伝説のトップセールスレディは、若手社員のどこを見ているのか?

営業経験ゼロから圧倒的業績を上げ、トップセールスとなり、独立後は社員教育コンサルタントとして何万人もの人材育成に携わってきた新規開拓社長の朝倉千恵子さん。そんな朝倉さんが語る、伸びる人材に共通するものとは??

伸びる人材は明日を期待させる

(朝倉)

伸びる人材という意味では、我が社の社員の事例を紹介すると、話す態度から口調から、もうすべて腹が立つような言い方をする社員がいたんです。

 食事のマナーも注意指摘をすると「食事の時くらい好きなように食べたっていいじゃないですか」みたいに反抗的な態度を取る。この5年間、私も副社長もメチャクチャ叱って、一番泣いた部下です。

 どんなに叱られても「私は絶対に辞めません!」と言っていました。以前の会社でもトップセールスで、我が社に入る時、「この年俸を保証してください」と額を提示してきたので、「無理です、この年俸になります」と言うと「分かりました」と。希望額よりグンと下がったのですが、それでも自分は絶対にここでやると決めて、いまは我が社のトップセールスです。

後付けで身につけた礼儀や礼節が全部彼女の財産になっていると思います。

もう、どれだけうるさく言ったか分かりません。でも、本当に5年間で成長しました。

よく、伸びる人材は「素直だ」と言われますが、その定義が勘違いされていると思うんです。上の人の言うことを「はい、はい」と聞くことじゃない。ガツンと叱られて、その瞬間はムカっとした顔をしていても、必ず改善して確実に成長していく人。それが本当の「素直な人」だと思うんです。なんでもかんでも「はい、はい」と従うだけの人は面白くもなんともない。大体、そういう人は売れません。

我が社の場合は、履歴書を一切見ないんです。私はうちの部下がどこの学校を出ているかとか、まったく興味がないですから。面接で聞くのは「やる気ある?」「根性ある?」ということだけ。

やっぱりガッツとか生命力というのは教えられないですね。そういうベースがあって、礼儀礼節が身についている人は組織の中で認められ、用いられていく人材になると思います。

だからこそ、叱られて大泣きして鼻水流しながらでも、改善して、食らいついてくるような人を経営者は求めていると思います。そういう人は未来が楽しみですから。

3年後、5年後、この子はどうなっているかなと未来を期待させる社員は伸びると思います。

(本記事は月刊『致知』2013年2月号を一部、抜粋したものです。全文は本誌をご覧ください)

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朝倉千恵子(あさくら・ちえこ)

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昭和37年大阪府生まれ。小学校教師、証券会社などの勤務を経て、平成9年(株)社員教育研究所入社。12年度年間売り上げナンバーワンになり、トップセールス賞を受賞。13年独立。16年(株)新規開拓を起業。社員教育のコンサルタントとして全国を飛びまわり、自らの経験を生かした研修・講演は多くの企業から支持され、高いリピート率を誇る。『すごい仕事力!』(致知出版社)、「『だから女は』と言わせない最強の仕事術」(こう書房)など著書多数。

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