12 月号ピックアップ記事 /二十代をどう生きるか
回り道は決して 無駄にならない 永野 毅(東京海上日動火災保険相談役)

日本トップの損保会社を傘下に擁する東京海上ホールディングスの経営を担い、よりよい社風づくり、人づくりを基盤に新商品開発やM&Aに果敢に取り組んできた永野毅氏。同社を大きく躍進させてきた経営手腕の礎はどのようにして培われたのだろうか。若き日に得た貴重な学びを交えて贈る20代へのエール。

回り道も決して無駄ではない。
無駄が人間としての基礎をつくり、それが高さに繋がってしっかりした自分の軸が養われていく
永野 毅
東京海上日動火災保険相談役
私は今年で73歳になります。この年になると、人生には一瞬たりとも無駄な時間がないことをつくづく実感させられますが、若い頃はその自覚に乏しく、大切な一日、一時間を無為に浪費してしまいがちです。いま思えば、随分もったいない時間の過ごし方をしたものです。
しかし一方で、そうした無駄や回り道も、決して否定はできないという思いもあります。紆余曲折を経て得られる貴重な学びがあり、そこからぶれない自分の軸や信念が培われた実感があるからです。そんな私の若かりし頃を振り返ってみましょう。
私は昭和27年、高知に生まれました。父は地元で手広く林業を営み、高知の木材協会で会長も務めていましたが、私が2歳の時に急逝。母がまだ若かったこともあり、代わりに家族のリーダーシップを担っていた母方の祖母の判断で、一家は東京へ移り住むことになりました。戦前に満州へ渡り旅館を営んでいた祖母は、開明的でスケールの大きな人でした。孫の将来のために広い世界を見せてやりたいと考え、なけなしのお金をはたいて東京に不動産を買い、アパート経営などで家族を養ってくれたのです。
生まれ育った地元に愛着のあった私は、……(続きは本誌にて)                                    
~本記事の内容~
◇常に目的を考えること
◇人と人がつくる信頼がすべて
◇現場に出ることの大切さ
◇理不尽のおかげで成長できる
◇仕事の真の目的とは
プロフィール
永野 毅
ながの・つよし――昭和27年高知県生まれ。50年慶應義塾大学商学部卒業。東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)入社。ロサンゼルス駐在員や経営企画部、海外統括等を経て、平成25年東京海上ホールディングスと東京海上日動の社長に就任。31年東京海上ホールディングス会長。令和7年より現職。
編集後記
国内最大の損害保険グループとして146年の歴史を刻んできた東京海上ホールディングスを社長、会長として長年牽引してきた永野毅さんは『致知』の愛読者です。大経営者への取材ということで、緊張してオフィスに伺うも、終始笑顔で快く質問に答えてくださたお姿がいまも心に残っています。永野さんが自身の二十代を踏まえて送るエールに、多くの若者が心を鼓舞されるはずです。

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