エリーパワー創業者・吉田博一とSBIホールディングス社長・北尾吉孝が語り合う「ビジネスの要諦」

69歳で起業。今後のエネルギー問題のカギを握るリチウムイオン電池の開発に、80歳(掲載当時)のいまもなお情熱を燃やす吉田博一氏。その吉田氏を支援し、自身も200社越のグループを擁する起業家として金融界に新たな地平を開き続ける北尾吉孝氏。それぞれの道で一道を切り拓いてこられたお二人に、ビジネスで最も重要な心構えについて語り合っていただきました。

謙虚さを失っていないか 舞い上がっていないか

〈吉田〉
銀行時代に毎日九十軒のお得意先を訪問していた時は、営業成績を上げることはもちろんですが、いろんな経営者にお目にかかって、それぞれのよいところを吸収しようという思いもありました。

その中で学んだことは、ビジネスで一番大事なことは、やっぱり誠実や信用だということです。

当社では毎週「十則」というのを皆で唱和していましてね。そこに掲げている「私たちの会社の夢は人類、社会に役立つ仕事をすることだ」「信用誠実に優る知恵はない」といったことは、私が銀行時代から追求してきたことなんです。

銀行の支店長時代に転勤する際、部下の女子行員が「吉田語録」という冊子をつくって贈ってくれたことがあります。

私が日頃話していたことをまとめてくれたものなんですが、そこに書かれていることは、「正々堂々としたごまかしのない仕事をしよう」などと、いま「十則」に掲げていることとほとんど同じです。

〈北尾〉
その女子行員の方の心掛けも立派ですね。

実は、私も同じようなものを書いてもらったことがあります。

野村企業情報の役員を退任して、野村證券へ戻る時に、当時社長だった後藤光男さんから、「北尾吉孝君の記録」という冊子を贈っていただいたんです。

その最後のページに「北尾君が謙虚な姿勢を保つ時、その迫力はますます人を動かし、組織を動かすことになる」と書いてくださいましてね。

私はこれを読み返しては、いまの自分は謙虚さを失っていないか、舞い上がっていないかと、自らを省みるようにしているんです。


(本記事は月刊『致知』201711月号 特集「一剣を持して起つ」から一部抜粋・編集したものです)

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・コロナ禍で失われた3年をどう取り戻すか

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◇吉田博一(よしだ・ひろいち)
昭和12年東京生まれ。36年慶應義塾大学法学部卒業。住友銀行入行。取締役、副頭取を経て、平成9年住銀リース(現・三井住友ファイナンス&リース)社長に就任。13年同社会長兼社長。14年同社特別顧問。15年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。18年エリーパワーを創業し社長に就任。

◇北尾吉孝(きたお・よしたか)
昭和26年兵庫県生まれ。49年慶應義塾大学経済学部卒業。野村證券入社。53年英国ケンブリッジ大学経済学部卒業。ワッサースタイン・ペレラ・インターナショナル社常務取締役、野村企業情報取締役、野村證券事業法人三部長などを経て、平成7
年ソフトバンク常務取締役。平成11年ソフトバンク・インベストメント(現・SBIホールディングス)社長に就任。著書に『何のために働くのか』(致知出版社)など多数。

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