広島・尾道高校野球部——強さの秘密は「木鶏会」にあり

球児たちが熱闘を繰り広げる夏の甲子園。その一方、地方大会で敗れた各校は新チームでの練習を始動させています。その中の一校、広島大会決勝で惜敗した尾道高校は、グランドでの練習だけでなく月刊誌『致知』を使った勉強会「木鶏会」を実施し、着々と実力をつけています。同校野球部監督・北須賀俊彰さんの「木鶏会」の意義に関する発言要旨をご紹介します。

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驚くべき生徒の変化と笑顔

(北須賀)

私は監督就任後13年が経ちますが、本格的に木鶏会を導入してから2年が経ったいま、生徒の変化には本当に驚くものがあります。

尾道高校に赴任してからは、自分を成長させたいと思って読み始めたのが『致知』でした。『致知』のことは安岡正篤先生の本などで知っていたんですよ。

最初は一人で読んでいたのですが、そのうちにこれはいいなという記事を生徒たちに渡しては、全員に感想文を書かせていました。

以前の尾道高校では生徒指導にものすごく手がかかっていたようですが、私が就任した頃にはかなり改革が進んでいました。ですから私に求められていたのも、野球の指導だけじゃなくて生徒指導も含まれていたんですよ。

そういう中で挨拶とか礼儀などの人間的な部分を少しずつ厳しくしていくうちに、徐々にですが生徒たちも成長していきました。ですから感想文を書かせることも、それほど難しいことではないと思っていました。

ただ、あくまで自己流だったので、社内木鶏会のことを(『致知』の)誌面で見つけた時はすぐにでもやりたいなと思いました。広島県に本社のある八天堂さんのところで見学会があるというので、すぐに参加してみたところ、確かに皆が笑顔になるので、これはいいなと。すぐに保護者会にかけたところ、反対もなくすぐに決まりました。

第1回目の木鶏会は、2年前の5月10日にホテルの一室を借りて保護者総会後に開きました。あれこれ心配していたのですが、蓋を開けてみれば生徒たちはすごく笑顔になって。それに自分の息子が発表する姿を見て、保護者は泣いていましたよ。それを見て、あぁこれはやってよかったなと思いました。

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就職試験や大学受験にもプラス

(生徒たちは)木鶏会を通じて学年を追うごとに成長しているな、という手応えはすごく感じています。今年の春に卒業した3年生たちは2年間で見違えるほど成長しました。

とにかく吸収が早いというか、私たち大人よりもすごいんじゃないかと思うくらいです。感想文を見返していて気づいたのですが、同じ生徒でも最初のものと最近のものとでは、文字の書き方から、捉え方まで全然違うんですよ。本当にこれだけ成長するものかと驚きました。

それと就職試験とか大学受験の時に、木鶏会の取り組みが力を発揮していたことも分かりました。

うちは夏の大会で3年生が引退した後も、木鶏会だけは学校を卒業するまで参加させているんですよ。ですから、そういった野球以外の話も木鶏会の場で出てきましてね。

確かにいまの試験は昔とは違って、一つのことをディスカッションしているところを試験官が採点して合否を決めているところが結構あるんですよ。

そんな訳で今年の春に卒業していった3年生たちが口を揃えて言っていたのは、「就職試験や進学の面接に役立ったので、絶対に月1回の木鶏会は大事にするべきだ」ということでした。

皆がリーダーになれる

チームが変わった要因について考えてみると、やはり美点凝視が大きいですね。相手のいいところを見つけて褒める。これによって一人ひとりが次の1か月を前向きに頑張る活力になっていると思います。

それと(木鶏会で)4人1組に分かれたら、まず組ごとにリーダーを決めますよね。これが野球チームの場合だと、リーダーといったらキャプテン、副キャプテンくらいじゃないですか。ですからリーダーとは全く関係のない立場の生徒もたくさんいるわけです。

ところが木鶏会をやると、皆が満遍なくリーダーを体験できる。それにリーダーは皆で話し合った内容を発表するので、同じ組の同級生や下級生の話にも真剣に耳を傾けるようになる。

それで、どうなったかというと、何の責任もない生徒までが、自分の意見を堂々と言い合うようになったんです。それどころか、キャプテンがちょっとでも緩んだところを見せると、控え選手でもガーッと意見するようになりました。

それに木鶏会を通じて私自身が生徒から学ぶこともたくさんあります。大人になると頭でっかちになって、いい答えを書こうと考えてしまいがちですが、彼らは純粋に取り組んでいて、思ったことをストレートに書いてくるので、こういう考え方もあるのかと教えられています。

(本記事は『致知』2016年7月号 特集「腹中書あり」より一部を抜粋・編集したものです。仕事や人生、人材育成などに役立つ体験談が満載の『致知』の詳細・ご購読はこちらから)

北須賀俊彰(きたすが・としあき)
昭和44年広島県生まれ。広島商業高校時代に春夏連続で甲子園に出場。大阪体育大学卒業後、大昭和製紙北海道野球部に所属。平成7年柳ケ浦高等学校の野球部コーチに就任。15年尾道高等学校の野球部監督に就任し、現在に至る。

※記事内容は掲載当時のものです。

 

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