滋慶学園グループ・浮舟邦彦総長が掲げる「3つのモットー」

創設から44年で24万人以上のプロフェッショナルを輩出してきた滋慶学園グループ。医療・福祉・アニメ・音楽・スポーツ・映像・美容・ITなど、手掛ける職種は実に500を超えます。同グループを率いてきた総長の浮舟邦彦さんに、開校以来大事にしてきた「3つのモットー」をお話しいただきました。

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変化に対応し24万人の人材を輩出

――浮舟総長の創設された滋慶学園グループは、社会で即戦力となる学生の養成に力を注いでおられるそうですね。

〈浮舟〉
「職業人教育を通して社会に貢献する」というミッションに、開校以来44年にわたって取り組んでまいりました。現在は全国で78校を運営し、医療や福祉、アニメ、音楽、映像、ITなど、500職種を超える人材の養成を行っておりまして、これまでに224万人以上の卒業生を社会へ送り出してきました。

――44年で卒業生24万人。大変な実績です。

〈浮舟〉
常に心に留めていますのが社会の変化です。職業人教育に携わる上では、社会の変化によって求められる人材も変化してくることをしっかりと理解しておかなければなりません。

かつての右肩上がりの時代は協調性が重視されていました。けれども、経営学者のドラッカーが説く知識社会へ移行してきたことによって、いまはジョブ型の人材、つまり即戦力として通用する専門知識をしっかり身につけた人材、自ら課題を発見し、チャレンジしていける人材が求められています。

開校以来の「3つのモットー」

〈浮舟〉
私共は、こうした社会の変化に対応するために、常にイノベーションに努めていかなければなりません。例えば、最近はドローンの技術者やIR(統合型リゾート)のマネジメントといった、これまで日本になかった人材が必要とされてきています。また、いまのコロナ禍も社会の様相を大きく変えましたから、そうした変化にいち早く対応していく必要があります。

しかし、いくら社会が変化しても、求められる人材の本質は変わりません。

――ああ、本質は変わらない。

〈浮舟〉
専門的な技術、知識などを育てる「実学教育」と共に、人と接する力、協調性、マネジメント能力などを育てる「人間教育」、語学力、他の文化に打ち解ける力などを育てる「国際教育」は、どんなに社会が変わっても追求し続けていくべき建学の理念です。

私共はこれに加えて、よりよい学校づくりを実現するために開校以来3つのモットーを掲げ続けています。

1つは、

「今日も笑顔であいさつを―Let’s greet each other with a SMILE.

です。

当初は学生を対象につくったものですが、まず私たち先生が笑顔で挨拶しなければならないと思い至りまして、このモットーを記したポスターを学校の至るところに貼り、率先して励行することで、自ずと学生にも浸透しました。

提携先の海外の先生が来校されると、当校の学生の挨拶の素晴らしさに感心されて、ご自分の学校にもこのポスターを貼りたいのでぜひ譲ってほしいと言われるんですよ(笑)。このモットーは世界共通の価値観だと実感しています。

――当たり前のようですが、まさしく人間教育の原点であり、徹底することが肝要だといえますね。

〈浮舟〉
2つ目は「(学生)一人ひとりを大切に」です。

入学してくるのは必ずしもよくできる学生ばかりではなく、やんちゃだったり不登校だったりと、いろんな学生がいます。けれども決して私共の価値観で切り捨ててはならない。こういう仕事をしたいと考え、当校を選んでくれたその思いを大切にしようと。それは学生ばかりでなく、講師の先生方にもスタッフにも言えることで、お互いを尊重して接することが大切だという思いを込めています。

そして3つ目が、「いきいきと健康で楽しく仕事を/そして幸せに」です。

組織はそこで働く人で成り立っています。グループで働くすべての人が、心身共に健康で楽しく仕事をし、私共のミッションの実現と事業の発展を通じて一人ひとりが幸せになる舞台をつくっていきたいと考えています。


(本記事は『致知』2021年2月号 特集「自靖自献」より一部抜粋・編集したものです)

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◇浮舟邦彦(うきふね・くにひこ)
昭和16年大阪府生まれ。39年関西学院大学法学部卒業。58年滋慶学園理事長、62年大阪滋慶学園理事長に就任。現在、滋慶学園グループ総長を務める傍ら、日本医療秘書学会理事長、ザ・シンフォニーホール総監、米国フロリダ州立ウエストフロリダ大学教育名誉博士、米国コロンビアカレッジシカゴ教育名誉博士、韓国啓明大学校教育名誉博士、関西経済同友会文化の力委員会委員長としても活躍中。

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