2017年08月28日
『致知』では毎号、テーマを
立て特集を組む編集方針を
採っており、冒頭には、
その号の特集テーマを読み解く
「特集総リード」を掲げています。
たった一ページの中に、
心を鼓舞する言葉や、
人生の指針となる言葉が
凝縮されています。
本日は過去の号からその一部を
ピックアップしてお伝えします。
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人生をひらくとは
心をひらくことである。
心をひらかずに
固く閉ざしている人に、
人生はひらかない。
「ひらく」には、開拓する、
耕す、という意味もある。
いかに上質な土壌も
コンクリートのように
固まっていては、
よき種を蒔いても
実りを得ることはできない。
心をひらき、心を耕す──
人生をひらく第一の鍵である。
社会教育家の田中真澄さんが
講演でよくされる話がある。
人間の能力は、知識、技術、
そして心構えの三辺で表される。
どんなに知識と技術があっても、
心構えが悪ければ、能力は出てこない。
すべては底辺の心構えいかんにある。
さらに、よき心構えは
積極性×明朗性で表される、という。
なるほど、と思う。
消極性×陰気では何事も成し得ない。
(中略)
心構えに関する田中真澄さんの卓見がある。
「心構えというのは、
どんなに磨いても
毎日ゼロになる能力である。
毎朝歯を磨くように、
心構えも毎朝磨き直さなければならない」
人生をひらく第二の鍵である。
『論語』と並ぶ古典『大学』は
全編これ、人生をひらく
教えに満ちている。
中でも心に響く一文がある。
「必ず忠信以て之を得、
驕泰(きょうたい)以て之を失う」
まごころを尽くしてすれば
何事も成功するが、反対に
おごり高ぶる態度ですれば
必ず失敗する、ということである。
人生をひらく第三の鍵といえよう。
最後に、二宮尊徳の言葉。
「太陽の徳、広大なりといえども、
芽を出さんとする念慮、
育たんとする気力なきものは仕方なし」
発憤力こそ人生をひらく
源であることを忘れてはならない。
───『致知』2009年7月号
「特集総リードより」