世界一のエステティシャン・今野華都子さんが大事にする「自分を育てる3つのアプローチ」

毎週水曜日19時からお届けしている週刊『致知』Facebook Live。1月の配信は『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』が発売1か月で10万部を突破したことを記念して、本書にご登場の方々をゲストにお招きしてお届けしています。第2回にご登場いただいたのは、エステティシャン、アイテラス社長、「古事記に日本人の生き方を学ぶ華都子塾」塾長など多方面で活躍されている今野華都子さん。『致知』の熱心な読者でもある今野さんに、「自分を育てる3つのアプローチ」についてお話いただきました。
◎今野先生ご登場の「週刊『致知』Facebook Live」見逃し配信はこちらから視聴いただけます◎

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愛の実践の教科書

――第2回目となる今回は、今野華都子先生をゲストにお招きしております。もともと専業主婦をされていた今野先生は、45歳の時に美容業界に入り、数年後にはエステティシャンとして世界一の称号を獲得。また、巨額の負債を抱えていたリゾートホテルの立て直しにも尽力され、経営者としての手腕を発揮されました。さらに、2011年には日本神話の『古事記』を学ぶ「古事記塾」を開講、これまで1000人以上の受講生に日本の歴史や精神性を伝承してこられました。本当に素晴らしいご活躍です。

 (今野)
ありがとうございます。

 ――まず「『365人の仕事の教科書』の魅力」についてお聞きしたいと思います。今野先生は本書を読まれてどのようなことをお感じになられましたか。

 (今野)
経営者の立場からすると、この本はまさに「経営のバイブル」ですね。とにかく、何があっても変わらないもの、経営の本質や根本を、365人の登場者の方がそれぞれの言葉で教えてくださっている。別の言葉で言えば、「愛の実践の教科書」なんだなと思います。

 ――ああ、「愛の実践の教科書」。

 (今野)
ええ、仕事は愛の実践の場だと思うんですね。自分育て、人育て、人は皆持っているものが違いますから、それぞれが持っている愛を実践していく、記録していくのが仕事。

 また、『365人の仕事の教科書』は哲学であり、言葉がぎゅっと凝縮された詩であり、そして絵画であり、美しいメロディが聞こえてくる音楽でもある……。その人が真剣に仕事や人生に向かっていった時に、絞り出される真理。そういう凝縮されたものがこの本の言葉の中には宿っている。

 365人の仕事の教科書』の上に手をのせただけで、共鳴が沸き上がってきて涙が出てくる。本当にどなたの言葉も、自分の中の真心というか、一番大事なところに刺さってくる。こういう本をよくぞ編んでくれたと本当に思って、自分のブログ(伊勢神宮「神の計らい」)にも感想を書かせていただきました。

 ――ブログの感想、拝見しました。際立った名文で大絶賛してくださいまして、ありがとうございます。

 (今野)
私は文章をうまく構成はできませんけど、思いが言葉になって沸きあがってきて、もう考えて書いたんじゃない感じですね(笑)。

 ――監修者の弊社社長・藤尾秀昭もこの本の最初に、「人生で真剣勝負した人の言葉は詩人の言葉のように光る」と書いていますが、今野先生がいまおっしゃった、言葉がぎゅっと凝縮された詩、音楽が聞こえてくるという感覚は、私自身もすごく共感いたします。

 (今野)
この本は毎日読ませていただいていますけれど、その時、その時に感じることってありますよね。例えば、若い時に読んだ本が、若い時に見た映画が、いま見ても同じように思えるかと言えばそうではない。自分の体験、経験が違うと、ああ、こういうものだったのかと受け止め方が変わってくる。それが人間の成長だと思うのですが、自分が体験したことによって、その奥にあるものにもっと気づけるようになっていく。

 いまはコロナ禍で会社をどう経営していけばいいのか模索している人も多いと思うんですけど、自分が目の前の困難を切り抜けようと思って読むと、その言葉が心により響いてくる、ヒットしてくるものがあります。『365人の仕事の教科書』の記事のもとになっている『致知』も、もう40年くらい読ませていただいていますが、いま経営者としてこのコロナ禍をどう切り抜けていくか、どんなスタンスで真剣勝負をやっていけばいいのか……昔に読んだ記事であっても、この時だからこそ改めて必要な言葉っていうのが見つかる。状況が違うとそういう風に読ませていただけるんだなって思ってます。

 ――いろいろな経験を積み重ねることで、感じ方、捉え方はやっぱり変わってくるのですね。

 (今野)
ええ。それに、「仕事の教科書」って書いてありますけど、これはもちろん「人生の教科書」でもある。私はきっと一生手放せない仕事・人生の教科書になるだろうと思っています。

人生が好転する「3つのアプローチ」誕生秘話

――『365人の仕事の教科書』には今野先生にもご登場いただいていますね(58ページ「131日」に掲載)。ぜひ今野先生ご自身の記事に関しても掘り下げてお聞きできればと思います。記事の中に「自分を育てるための3つのアプローチ」(1、笑顔。2、「はい」と言う肯定的な返事。3、相手の話をうなずきながら聞く。)というお話がございますが、この「3つのアプローチ」を今野先生が確立されたいきさつを教えていただけますか。

 (今野)
これを考えたのは、私が大きな負債を抱えたホテルの再建を頼まれた時のことです。そのホテルの社員は皆それぞれとても優秀なのですが、なんだかお互いにギクシャクしていたんですね。トップもそれまで何度も交代していて、とにかく皆がうまく調和していなかった。自分は悪くないとか、相手が分かってくれないとか、自分なりのスタンスがあるわけですよね。

 どうしたら皆が能力を発揮して働いてくれるだろうかと考えた時に、私は、自分はオーケストラの指揮者、コンダクターだと思ったんですね。「ハイ、そこはこういう風にやってちょうだい! 皆でこういう風になりましょう!」みたい感じで、皆の素晴らしいところを引き出して調和させていく。

 そのために大事だと思ったのが、まずは「笑顔」。当たり前のことですが、笑顔でいれば当然、相手の人も周りも安心しますよね。そして頼まれたことを笑顔で「ハイ」と受け入れてやってみることで、自分の能力をひらくことができるようになる。

 それから、「相手の話をうなずきながら聞く」。なぜこれがとても大事だと思ったかというと、社員は皆一所懸命、真面目に私の話を聞いてくれているのですが、それだけだと自分の話を本当に受け入れてくれているのかよく分からなかったんですね。私の言っていることに賛成してくれているのか、嫌なのか、いったいこの雰囲気は何なのだろうと。当時、145人くらい社員がいましたが、まさに1対145という状況だったんです(笑)。

 ――ああ、1対145人。大変な状況でしたね。

 (今野)
そこで、一人ひとりと個人面談をしていったんですけど、例えば、難しい顔をしてメモを取っていても、伝える私からしたら内心はどう受け止めてくれているんだろうと。もしそれが「あ、そうですか!」とか、「そうですね!」と相槌、頷きがあると、すごくお互いに理解しやすい、お互いに壁をつくらず、コミュニケーションが一方通行にならないと思ったんです。

 実際、外国人は「クイック・スマイル」といって、「私はあなたの敵じゃありませんよ」と言うように初対面でも会った瞬間にお互い「ニコッ」っとする習慣が身についていますよね。それは、異なる文化や人種の人たちと生活する中で、相手に敵意のないことを示し、自分の身を守るためなのだと思います。

 だから、自分をちゃんと知ってもらい、自分の能力を仕事の中できちんと生かしてもらうためにも、相手の方と接する時に「3つのアプローチ」で最初からその心の扉が開いていたほうが、お互いにすごくコミュニケーションが取りやすい。

 ――「心の扉を開く」。相手との壁を取り除く。そのために簡単にできることが「3つのアプローチ」だということですね。

 (今野)
この基本の3つを最初に身につけて、相手に自分を受け入れてもらい、同時に相手のことも受け入れながら、自分を育て、仕事を構築していく。それが仕事の第一歩です。それをホテルの皆が身につけていくことによって、仕事がすごくスムーズにいくようになったんですね。社員同士の融和や協力体制ができ、どんどん自分をいかす喜びを知ることで、サービスの質も向上し、リピーターが増えたりして、経営の数字が上がっていきました。

 ――「3つのアプローチ」は、ホテルの再建以外でも、人生のあらゆる場面において生かせる法則だと思います。「3つのアプローチ」を実践することによって人生が好転したという事例を教えていただけますか。

 (今野)
例えば、自分は親から愛されてない、文句ばかり言われるから嫌われていると思っていた方がいました。そして、その方は、親子という身近な存在だから、「ハイ」という返事や相手の話を頷きながら聞いたりしなくてもいいと思っていたというんです。

 ところが、「3つのアプローチ」をしっかり実践してもらうと、いままで誤解し、傷つけあっていた親子の関係が氷解していきました。だから、そうやって、他人だけではなく、一番身近な人にこそ、ハイという返事や笑顔で接して、相手のことを分かってあげようとすることが大事なんです。「なんでそういうことを言うの!」となりそうになったら、気持ちを落ちつけて、「そうだよね、そうだよね」と頷きながら聞いてあげるだけで、お互いに愛の原点に立てるのかなって思います。

――身近な人に対してこそ、「3つのアプローチ」を実践する。見落としがちですが、とても大事なことですね。

『致知』はパッションを点火してくれる

――先ほど今野先生は『致知』を40年ほど読んでいるとおっしゃっていましたが、長年ご愛読くださっている理由についてもお伺いできますでしょうか。

 (今野)
仕事はいつも情熱をもってやらなければいけないし、やりたいんですけど、人間はどうしてもモチベーションが下がってしまう時が必ずあります。その時に『致知』にご登場される方々の生き方に接すると、自分の中にパッション、燃え立つものを再び点火してもらえる。そして、自分一人では分からない多様な視点、視座を与えてくれる。それが『致知』を愛読している一番大きな理由かもしれません。

 ――まだ『致知』を知らない方、お読みでない方に向けても最後にメッセージをいただければと思います。

 (今野)
『致知』にご登場される方々はいまを生きている人ですから、会いに行こうと思えば会いに行けるんですよ。ご登場者が同じ時代に生きてくれている。有名無名の人たちがこの世を一所懸命に生きている姿は、まさに「魂の光」だと思うんですね。魂の光を発してる人が『致知』にはご登場される。そして、もしかしたら直接お会いして、その光を自分が直接受けられるかもしれないんです。

 『致知』を読んでいると、自分の魂にぴったりくる人が何人も現れると思います。だから、皆さんもそんな『致知』をぜひ読んでくださいと心からお伝えしたいですね。


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※本記事は『11話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』発売記念!週刊『致知』Facebook Liveの内容を編集したものです。

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◇今野華都子(こんの・かつこ)
昭和28年宮城県生まれ。平成10年エステティックサロンを開業。16年第1回LPGインターナショナルコンテストフェイシャル部門にて日本最優秀グランプリ、また、世界110か国の中で最優秀グランプリを受賞。タラサ志摩ホテル&リゾート、カルナ フィットネス&スパの社長を歴任。最新刊に『はじめて読む人の「古事記」』(致知出版社)。

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