創業147年 太田胃散 太田淳之(太田胃散社長) 藤間秋男(TOMAコンサルタンツグループ会長)

「ありがとう。いいくすりです」のCMでお馴染みの太田胃散は、今年創業147年を迎える。医薬品については門外漢であった創業者が提供を始めた薬が、今日もなお多くの人に親しまれている要因は何だろうか。同社で継承されてきた創業の精神と歴代当主の奮闘、そして現社長・太田淳之氏の思いを通じて、百年続く会社の秘密に迫った。

自分の代で評価されなくてもいい。あとの人たちから「あの代がやってくれてよかった」と喜ばれるようなことをやりたい、という思いが常に頭にあります

太田淳之
太田胃散社長

〈藤間〉 
太田胃散は、長年にわたり人々の健康に寄与してきた胃腸薬の定番ですね。

〈太田〉 
ありがとうございます。

創業者の太田信義は、胃の弱い人でしてね。大阪へ出張した時、緒方洪庵の娘婿で医師の緒方拙斎に出してもらった薬を飲んでよくなったんです。オランダ人医師のボードウィンから処方を伝授された薬で、その薬効に感服した信義は、これをぜひ売らせてほしいと拙斎から許可をもらい、日本橋の呉服橋にお店を構えて製造販売を始めたのが当社の起こりです。1879(明治12)年のことでした。

以来、「奉仕の精神を以って良品を世におくる」という創業の精神に基づいて市販薬の提供を続け、一昨年には売上高100億円を達成しました。さらに昨年には、メインの「太田胃散」と「太田胃散〈分包〉」を44年ぶりにリニューアルして、「太田胃散S」「太田胃散〈分包〉S」に改めました。

〈藤間〉 
44年ぶりのリニューアルとは、思い切った決断でしたね。

〈太田〉 
私は常々、「未来を見据えた仕事をしたいよね」と社員に言い続けているんです。例えば、……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇奉仕の精神を以て良品を世におくる
◇武士から商人に転じた初代
◇「ありがとう。いいくすりです」
◇逆風をもたらした福澤諭吉の主張
◇先代の背中を見て入社を決意
◇あとの人たちから喜ばれる仕事を

〈ホスト〉
藤間秋男(とうま・あきお)
TOMAコンサルタンツグループ会長

昭和27年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士税理士。明治23年創業の藤間司法書士事務所の末裔として、昭和57年藤間公認会計士税理士事務所を新規創業。230名の総合コンサルファームにTOMAグループを成長させ、平成29年より会長。著書に『中小企業の事業承継はじめに読む本』(すばる舎)『100年残したい日本の会社』(扶桑社)など多数。

プロフィール

太田淳之

おおた・あつゆき――昭和61年東京都生まれ。平成21年慶應義塾大学経済学部卒業、太田胃散入社。常務、副社長を経て、令和3年社長に就任。


編集後記

事業承継コンサルタントとして百年続く企業づくりに取り組む藤間秋男氏が、百年企業の強さの秘密を探る本連載。第3回となる今回は、長年にわたり人々の健康に寄与してきた胃腸薬の定番「太田胃散」の太田淳之社長にご登場いただきました。創意工夫で何度も危機を乗り越えてきた歴史には、百年続く会社の秘訣が詰まっています。

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