沼田昭二、數土文夫、月尾嘉男、米倉誠一郎、夏目研一、栗原権右衛門、田中淳子……自分を拓き、時代を拓くための名言集

 

2023年8月1日発刊の『致知』9月号の特集テーマは「時代を拓く」。本号の表紙を飾っていただいたのは、業務スーパーで独自の製造・販売一体型のビジネスモデルを構築し、現在は再生可能エネルギー事業に取り組む町おこしエネルギー会長兼社長・沼田昭二さんです。

その他にも、電子顕微鏡で世界トップシェアを誇り、ノーベル賞の陰の立役者と称される日本電子を牽引する日本電子会長・栗原権右衛門さん、全盲のヴァイオリン奏者・穴澤雄介さんなど、各界で活躍する一流の方々にご登場いただいています。その注目の最新号より、自らの運命を拓き、時代を拓くための珠玉の名言集を一気に公開。

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いまを生き切る名言集

・「新渡戸稲造の『武士道』、福澤諭吉の『学問のすゝめ』、内村鑑三の『代表的日本人』、僕はこの3冊は日本人の精神性を取り戻す必読書だと言って、事あるごとに薦めているんです」(數土文夫/JFEホールディングス名誉顧問)

・「日本がこれから取り組むべきことは、情報社会の次を設定して人材を育成することだと思っています。私は情報社会から〝情緒〟社会へ移行すべきだと考えています。情報と情緒の違いは何かというと、情報は持っている人が少ないほど価値がある。情緒はその逆で、知っている人が多いほど価値がある」(月尾嘉男/東京大学名誉教授)

・「企業家にとって大義ほど大事なものはないと私も思っています。大義がすべて公益に資するものであるからこそ実現していく」(濵田総一郎/良知経営社長)

・「私が設計した掘削機は自走式で、日本にはこれまでなかったものです。ないなら自分でつくったらいいというのが私の考えですから」(沼田昭二/町おこしエネルギー会長兼社長)

・「現在、未曽有の不況で原料費や電気料金の高騰が騒がれていますが、1973年に起きたオイルショックでは当時1バレル3ドルだった石油が半年で11ドルと約4倍に高騰しました。それでも当時の日本人は政府に助成金や金融緩和を求めたりせず、高い技術力と勤勉性、血の滲むような努力で、世界で最も燃費のよい車や家電を開発していくのです。まさにイノベーター・スピリットです」(米倉誠一郎/一橋大学名誉教授)

・「カント自身は、道徳性を高めるために以下のような修養法を説いています。①まず、徳性を高め、善を行って生きることを決意し、実践を始めること。②日頃から、道徳問題にからむ場面では、自分の判断の動機が幸福にあるのか、それとも道徳法則への尊崇にあるのかを振り返る習慣をつけること。それによって、自分の本性が明らかにされ、葛藤が生まれ、やがて改心が生まれる。③自分の弱さややむを得ない事情から、善よりも幸福を選んでしまった時、今後はどうしたらそうならないようにできるかを反省・リフレクションをして対策を練り、新たな行動方針を立てることを自分の習慣とすること。その繰り返しの中で道徳性が鍛えられ、道徳的勇気が強くなっていく」(夏目研一/都留文科大学元非常勤講師)

・「仕事はどこまでいっても、人と人とのお付き合いであり、つまるところはその人の人間性なんですよ」(栗原権右衛門/日本電子会長)

・「私はいまの自分に心から満足し、この人生でよかったと感謝しているんです。目が見えなかったからこそ作曲、編曲という道が拓け、人間として自立もできた。仕事をいただけること、いろいろな人とお会いできることなど幸せと実感できる瞬間がとても多い。もし、目が見えていたら性格も悪く、周囲に甘えてばかりの嫌な奴だったかとも思います」(穴澤雄介/ヴァイオリン奏者)

・「いまは新型コロナや戦争など、いつ何が起こるか分からない不透明な時代です。そういう時代に求められるのは、やはり知識や学歴以上に、失敗しても立ち上がって次に進める人間、学んだことを知恵に変え、それを土台に自分の信じる道を極められる人間だと思います」(田中淳子/学校法人佐藤栄学園理事長)

・「終点をなるべく延ばすことは大事ですけど、それよりもお迎えが来るまで自分のやりたいことをやり続けるほうが、人生においては重要だと思うんです」(丸茂伊一/スピードスケート選手)

・「最初の頃は『いい年した大人がこんな格好をして』『年寄りがなんてはしたないことをするんだ』と批判も多くありました。でも、私は何を言われても平気というか、自分たちが楽しいと思えることを大事に活動していました」(滝野文恵/ジャパンポンポン代表)

・「世のため人のために本当に役に立つ仕事をしてうまくいかないはずがない。うまくいかないとしたら、どこか自分の中にとらわれの気持ちがある。それさえ克服すればすべてうまくいく」(上甲 晃/志ネットワーク「青年塾」代表)

・「『大学』が説いているように、国が治まるにはまず家が治まっていなければならない。そして家が治まるには修身、つまり国民一人ひとりの身が修まっているかどうかが国家最大の懸案です」(田口佳史/東洋思想研究家)


(本記事は月刊『致知』20239月号特集「時代を拓く」より一部抜粋・編集したものです)

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