【後編】サニーサイドアップ創業者・高橋恵さんが語る「おせっかい」の極意

2020年からお届けしている致知出版社のライブ配信「週刊『致知』Facebook Live」。『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』が発売1か月で10万部を突破したことを記念して、本書にご登場の方々をゲストにお招きしてお届けしました。

第3回にご登場いただいたのは、日本を代表するPR会社・サニーサイドアップ創業者の高橋恵さん。現在は「一般社団法人おせっかい協会」を立ち上げ、思いやりの大切さを社会に広める活動に尽力される高橋さんに、ご自身の原点と信条をお話いただきました。

◎本記事の【前編】はこちら

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一言の言葉、一枚の紙切れでも、人を救うことができる

〈高橋〉
私の記事の最後は、「たった一言の言葉、たった一枚の紙切れでも、人を救うことができる」という言葉で締め括っているんですけど、最近、そのことを改めて実感する出来事がありました。

昔、私が落ち込んでいる時にある新聞の編集長から励ましのお手紙をいただいたのですが、いろいろあってお礼を言いそびれていたんですね。でもこのコロナ禍で、身の回りの整理、断捨離をしていると、その編集長の手紙が出てきたんです。ちょっと読ませていただきます。

 「あっという間に晩秋、初雪便りが聞かれだしましたね。近ごろ、ちょっと落ち込んでいるとのこと、元気を出してください。踏まれても、蹴られても、ぼくは立ち上がってきました。
 ……じたばたしても、どうにもならぬ今の世の中、開き直って、生きるしかないでしょう。女ひとり、複数のスタッフを率いて前進するのは大変でしょう。しかし、船長さんがしっかりしないと、大波は乗り切れません。
 独立1年半、立派だったと思います。苦しくても、『心に太陽、唇に歌を』。生きる道はこれしかありません。皆様によろしく。健闘を祈ります!!」

この編集長のことが本当に気になって、どなたかこの方を知らないかってフェイスブックに投稿しましたら、関係者の方がいろいろ調べてくださったのですが、もう亡くなっていたんです。これはまさに天国からの手紙だと思いました。

ただ、何が一番悲しかったかといえば、なぜ自分の心で思った時にお礼が言えなかったんだろうということです。本当に悲しかった。誰かにお礼を言いたいと思っても、やはり思っただけでは相手に通じない。

だから、感謝の気持ちを抱いたら、それを相手の方に絶対に伝えてほしい、思ったことは即実行だと、今回この手紙でつくづく感じました。

**(下に続く)**

高橋さんには、『致知』2021年5月号にご登場いただきました!
 お相手は、愛媛県の自宅隣に知的障碍者が集える「のらねこ学かん」を設立し、彼らの居場所を守り続けてきた塩見志満子さん。
 幼少期からの試練の連続の中で、「誰かのために生きる」という人生の喜びを掴んだお二人に、命を輝かせる生き方について語り合っていただきました

*****

学びと実践で、人生はいくつになっても楽しめる

──『365人の仕事の教科書』の中で特に印象に残った記事はございますか。

〈高橋〉
一つは「2月5日」の九州ルーテル学院大学客員教授・大畑誠也さんの記事「教室中の親子が涙した最後の授業」。

これは本当に親に感謝しなさいっていうことを教えてくれる記事、手紙なんです。私自身も、絶対に親には感謝すべきだと思っているので、この記事を皆さん読んでいただき、大いに泣いて、大いに親のことを気遣ってほしいなと思うんですね。

いまの時代、年を取った親の面倒を見ない人が多いんです。そしていざ亡くなったら親族でお金の奪い合いをするんですよね。私はそれがすごく悲しいんです。

そういう世の中じゃなくって、やっぱり親を大事にする気持ちをしっかりと子供たちに教えていかなくてはいけないんじゃないかと感じます。

これくらいの熱血先生がいなくちゃダメなんですよ。もう本当に、このぐらいのことを私もいまの若い人たちに言ってあげたいという気持ちなんです。自分の人生は短いだけに、私が死んだらもう話してあげられませんから。

 ──もうお一人、特に印象に残った方がいらっしゃればご紹介いただけますか。

〈高橋〉
「6月25日」に掲載されている渋沢栄一のお孫さんでエッセイストの鮫島純子さん。あの方の生き方も、本当にその通りだなあと。

鮫島さんは「オレオレ詐欺」に遭っても、犯人を決して恨まず、何事も「愛の練習所」と受け止めて生きてこられた。私自身も、車内に置いていた毛皮を盗られたことがあったのですが、もう悔しいとかもったいないとか思わないで、ああ、誰かがその毛皮を着て温かいと思っていたらそれでいいわって諦めました。

もう、ないものはないわけですから後悔してもしょうがない。そんなにネガティブに考える必要ないんですよ。

私もこれまでいろんなことを経験して、ここまで歩んできました。だから、鮫島さんがおっしゃるように、人生には一つも無駄はないと思うんです。

 ──高橋さんのご体験とも重なり合うものがあり、より一層心に沁みたのでしょうね。『365人の仕事の教科書』の中に出てくる方々に共通するものを挙げていただくとすれば、どんなことでしょうか。

〈高橋〉
本当に皆さん、これまで全身全霊をかけて実践してきたこと、体感したことを書いていらっしゃると思うんです。そして、頭だけを使うのではなくて、心と体を使って行動して、しかも見返りを求めていない。まさに「おせっかい」というギフトを自分の周り50センチ圏内の人に届けていくことが、人も社会も前進させていくんだなと改めて感じました。

 だから、もう本当に難しいことじゃない。私は宅急便の方が来ても、ぱっとお茶とかお菓子をあげるんですが、自分がされてよかったことはする。相手が喜ぶことをやることが、一番いいんです。この本の中には、大変いいお話がいっぱいあるんですが、それをただ読んでよかったなと思うんじゃなくて、学んで、実際に行動してほしい。もうこれに尽きます。

 いくつになっても、人生の後半が楽しいんです。皆さんも年を取ったからもういいだろうと思わないで、学びを実践して、どんどん、どんどん周りに「おせっかい」をしてほしいと思います。

 ──最後に『365人の仕事の教科書』のもとになっている月刊『致知』についてもメッセージをいただければと思います。

〈高橋〉
ぜひもっと多くの方が『致知』を読んで元気になってほしいですね。特に若い方に『致知』を勧めると、面接などで「君が『致知』を読んでいるなら、信用できる。ぜひ採用したい」と、就職が決まったという方が大勢いらっしゃるんですよ。

『致知』には、そういう力もありますので、皆さん、もっともっと『致知』で人間学を学んでいただきたいですね。それに、若い人が読むようになって、若い息吹が入っていけば、もっと素敵な雑誌になるんじゃないかと思います。


◉『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』詳しくはこちら
※本記事は『11話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』発売記念! 週刊『致知』Facebook Liveの内容を編集したものです

~『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』は、月刊『致知』から生まれました~
王貞治氏、稲盛和夫氏、松岡修造氏など、各界トップリーダーもご愛読! 月刊『致知』のご購読・詳細はこちら
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◇高橋 恵(たかはし・めぐみ)
昭和17年生まれ。一般社団法人おせっかい協会会長。3歳で父が戦死し、母子家庭3人姉妹の次女として育つ。短大卒業後は広告代理店に勤務し、結婚退職後、子育てをしながら保険の外交員やさまざまな商品の営業に従事してトップセールスを記録。42歳で、当時高校生だった現社長の長女と共に自宅のワンルームマンションで株式会社サニーサイドアップを創業。平成28年には世界のPR会社19位(日本1位)にランキングされ、平成30年に東証一部へ上場した。

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