幸福はいつも「○○○」にある。100歳の日野原重明さんが実践していた心身快活のコツ

明治44(1911)年に生まれ、100歳を超えてなお驚異的なお元気さで診療や講演に奔走されていた聖路加国際病院理事長の日野原重明さん。弊社から著書を出版された際の記念講演会では、なぜこうして自分の足で元気に立って登壇できているのか、心身ともに快活でいられる理由を、学者の研究や日野原さんならではのユーモアを交えて教えてくださいました。

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運命は自らデザインしていくもの

〈日野原〉
26歳で医者になって、今年で75年になります。100歳になってもまだ患者を診ている人は世界のどこにもいないですよ。

私はいま、遅れている日本の医学教育を変えるために学校をつくろうと思っています。その目標を達成するためには、あと10年かかる。だから、110歳まではなんとか自分の体を健康に保ちながらやっていきたい。

私はきょうも心電図をつけて、皆さんの前で講演していますよ。明日のお昼になると、その機械を外して病院で分析してもらう。24時間、私の心臓がどうなっているかがちゃんと記録されているんですね。100歳になると、余程のことがないと生きられないでしょ。何かの病気があるに決まっている。それを早く発見して処置をするようにしています。

私のスローガンは、「年をとってもやったことのないことを始める」です。

もうこの年だから、英語の勉強をしたり、あるいはコンピュータを習ったりしてもしょうがないと言うのではなく、70、80、90になってもやったことがないことを始める。いま私がやっているのは、FacebookをするためにiPadの練習をすることです。

マルティン・ブーバーというユダヤ系の哲学者はこう言っています。

「人は創めることを忘れなければ、いつまでも若くある」

人間の脳は、本当に不思議なもので、使えば使うほど活性化する。逆に、脳に悪影響を与えるのがストレス。よい刺激として受けるのはいいけれども、ストレスとして受けるとよくないですね。

ストレスの研究を行ったハンス・セリエという学者は、

「よい刺激はその人の潜在能力を引き出す」

と言っています。

生きていればどうしてもストレスはありますよ。でもそれをよい刺激にしようと、心の中でスイッチを変えると、それが私たちの体を変えるんです。

希望を持って生きるということについて少しお話ししたいと思います。私は10歳の時、『青い鳥』の劇をしました。主人公のチルチルとミチルが幸福の象徴である青い鳥を探し求めるんですけど、どこにもいない。ところが、家に帰ると青い鳥がいた。幸福は外ではなく、自分の身近なところにあるというのがメーテルリンクの有名な戯曲ですね。

だから、病気を抱えていても、経済的に貧しくても、幸福はいつも自分の心の中にあるんだな。

最後に、小学生の時に習った「希望の島」という歌を皆さんに披露して、私の講演を終わりたいと思います。

 遥か隔つ 海の彼方
 波風静かに
 四時花咲き 香りは満つ
 哀れこの島よ
 希望の島、希望の島
 物みな足り満ち
 日は落ちず 花散らぬ
 歓びの常世辺

皆さん、希望を人の心に植えていきましょう。


(本記事は『致知』2012年10月号 特集「心を高める 運命を伸ばす」より講演録の一部を抜粋・編集したものです)

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◇日野原重明(ひのはら・しげあき)
明治44年山口県生まれ。昭和12年京都帝国大学医学部卒業。同年、循環器内科に2年間入局。14年、京都帝国大学大学院で心臓病学を専攻。16年聖路加国際病院内科に赴任。63年聖路加看護大学に国内初の大学院博士課程を設置。平成4年聖路加国際病院院長就任。12年、75歳以上の元気な老人を集めて「新老人の会」結成、会長就任。現在、聖路加国際病院理事長・名誉院長。著書に『生き方上手』(ユーリーグ)など多数。近著に『日野原重明 一〇〇歳』(NHK出版)『〈CD〉生き方上手は死に方上手 』(致知出版社)など。29年逝去。

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