12 月号ピックアップ記事 /生涯現役
敬う心が人生を導く 藤間富士齋(藤間流 日本舞踊家)

日本舞踊の五大流派の一つ藤間流の舞踊家として、91歳のいまも舞台に立ち続ける藤間富士齋さん。物心つく頃から日本舞踊の道一筋に歩んできた富士齋さんに、人生の宝物だという師との出逢いと教え、人を成長に導く心の姿勢についてお話しいただいた。

古典をしっかり学んでいる人は、後から必ず伸びていきます。
優れた先人の方々が受け継いできた古典は踊りの歴史そのもので、古典を学べば基礎基本が自然に身につくんです
藤間富士齋
藤間流 日本舞踊家
──富士齋さんは91歳のいまなお現役で舞台に、後進の指導に日々明け暮れているそうですね。
〈藤間〉
年齢のことは考えずにこれまで歩んできましたが、それも多くの方々の支えのおかげと感謝しておりますし、一日一日を大切に過ごす、その継続の重みを実感しております。
日本舞踊家の母(藤間勘太女)のもと幼少の頃よりこの道に入って以来、明けても暮れても踊りという生活を続けてきました。門弟の育成をし、舞台づくりに取り組むことは、91歳になっても変わりません。
──舞踊が人生、生活そのものになっていると。それが富士齋さんの健康長寿の秘訣でしょうか。
〈藤間〉 
ええ、目の前の公演などに意欲的に取り組む、お稽古を通してお弟子さんたちが成長する姿を見ると、元気が湧いてきます。
あとは、好き嫌いせずバランスのよい食事を心掛けています。特に欠かせないのが明治生まれの祖母から伝わる糠漬けです。これだけは一年を通して自分で心を込めて漬けて、毎日食べています。
それにお花も大好きで、お庭で摘んできたお花を神棚や仏壇はもちろん、家中に飾っています。根切りから花生け、お手入れまで全部自分でやるんです。綺麗なお花と触れ合っておりますと、やはり自分自身も生き生きしてきます。
踊り、糠漬け、お花、そして週一回のリハビリで汗を流す。これが私の元気の秘訣ですね。……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇明けても暮れても踊りの中に生きて
◇母の導きのもと、日本舞踊の道へ
◇不思議な力に導かれて誕生した山鹿灯籠踊り
◇「敬う心」がよき人生を導く
90を越えてもなお舞台に上がり続ける藤間さんを突き動かすものは何か――。幼少期からの厳しい修業、師匠の教えなどを交えて語っていただきました。
プロフィール
藤間富士齋
ふじま・ふじさい――昭和9年熊本県生まれ。本名・高橋ルミ。九州女学院高校卒。幼少期より藤間流の日本舞踊家である母・藤間勘太女に師事。藤間流家元より13歳で藤間流の名取、師範となる。29年熊本県山鹿市の依頼で山鹿灯籠踊りを考案、振り付けを行う。42年東京に舞踊研究所を開設。古典舞踊の伝承に心血を注ぐ傍ら、「細川ガラシャ夫人」「二人静」「熊本城」など創作舞踊に心血を注ぎ、アメリカやデンマークなど海外公演も行う。58年二代目藤間勘太女を襲名。平成2年藤間富士齋を襲名。平成14年くまもと県民文化賞特別賞受賞、29年第67回熊本県近代文化功労者顕彰、令和2年旭日双光章受章など、受賞・受章多数。
編集後記
藤間流の日本舞踊家として90歳を越えるいまなお舞台に上がり続けている藤間富士齋さん。取材会場に着物姿でお越しになった藤間さんの凛とした佇まい、そして立ち姿から、藤間さんが重ねてきた修養が伝わってくるようでした。なぜいまなお現役を貫くことができるのか、何歳になっても充実した人生を実現する要諦が満載のインタビューです。

特集
ピックアップ記事
- 
                        
                            対談 節を越え、人も会社も成長する 小路明善(アサヒグループホールディングス会長) 渡邊直人(王将フードサービス社長) 
- 
                        
                            対談 喜びも悲しみも、すべてを人生のギフトに 大山峻護(元総合格闘家) 官野一彦(パラサイクリング選手) 
- 
                        
                            対談 人生の悲愁を越え命を見つめて生きる 鈴木秀子(文学博士) 本郷由美子(グリーフパートナー歩み代表) 
- 
                        
                            エッセイ 塙保己一の生き方が教えるもの 堺 正一(埼玉県立盲学校(現・塙保己一学園)元校長) 
- 
                        
                            インタビュー 私の人生は涙と共にある 小巻亜矢(サンリオエンターテイメント社長/サンリオピューロランド館長) 
- 
                        
                            インタビュー 人生に無駄なことは何一つない——薬物依存症の母との40年の闘いが導いたプリズンドクターの道 おおたわ史絵 (総合内科専門医/法務省矯正局医師) 
- 
                        
                            インタビュー 我が町に希望の光を点し続けて 本谷一知(もとや庄治商店社長) 
- 
                        
                            エッセイ いまを 輝かせて生きる——8歳で旅立った愛娘が教えてくれたこと 結星蓉子(カウンセラー・コーチ) 
- 
                        
                            対談 日本再生への祈り 後藤俊彦(高千穂神社宮司) 葛城奈海(ジャーナリスト) 
好評連載
バックナンバーについて
 
      バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます
過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。
定期購読のお申込み
『致知』は書店ではお求めになれません。
電話でのお申込み
03-3796-2111 (代表)
受付時間 : 9:00~17:30(平日)
お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード


 
                                                                     
                                                                     
                                                                     
                                                                     
                                                                     
                                                                     
                                                                     
                                                                     
                                                                     
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                             
                                             
                                             
                                             
                                             
                                             
                                             
                                             
                                             
                                             
                                             
                                            





