そうだ、今夜は「ゆず湯」にしよう! 研究家が教える〝現代版〟ゆず湯のすすめ

早いもので、今年も冬至がやってきました。寒い季節になると、温かな鍋料理の旨味を酸味を帯びた爽やかな香りで引き立ててくれる「ゆず」。一年の中でもこの日だけは、そんなゆずをお湯に浮かべて冷えた体を優しく温めたいという方も多いでしょう。日本人には古くから馴染みの深い果物ですが、その素晴らしい健康効果はあまり知られていません。

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がん予防から認知症改善まで

ゆずは普段、皮を食べたり、果汁を搾ったりしただけで捨てられてしまいます。

みかんのように実を食べないのは苦いからですが、 その苦味の中に豊富に含まれるリモネンやリモノイドこそが、 がんの予防に効果を発揮する植物由来の抗酸化物質・ファイトケミカルなのです。

また、ゆずの種は古くから、炭のように黒焼きにしたものを粉末状にすり潰し、 リウマチや関節炎、風邪などの薬として重宝されてきました。

種の中には血圧上昇抑制、脳卒中や心筋梗塞の発作予防効果があるヘスペリジンや、強い抗酸化作用を持つフラボノイド、香りのもとになり殺菌、抗炎症作用などを持つリモニン、ニモネンなど様々な成分が含まれています。ゆずの黒焼きを摂ることで血圧が下がり、降圧剤を全く飲まなくなった方も何人もいらっしゃいます。

さらに、ゆずの食物繊維に含まれるリモネンやリナロールという成分には、脂肪を分解するとともに、腸の働きを活発にして排泄を促すデトックス効果もあります。

サロンのお客様の中に、在宅介護をなさっているお母様の消化力が衰え、食が細くなっていくのを何とかしてあげたいとおっしゃる方がありました。

早速、お味噌汁やドレッシングに少しずつ加えるなど、日々の食事を通じてゆずを摂っていただいたところ、1、2か月で肝機能の数値が劇的に改善したのです。

またそのお母様は、昔から親しんできたゆずの香りによって食事を楽しまれるようになり、ご自分から体を動かすまでに元気を取り戻されたのです。

香りといえば、ゆずの香り成分は脳に浸透しやすく、神経の情報伝達をスムーズにする効果もあります。

私は以前、ゆずを活用した認知症の改善プログラムの作成にも参加したことがありますが、ゆずのケア剤でフットケアをしたり、夜寝る前にゆずのアロマスプレーを散布することで、認知症で気性が荒くなっていたお年寄りが別人のように穏やかになり、面会に訪れたご子息がすぐにはご本人だと分からないくらいに表情が明るく変わったのです。

浴槽に入れるだけでは不十分

これからの寒い季節を乗り切るためにゆず湯の効果的な入り方をご紹介します。

ゆずを浴槽に入れるだけの従来のゆず湯では、ゆずの健康効果を十分満喫できません。お肌に潤いをもたらすペクチンなど、多くの有効成分はゆずの内側にあり、40℃程度のお湯に浸けておくだけでは十分外に出てこないのです。せっかくなら健康効果の高い現代版ゆず湯に入りましょう。

●現代版 ゆず湯

1. ゆずのわたの部分をティーバッグ袋か洗濯ネットに入れてゆず湯のもとをつくる

2. ゆず湯のもとを浴槽に入れ、お湯をはる

3. 浴槽に浸かりながら、ゆずが入った袋を揉みほぐして成分をお湯に溶け込ませる

丸ごとゆずを入れたゆず湯と違い、わたの部分を使ったゆず湯はお湯がとろとろになり、強い刺激が苦手な方も安心して入れます。血行促進効果で体が温まり、冷え性に効果があるほか、リウマチなどの痛みの改善、新陳代謝アップや潤い美肌効果も期待できます。

冬ばかりでなく、夏場も冷房や冷たい飲み物などで体を冷やしてしまいがちなので、
半身浴や足湯、手浴などに活用していただくと、たくさん汗が出て代謝が進みます。また、お湯を抜いた後、ゆず湯のもとで浴槽を磨くと水垢が簡単に落ちてピカピカになります。

  〔略〕

ゆずの香りに特別な親しみを感じる方が多いのは、日本人が千年以上にもわたって親しんできたことで、その存在が遺伝子に深く刻み込まれているからではないでしょうか。

私はこれからも、日本の先人が愛し、守り続けてきたゆずの優れた健康効果を発信することを通じて、一人でも多くの方々が心豊かな生活を実現し、私たちが見落としてしまいがちな日本の歴史や文化の素晴らしさが継承されていくことを願っています。


(本記事は『致知』2018年1月号 連載「大自然と体心」より一部を抜粋・編集したものです)

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◇岡山栄子(おかやま・えいこ)
大阪府生まれ。平成12年リフレクソロジーサロン「リ・メイク」を開業。18年サロン経営の傍ら、地元・箕面の希少な特産品「実生ゆず」を使い、天然成分100%のスキンケア製品の開発に成功。21年事業計画「ユラギストによる心身の健康増進サポート活動事業」が大阪府より経営革新企業に承認される。著書に『病気にならない「ゆず」健康法』(PHP文庫)がある。

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