どん底のアニマル浜口を救った『修身教授録』の言葉

女子レスリング浜口京子さんの父親で、娘とともにバラエティ番組などに出演する元プロレスラーのアニマル浜口さん。「気合だっ! 気合いだっ!」と連呼する姿はお茶の間でもお馴染みですが、そんなパワフルなアニマル浜口さんにも“どん底”の時期がありました。そして、そんな苦しい時期を乗り越えさせてくれた一冊の書物とは――。

最悪の状態の時期に出逢った一冊の本

僕は気合ということを、教育者・森信三先生の『修身教授録』から教わりました。この本に出合ったのはボディービルジムを開きながらプロレスに復帰して間もなく、試合中に大怪我をして再びリングを降りなくてはならなくなった最悪の状態の時でしたね。この本の中にある、

「二度とない人生、いかに生きるかという、生涯の根本方向を洞察する見識、並びにそれを実現する上に生ずる一切の困難に打ち勝つ大決心を打ち立てる覚悟がなくてはならない」

という一節に救われたんです。この言葉に出合った時の衝撃はいまも忘れませんね。二度とない人生をいかに生きるかを考えた時、その覚悟を自分なりに表現するのに思いついたのが「気合だ! 燃えろ!」という言葉だったわけです。「一切の困難」とは何か。そのことについてもずっと考えました。病気、怪我、挫折、失敗、抵抗、障害、摩擦、重圧、衝突、ぶつかり、中傷、批判、屈辱、侮辱、差別、反対、針のむしろ、家族の不幸、アクシデント、足の引っ張り合い、脅かし、動揺、動転、パニックです。何かが起きてからでは遅い。僕はこれら24の言葉を日々唱えながら、直面するそれぞれの問題に置き換えて、どう乗り越えるかを常に考えているんです。

感謝、発奮、謙虚

浜口道場の道場訓の冒頭には「人間どこまで強くなるか、人間どこまで錬磨修養なるか」とあります。強さと錬磨修養、この2つが車の両輪となって人生を歩いていかなくてはならないというのが僕の思いなんですね。

僕は無学なものだから、人生の指針になる言葉を求め続けたんです。森先生や安岡正篤先生の本、中国古典にはいろいろなことを教わり、それで随分変わることができました。自分がギリギリの状態に立たされた時に、言葉によってどれだけ励まされたか分かりませんね。

僕の道場に来ていただくと分かりますが、壁や天井には、「思い上がるな! 謙虚さを忘れるな」「運命は変わる、変えられる」など自分を鼓舞する言葉が隙間もないくらい書き込まれています。その中で特に挙げるとしたら「感謝、発奮、謙虚」、この3つが僕の座右の銘です。

僕は体験を通して「人生とは」「生きるとは」といった話をします。でも毎日やっていると右の耳から左の耳に抜けてしまう。そんな時は言うんです。「人間には8万6,000の毛穴があるんだ。俺が魂を込めりゃ、8万6,000の毛穴からザーッと入っていく。人間の魂は宇宙の果てまで届くんだぞ」と(笑)。

〈本記事は致知』2006年3月号 特集「道をひらく」より一部抜粋したものです。人間力・仕事力を高める記事が満載の『致知』、詳しくはこちら

◇アニマル浜口(あにまる・はまぐち)
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あにまる・はまぐち 本名・浜口平吾。昭和22年島根県生まれ。44年国際プロレス入門。新日本プロレス、ジャパンプロレス、全日本プロレスで活躍。元IWA世界タッグチャンピオン。62年に引退したものの、3年後に復帰。63年にはアニマル浜口トレーニングジムを設立。30人を超えるプロレスラー、総合格闘家を輩出してきた。女子レスリングで活躍中の浜口京子選手の父。著書に『娘にもらった金メダル』『気合ダァ! 二〇〇連発!』など多数。

 

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