事をしたいという夢を心の赴くままに手帳に記す。それらを眺める度に不思議と気持ちが整理され、思いが高まる。いまは苦しいけれど、将来は必ず成功してみせると勇気が湧いてきます。
元来メモ魔だったことも相俟って、どんどん「夢のリスト」を書き綴るようになりました。そして日に日に増す夢を整理するために、アメリカ式成功術から着想を得たジャンル分けを行い、自分なりに優先順位をつけることで完成したのが「夢・人生ピラミッド」です。
(中略)
さらに人生ピラミッドを基に、「未来年表」をつくりました。自分の夢・目標を時系列に落とし込み、達成期日を決めてコツコツやっていく。例えば、80キロの体重を5か月で5キロ落とそうと考えたら、月に1キロずつの目標を打ち立て、実行するわけです。
熊谷さんが生み出した「夢・人生ピラミッド」・「未来年表」の詳細はぜひ本誌をお読みいただきたいのですが、熊谷さんは手帳に夢を書き綴り、その夢に必要な実践を地道に積み重ねることで、次々と目標を達成してこられました。熊谷さんは当時を振り返り、次のように述懐されています。
自分の20代を振り返り、何よりもやってよかったと思うのは、大きな夢をはっきり描いたことです。
夢あるところに行動が生まれ、行動は習慣をつくり、習慣は人格をつくり、人格は運命をつくり上げるのだと心の底から実感します
夢あるところに行動が生まれる――含蓄に富んだ教えです。
幾多の艱難辛苦を乗り越えながら夢を全力で追い求めてきた熊谷さんの歩みとそこから紡ぎ出された至言の数々には、運命を拓き、夢を実現させる秘訣が凝縮されています。
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