伊勢神宮で学んだ大工の生き方 河井尊臣(翠紅舎社長)

主に古民家のリフォーム、神社仏閣の修繕などに携わる大工として、その精神と技の伝承に力を尽くしている翠紅舎代表の河井尊臣さん。近年では、日本の物づくりに関心を持つ外国人のための学校も設立しました。河井さんが大工を志した原点、第62回伊勢神宮式年遷宮で学んだ大工の心とは――。

生きてきたこれまでの47年間を振り返ると、大好きな大工の仕事を続けて、とても心満たされる人生でした。
学生たちにもまた、それぞれの立場で人生の幸せや喜びを味わってほしい。これが私のいまの一番の願いです

河井尊臣
翠紅舎社長

風光明媚な京都嵐山。私たちの翠紅舎はその麓の静かな住宅街にある家屋の設計・施工会社です。主に古民家のリフォーム、神社仏閣の修繕などを専門とし、近年では物づくりに関心を持つ外国人のための学校も開設しました。

私が大工になろうと決意したのは、10歳の時でした。陶芸家・河井寛次郎の曽孫に当たる私は、子供の頃、自宅のある滋賀から祖母が住む京都によく遊びに行っていたのですが、ある時、祖母の家に隣接する河井寛次郎記念館を見上げながら、古民家風のつくりに圧倒されたのです。

見慣れた建物のはずなのに、なぜか「僕もこれをつくってみたい。それができたら最高に幸せだ」という思いが込み上げてきました。

大工になる夢を温め続け、高校を卒業すると鹿児島大学の建築学科に進学。そこで構造計算や建築デザインなどひと通りのことを学びました。(……続きは本誌をご覧ください)

プロフィール

河井尊臣

かわい・たかみ――鹿児島大学工学部建築学科を卒業後、かやぶきの里で知られる京都府美山町で古き良き日本の原風景を守るために大工として活動を始める。30歳で独立し、故郷の京都で翠紅舎を立ち上げる。第62回伊勢神宮式年遷宮に参加。現在、翠紅舎が運営する木工学校などを通じて、国内外の人々に日本の匠の技を広く伝承する活動に取り組んでいる。


2026年1月1日 発行/ 2 月号

特集 先達に学ぶ

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