ケント・ギルバートが成人式で騒ぐ若者に語りかけた、日本人に大切にしてほしい「3つのこと」

テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」で人気を博し、現在は主に著書や講演を通じ、日本の歴史や日本人のあり方について鋭い提言を投げかける弁護士ケント・ギルバートさん。
かつて世界の尊敬を集めた活力を失った社会を、もう一度元気にするには? 日本の伝統的な精神が大事だと強調するケントさんが、若者に大切してほしい「3つのこと」を熱く語ります。
 ※対談のお相手は参議院議員・山谷えり子さんです

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日本が世界に発信していくべきこと

〈山谷〉
今年(2016年)は皇紀2676年。

初代神武(じんむ)天皇ご即位の2月11日を建国の日としていますけれども、神武天皇が掲げた建国の理念というのは、現代風に言えば、一人ひとりを大切にする国をつくること、道義国家をつくること、それから世界が仲良く家族のように平和に暮らす国をつくることだというふうに読み取ることができると思います。

私たちはそのことを踏まえて素直な気持ちで現実を見ればいいのに、何事もイデオロギーとWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の色眼鏡をかけたままで物を見てしまっています。それが戦後に主権を回復して、戦後70年が経っても依然として続いているのはとても残念なことです。

日本が主権回復をした時の喜びを昭和天皇は、

「国の春と今こそはなれ霜こほる冬にたへこし民のちからに」

という御製で表現なさいました。ところがもう戦後生まれが8割になって、日本が占領されていたことすら大半の日本人が知らない時代になっているんです。

〈ギルバート〉
日本が1952年4月28日に主権を回復したことも、知らない人が多いようですね。

 〔中略〕

〈山谷〉
ケントさんもご存じのように、伊勢神宮は四十一代持統天皇の頃から1300年間、真心を込めてこの御遷宮を続けてきたわけですけれども、私はあの時、日本人がそれほどまでに長きにわたって代々尊い祈りをもって仕え続けてきたのは、神様に仕えるように人々にも仕えていくんだという、日本人の心根とか、奇跡のような生き方を表していることを、深い感動とともに、改めて常若の国としてのありようを実感したんです。

私たちは、日本がそういう希有な国であることをもっと自覚して、世界に対立ではなくて調和、そして祈りというものの大切さを丁寧に伝えていく使命があると思うんです。

いま国際テロリズムとか、ポピュリズムとかが行き交って混乱している世界に、そのことを清らかに発信していくということが大事だと思うんですね。

〈ギルバート〉
日本が世界に対して果たすべき役割は、とても大きいですよ。

〈山谷〉
幸い、第二次安倍内閣が発足して3年4か月が経ち、その間に訪日観光客も、800万人だったのが2000万人まで拡大して、2020年には4000万人を目指すと発表しています。

インフラ輸出も総理ご自身がトップセールスマンになってどんどん受注されるので、3兆円だったのがいま10兆円になり、2020年には30兆円になろうとしています。

その際に社員教育も含めて輸出しようとしているので、日本人の正直さ、親切心、勤勉、チャレンジ精神といった美点も世界に発信できると思うんです。

最近、日本の「新幹線お掃除劇場」というのがハーバード大学の授業で取り上げられて絶賛されているようですね。清掃スタッフの方たちが、乗客が乗るまでの僅か数分間で社内を綺麗にして、最後にプラットホームにきちんと並んで「行ってらっしゃいませ」と挨拶をするのが、まるで劇場のようだと。

日本人はなぜ人様のためにあそこまで喜びをもってイキイキと働けるのだろうと、日本人にとっては当たり前のことが世界で絶賛されているんですね。

アメリカの世論調査でも日本の好感度はトップクラスでしょう。

〈ギルバート〉
トップですよ。

〈山谷〉
ですから自虐的な態度からは早く卒業して、もっと自信と誇りを持つべきだと思うんです。

そして若い方々にも、日本の将来を担う自分たちの使命は大きいことを自覚していただいて、引きこもらないで、チャレンジ精神を持って力を発揮していってほしい。それが若い方々に伝えていきたい私の思いですね。

「信頼」「感謝」、そして……

〈ギルバート〉
私は成人式で講演を頼まれることがよくあるんですけれども、私が若者に言いたいのは、まず「信頼」という言葉を忘れないでほしいということ。

この社会は信頼に基づいて成り立っているんだから、人の信頼を裏切るようなことは絶対にしないでくださいと。

それから、「感謝」が大事だということ。若者たちが会場で騒いでいると、私は言うんです。

「君たちは自分を何様だと思っているんだ? 君たちは、誰のおかげでこんなに素晴らしい日本ができたと思っているんだ? 君じゃないことは確かだよな。
 じゃあいったい誰だ? ご先祖様でしょう。お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、お父さん、お母さん、その他地域社会や国の指導者、さらには外国の援助も受けていまがあるのに、何だその態度は。もっと感謝しなさい」と。

そうするとみんな静かになるんです。いまの国ができたのは、いま生きている人間のおかげじゃない。だから感謝の気持ちを一生持ち続けなさいと言うんです。

三番目は「参加」です。引きこもりをしていてはダメだよと。社会人であるならば、積極的にこの社会に参加して、自分だけではなく他の人たちと一緒に社会に幸せをもたらすような参加型の人生をぜひ送ってくださいと。

この三つが、私が日本の若い方々に伝えたい思いなんです。ですから教育者の方々には、子供たちが信頼、感謝の心を育み、社会参加するような人間に成長できるように、ぜひともサポートしていただきたいですね。

管理しようと考えるのではなく、謙虚な態度で仕事に臨んでいただきたいと願っています。


(本記事は月刊『致知』2016年8月号 特集「思いを伝承する」より一部を抜粋・編集したものです)

ケントさんが語った、日本の若者が大切にすべき「3つの精神」。実はこの他にも、意識していないだけで、我われが脈々と受け継いできた大切な〝心〟があります。それは――。
『致知』2022年7月号 対談「『君が代』の心を忘れないで」
ケント・ギルバート(米カリフォルニア州弁護士)× 白駒妃登美(ことほぎ代表)

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◇ケント・ギルバート(Kent Sidney Gilbert)
1952年アメリカアイダホ州生まれ。1971年ブリガムヤング大学在学中に、モルモン教の宣教師として初来日。1980年ブリガムヤング大学大学院を卒業。米国の弁護士資格を取得して、国際法律事務所に就職し、法律コンサルタントとして来日。1983年テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し、人気タレントとなる。以後、テレビ出演、複数企業の経営や講演活動を行うほか、公式ブログやメールマガジンなどで、在日米国人法律家の視点から日本の政治、文化、歴史問題等について活発な言論活動を展開。著書に『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(PHP研究所)などがある。

◇山谷えり子(やまたに・えりこ)
昭和25年東京都生まれ。48年聖心女子大学卒業後、新聞記者、テレビキャスター、コラムニストとして活躍。平成12年衆議院議員初当選。16年参議院議員(全国比例区)当選。第一次安倍政権では総理大臣補佐官(教育再生担当)として60年ぶりの教育基本法改正、43年ぶりの学力調査実施に尽力。第二次安倍改造内閣では、国家公安委員会委員長、拉致問題担当大臣、海洋政策・領土問題担当大臣、国土強靱化担当大臣、内閣府特命担当大臣(防災)として入閣。著書に『日本よ、永遠なれ』(扶桑社新書)などがある。

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