多くの人々の運命を発展させた陶芸家・北川八郎が説く「繁栄の法則」

かつて二度にわたる40日以上の断食を通して、宇宙の叡智に触れたという陶芸家の北川八郎氏。そこで得た「繁栄の法則」は、多くの企業経営者が参考にしています。防衛大学を中退後、インドを放浪、やがて辿り着いた熊本県阿蘇郡で「満願寺窯」を開いたその波乱万丈の人生とともに、企業発展の要諦を語っていただきました。

☆人間力を高める記事や言葉を毎日配信!公式メルマガ「人間力メルマガ」のご登録はこちら

社長の胆力と社員の成長

会社が変わる一番の根本は何に目覚めるかという、社長の悟りというか、胆力、人間性の大きさなんですね。そうなるといつの間にか社員も変わってきます。自分では分からないでしょうが。

会社のために生きるという法則を実践している企業は、不思議とどこも利益が上がっていますね。人員を増やし残業をしなくても経営に余裕が出てきて借金を次々に返せた、という経営者がたくさん出ています。

この繁栄の根本の法則は、大昔から神が準備されていた。我われはただそれを気がついて受け取るだけでいい。私はこの準備された法則を受け取るように勧めているだけです。

例えば、相手の幸せのために祈ること、傷を受けても許すこと、怒りなき生活、相手の喜びを自分の喜びとできるか、自分をいつも利益の中心に置かないか……等、少し譲り損をして生きるといったこともその法則ですね。

人間はそういう純なる法則の中心軸に近づけば近づくほど成功と繁栄と安らぎが得られます。反対に中心軸から離れた分、葛藤やトラブルや病気や争いがやってくるようです。

だから、中心軸に近づくほどいいわけですが、その中心軸が何かということがほとんどの人には抽象的で見えない。私はそれを噛み砕いて具体的に皆さんに伝えているわけです。

40日を超える断食で得た気づき

(繁栄の法則に気づいたのは)元を辿れば、小さい時から自分の欲の汚さに苦悩していたことから始まったように思いますね。人間関係の中で人に嫌われたり、反対に人を泣かせたりして、どうして人生は思うようにいかないのだろうと、失敗ばかり、失意ばかりでずっと悶々としていたんです。

自分の利益を中心に動くと人が離れていくということが、その時はまだ分かりませんでした。しかし、あることをきっかけに、幸せとは物をいっぱい持つことではないと心から納得できたんですね。40代で二度の断食を経験してからですね。

それまでのことを少しお話ししておくと、私は防衛大学校を中退して大手化粧品メーカーに入社しました。宣伝や社員教育の仕事でしたが、利益を追求する企業の前線にいて、「これは何かが違う」という疑問が次第に膨らんでいったんです。

自分の内なる声に従って32歳で退職し、それからは信州に住み、その後はインドに渡って断食や瞑想をやりました。しかし、本当の意味で断食と瞑想が深くなったのは熊本に移り住んでからです。人の来ない阿蘇の深い森にテントを張って41歳と43歳の時に、40日を超える独り断食を二度経験しました。その間は水だけで生きるんです。

断食をすると、よく五感が研ぎ澄まされると言いますね。そこからさらに深く入っていくことで、目や耳、鼻、口などの肉体的感覚以上の何とも言えぬ感覚に触れ、地位や名誉のような世界は私にとっていずれ滅びゆく薄っぺらいものだと分かってきたんです。

心は欲によってすぐに濁る

心というのは形状記憶合金みたいなもので、放っておくとすぐに元の悪しき不安の癖に戻るんですね。ですから、迷う時は精神的な先輩や指導者に会って何回も何回も話を聞いて、心を洗うしかありません。

こちらが変わったらいけないんです。いつも同じことを、同じ姿勢、同じ生き方、同じ心の澄み具合で伝えないといけません。効果を狙わない言葉こそが相手の心に染みると思うのです。こちらが利に左右されてコロコロと変わってぶれていたら、誰も話を聞きに来たいとは思わないでしょうね。

これを川の水にたとえたら、源流であり続けるということですね。街の中を流れる下流を通ると水は次第に汚れるように、私たちは欲にすぐ濁る。私はいつまでも都会を通らない澄んだ水であり続けたいと思っていますが、それはなかなか難しいことです。

欲に惑わされないだけの強い決意と悟りが心からなくならないように……瞑想して神に祈っています。欲による自己保存の信念じゃなく、事業をとおしてどれだけ人の役に立てるか、国の役に立てるか、幸せをもたらせるか。

そう「志」と気づきが根底にある経営者をいただく会社は繁栄して長続きする。だから100年、200年と繁栄してほしいのです。その覚悟の確立と肚決めを経営者に求めていければと思っています。

(本記事は月刊『致知』2017年4月号の特集「繁栄の法則」を一部抜粋・編集したものです。あなたの人生、経営・仕事の糧になるヒントが見つかる月刊『致知』の詳細・購読はこちら

◇北川八郎(きたがわ・はちろう)
昭和19年福岡県生まれ。防衛大学校中退後、カネボウ化粧品に入社。退社後失意のうちにインドを放浪し、59年阿蘇外輪山の小国郷に移住。作陶や農業を続ける一方、断食をとおして得た「繁栄の法則」を伝える講演活動、経営指導などを全国で展開。著書に『繁栄の法則』(その一、その二)』(致知出版社)『無敵の経営』(サンマーク出版)など。

人間力・仕事力を高める記事をメルマガで受け取る

その他のメルマガご案内はこちら

『致知』には毎号、あなたの人間力を高める記事が掲載されています。
まだお読みでない方は、こちらからお申し込みください。

※お気軽に1年購読 10,500円(1冊あたり875円/税・送料込み)
※おトクな3年購読 28,500円(1冊あたり792円/税・送料込み)

人間学の月刊誌 致知とは

閉じる