仕事や人生に役立つ致知活用法 あるITエンジニアの『致知』の生かし方

~自分の興味・関心の枠を破る~
先端技術の研究を続ける男性エンジニア(29歳)のインタビュー


Q:『致知』を読むようになったのはいつからですか?

昔から渡部昇一先生の著書が大好きで、渡部先生が連載している雑誌ということは知っていたのですが、購読を始めたのは今の会社に入るちょうど半年前くらい前でした。
その頃は大学院の博士課程に在籍し、日中は大学院で研究を行い、夜や休日は学生メンバーで設立した会社経営に当たるという生活を3年ほど過ごしました。
両方とも好きで取り組んでいたことでしたが、学問とビジネスの両立に思い悩むことが増え、その状況を打開するために何かヒントになるものがないかと探していた中で始めたものの一つが『致知』の購読でした。

『致知』を読み始めて自分の人生や本当に自分のやりたいことを見つめ直し、半年後には大学院も事業も辞めて、改めて技術を磨きたいという思いで現在の会社にエンジニアとして入社しました。


Q:仕事の中で『致知』が役立ったという経験はありましたか?

いまの会社に入社後は、ビッグデータを活用する研究開発部門の立ち上げをおこない、現在は別の研究開発部門の部室長を務めています。
いまの部下全員が私よりも年長者なので、戸惑うことも多くありましたが、『致知』から学んだ内容を活かしながら、その人の持っている魅力を引き出せるようなマネジメントを心掛けています。
特に『致知』の読書会で学んだ「美点凝視」や「傾聴」はとても役立っています。


Q:一人で始めた『致知』の社内読書会

以前、会社の新卒採用を手伝う機会があったのですが、そのときに学生から仕事選びや会社選びの部分で進路相談を受けることが多くありました。
そのときに『致知』に書かれていた内容がとても参考になっていたので、その経験を皆で共有したいと思い、社内での読書会を企画しました。
採用業務に関わっているメンバーに声をかけ、朝の始業30分前に集まって、『致知』から記事をどれか一つ選んで、それの感想を発表し合うというものです。
読書会で話し合った内容は社内の共有サイトに記録しているので今でも見ることができますよ。

ポチッ
(画面に読書会の発表内容の議事録が表示される)
こんな感じでやっていました。

これをやって嬉しかったのは、普段あまり接点のなかった社員ともコミュニケーションが取れたり、いま人事を担当している方が『致知』を読み始めてくれたりしたことですね。


Q:最後に『致知』を読んでいてよかったことは何ですか?

これまでバラバラだった知識が一つになったこと、ですね。

『致知』を購読する前から、自分の興味・関心で歴史や哲学、宗教、言語などの本を読んだりして勉強していましたが、それらの間の関連はあまり意識していませんでした。
『致知』を読むと、「人間学」という大きなテーマの中で歴史や哲学、宗教、文学、経営などを扱う記事が書かれており、自分が惹かれていたのは歴史や哲学といった個々の分野ではなく、その根底にある「人間学」なのだ、と気付くことができました。

また、定期購読の良さとして、毎月違うテーマの内容が必ず届くので、自分では選ばないようなテーマの記事を読むことが増えましたし、そこから新しいジャンルの本に手を出したりして、見識がとても広がったように感じます。
これは自分が好きな本だけを選んで読んでいた場合では経験できなかったことだと思います。

以前に仕事で携わっていた「ビッグデータ」を活用すると、これまである人が買ったものや経験したものから好みを推測して、その人の好みに即した商品だけを表示することができるようになります。
そうしたサービスが拡大するにつれて、益々自分の興味・関心の対象以外の情報と接点を持つ機会は少なくなっていきます。
その結果、個人が自分の興味・関心の殻の中にどんどん納まっていってしまうという弊害が生れているのですが、このことについてはビッグデータを扱うエンジニアの中でも議論になっているところです。

個人的に人に薦めてもらったものはそんなに興味はなくてもまずは手を出してみるとか、いま自分が持っている知識だけで否定から入らないとか、そういうことが大事かなと思っています。
『致知』の定期購読は、そういう点では今の自分にはまだない新たな視点を与えてくれる貴重な存在なのかもしれないですね。