帯津良一院長が教える、心身を健康に保つ3つの極意 「心・食・気の養生」

ホリスティック医学の第一人者として、多くの人々の健康の問題に向き合ってきた帯津三敬病院名誉院長の帯津良一さん。人生100年時代といわれるいま、私たちはいかに長い人生を健康に生き、安らかな最期を迎えればよいのでしょうか。そのための極意として、「3つの養生」を教えていただきました。

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心身の健康をつくる3つの養生

〈帯津〉
中国医学は臓器同士の関連性を重視します。臓器と臓器との間にある空間。これが生命現象に大きな影響を与えていると捉えます。私はこの空間を「生命場」と名付けました。心臓も肝臓も腎臓も、この生命場の中にあり、臓器は場の状態に大きく影響されます。

健康で大切なのは生命場の秩序を保ちバランスを整えることです。一定の秩序を保っていた生命場が暴飲暴食やストレスで乱れた時、それが病気となるのです。

私は生命場を高めるには3つの要素が必要だと考えます。

「心の養生」

「食の養生」

「気の養生」

です。

「心の養生」は一言でいえば、常に向上心を持って取り組んでいくことです。どこまでも生命のエネルギーを高め続けることです。

ただ、ここで念を押しておきたいのは、いわゆる「明るく前向き」という言葉についてです。意外でしょうが、実は明るく前向きな人ほど、エネルギーを失いやすいのです。

私も最初は人間は明るく前向きなのがよいと思っていました。そのために開業当初、患者さんを明るく前向きにする心理療法チームを立ち上げたりもしましたが、ある時、気づかされました。明るく前向きな人が経過がいいのではなく、経過がいいから明るく前向きになれるのだ、と。経過が思わしくなければ、奈落の底に落ちて立ち直れなくなる人が多いのです。

ではどうしたらいいのか。私は多くの人を観察する中で、人間は本来哀しくて寂しい存在であり、明るく前向きにだけでは生きていけないと考えるに至りました。元気な状態でも常に悲しみや不安が襲ってきます。ましてや重病ともなれば、尚更でしょう。作家の水上勉さんは「我々は虚空より来たりて虚空へ帰る孤独なる旅人である」とおっしゃっていますが、まさに、そのとおりだと思います。

人間は哀しく寂しい存在という考え方にどっしり腰を下ろした時、「人生は所詮そういうものなのだ」という一種の安心感が生まれます。それが分かると、日々のちょっとした出来事にも「ときめき」を感じるようになります。

カツ丼が好きな人ならカツ丼を食べることでもいいでしょう。異性を見てときめく人がいるかもしれません。よい本や言葉に触れて発憤する人がいます。どんな小さなことでもいいのです。「ときめき」という希望の種を播いていれば、心は自然と明るく前向きになります。この前向きは哀しみや寂しさから出発していますから、たとえ壁にぶつかってもいつまでも落ち込むことはありません。

悲しみ→希望→ときめき→明るく前向き→悲しみ→希望→ときめき→明るく前向き……。この循環を繰り返す中で、「死後の世界」に向かって生命場のエネルギーは高まっていくのです。

次に「食の養生」です。食の養生というと、どうしても食事制限や玄米菜食という言葉を連想します。もちろんそれも大切なことだと思います。しかし、ステーキが食べたいと思った時には思いきって食べて自然治癒力を高め、翌日には再び玄米菜食に戻るといった「攻めの養生」も大切なのではないでしょうか。

私は、大地のエネルギーを含んだ旬のもの、地場のものを食べること、好きなものをときめきながら少量食べることは、とてもいいと考えています。ちなみに、私はお酒も養生という持論があって、晩酌は欠かしません。

3つめの「気の養生」。これは大宇宙の気を体に取り入れることです。気功、ヨガ、神道の呼吸法など自分に合った健康法を実践していただきたいものだと思います。 

生命場を高めるのに欠かせない「心の養生」「食の養生」「気の養生」。これを私流に、

目には青葉 朝の気功に夜の酒

と表現しています。


◉月刊『致知』2021年5月号の対談にご登場いただきました✨


(本記事は月刊『致知』2010年3月号 特集「運をつかむ」から一部抜粋・編集したものです)


王貞治氏、稲盛和夫氏、井村雅代氏、鍵山秀三郎氏、松岡修造氏など、各界トップリーダーもご愛読! あなたの人生、仕事、経営を発展に導く珠玉の教えや体験談が満載、月刊『致知』のご購読・詳細はこちら各界リーダーからの推薦コメントはこちら

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【著者紹介】
◇帯津良一(おびつ・りょういち)
昭和11年埼玉県生まれ。東京大学医学部卒業。東大病院外科医、共立蒲原総合病院外科医、都立駒込病院外科医長などを経て、57年帯津三敬病院を開設。現在名誉院長。西洋医学に中国医学や代替医学を取り入れ、ホリスティック医学の確立を目指す。

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