【編集長取材手記】さだまさしが真面目に語り尽くした「運命を好転させる秘訣」


企画を温めること7年、ようやく機は熟した

昨年デビュー50周年を迎えた日本を代表するシンガー・ソングライターさだまさしさん。
『精霊流し』『無縁坂』『秋桜』『案山子』『関白宣言』『道化師のソネット』『風に立つライオン』『いのちの理由』など幾多のヒット曲を生み出し、これまでに積み重ねてきたソロコンサートは通算4623回と、前人未到の記録を塗り替え続けてきました。小説家としても数々のベストセラーを手掛ける他、被災地支援のチャリティーコンサートなど社会貢献活動にも力を注いでいます。

さださんはいかにして自身の運命をひらいてきたのでしょうか。人間学を学ぶ月刊誌『致知』2024年4月号(3月1日発行)特集「運命をひらくもの」のトップ対談では、さださんと親交の深い大和証券グループ本社名誉顧問の鈴木茂晴さんがその核心に迫ります。

さださんと鈴木さんは予てゴルフ仲間で親交があるものの、対談の機会は初めて。本企画が生まれた発端は、遡ること今から7年前、日本経済界の重鎮として知られるウシオ電機創業者の牛尾治朗さんが弊社から新刊『人生と経営のヒント』を上梓され、親しい経営者仲間と共に出版のお祝い会を開いた時のこと。その会食の席で、ふと鈴木さんがさださんのことを話題に上げられ、素晴らしい方だとおっしゃっていました。いつかお二人に『致知』で対談していただきたい――。その思いで企画をずっと温めてきました。

そして、ようやくデビュー50周年の節目に機は熟し、ご縁が繋がり対談を実現することができたのです。昨年10月、さださんの事務所に取材依頼をした当初は、「今年は50周年のコンサート等々でイベントも重なり、年明け3月まで追加公演、重複してアルバム制作や海外イベントもございまして、現状取材はお受けしていない状況……」と、あまり前向きな返答はいただけなかったものの、ご本人に確認してもらえることに。

すると、2日後に連絡があり、「鈴木様との対談ならぜひお受けいたしますと、さだが宜しく申しております」とご快諾いただくことができました。大変ご多忙の中、何とかスケジュールをご調整くださり、アメリカでの公演、日本でのアンコール公演を控えた1月12日に、都内のホテルにて対談取材を行う運びとなりました。

2時間に及ぶ白熱の対談の全貌

2時間に及ぶ白熱の対談は、「50周年を迎えての感慨~どんな思いで記念コンサートに挑まれたか~」に始まり、「国語教育への警鐘」「育ってきた家庭環境~音楽との出逢い~」「ヴァイオリンから歌手の道に転じたきっかけ」「苦悶の日々からデビューに至る道のり」「腕を磨くために実践してきたこと」「作詞や作曲をする際に心掛けていること」「誹謗中傷や借金生活を支えたもの」「4600回超のソロコンサートを成し遂げられた要因」「日本の未来を開く若者たちに伝えたいメッセージ」「運命をよくする秘訣~運命を開く人と開けない人の差~」など多岐にわたります。

そこで語り合った内容を凝縮して誌面10ページ、約13,000字の記事にまとめました。主な小見出しは下記の通りです。

・チャリティーコンサートは恩返しのため
・50周年の節目を迎えて いま心に抱く思い
・「国とは国語なり」国語こそ教育の要
・人生で一番惨めだった20歳の挫折体験
・故郷へ逃げ帰って 僅か1年後にデビュー
・17歳でノイローゼに その自分への返事を書く
・常に明るく愚痴を言わず 信じてくれ母の存在
・映画制作で多額の借金 30年かけて完済
・「偉大な人は批判者の数で高さを測ることができる」
・スピードとポジティブマインド

さださんの人生観・仕事観が詰まっている

さださんの魅力は何と言っても、心に深く沁みわたるその歌詞の素晴らしさにあると感じますが、その感性はいかにして培われたのでしょうか。対談の一部を抜粋して紹介します。

鈴木 『無縁坂』もすごくいい歌ですよね。聞くところによると、『無縁坂』は僅か6時間のうちに6曲つくった中の1曲だとか。

さだ そう。「グレープ」の最後のオリジナルアルバムで、『無縁坂』『縁切寺』『19才』『哀しきマリオネット』『雲にらくがき』『フレディもしくは三教街』、この6曲を一晩で書きました。その日だけは天才的でしたね(笑)。

鈴木さんもそうだと思うんですけど、やっぱり運って大きいですよね。僕はもう本当に運がいいと思います。

鈴木 いや、運がすべてだと言っても過言ではありません。私が知っている財界の経営者で、「俺は運が悪い」と言う人は一人もいない。

さだ ああ、それはそうでしょうね。運のある人って、神様にある程度助けられますよね。

鈴木 そうなんですよ。私は社員にも時々言うんですけど、神様や天は見る眼を持っていて、誰にでも降りてこないよと。のほほんと生きている人ではなくて、やっぱり苦労して一所懸命努力している人に天の恵みがある。

さだ 僕は20代の時に「あいうえお理論」というのを思いつきましてね。母音って重要じゃないですか。それに「ん」をつけると、5つの大きな人生の要素になることに気づいたんです。

まず「あ」は「案」、アイデアでしょう。「い」は「因」、きっかけですよね。「う」はそれを救う「運」。「え」はそれを広げてくれる「縁」。「お」はそのことに対して「恩」を感じてお返しする。よし、これからの人生、「案、因、運、縁、恩」で行こうと。

鈴木 それはすごい発見ですね。

さだ だから、それ以降は神社に行ってもお願い事をしなくなりました。「ありがとうございます」しか言わないです。

鈴木 もうこの人、運なんて要らないだろうと思うような人が一番運を大事にしているんです。これはとても重要なことですね。

さだ 考えてみたら、24歳の時に会社をつくり、いままで何十人という社員がいて、その家族も含めて皆を食べさせてきた。これは運がないとできません。本当に有り難いですよ。感謝しないといかんと思います。

笑いあり、感動あり、ロマンありの絶妙な掛け合いがリズムよく展開され、読むほどにどんどん惹き込まれていくでしょう。さださんの人生観・仕事観に迫る鈴木さんとの人間学談義に興味は尽きません。

挫折や苦難をいかに乗り越えていくか。出逢いやご縁をいかに育んでいくか。運命をいかにひらいていくか。私たちの仕事や人生を発展させていくためのヒントが満載です。ぜひ本対談をお読みください。


◇さだまさし
昭和27年長崎県生まれ。48年フォークデュオ・グレープとしてデビュー。51年ソロ・シンガーとして活動を開始。『関白宣言』『北の国から』など多くのヒット曲を生み、コンサートも通算4600回を超える。小説家としても多くの作品が映画やドラマ化されるなど活躍は多岐にわたる。さらに公益財団法人「風に立つライオン基金」を設立し、被災地支援や助成事業も行っている。令和5年レコードデビュー50周年を迎え、今年5月からは全国コンサートツアー公演が決定している。

鈴木茂晴(すずき・しげはる)
昭和22年京都府生まれ。46年慶應義塾大学経済学部卒業後、大和證券入社。引受第一部長、専務取締役などを経て、平成16年大和証券グループ本社取締役兼代表執行役社長、大和証券代表取締役社長。23年大和証券グループ本社取締役会長兼執行役、大和証券代表取締役会長。29年日本証券業協会会長に就任(令和3年まで)。令和3年大和証券グループ本社名誉顧問に就任。

▼『致知』2024年4月号 特集「運命をひらくもの」
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