11 月号ピックアップ記事 /生涯現役
「音楽による地球一家づくり」 を目指して 新堀寛己(新堀学園理事長)

「新堀ギター」として広く知られる新堀学園。1957年に同学園を創設し、理事長を務める新堀寛己氏は今年91歳を迎えた。少年時代の戦争体験で実感した平和の大切さを、いまもなお音楽を通して実現すべく前進を続ける氏の人生観に迫る。

僕は人生を登りに登って辿り着いた到達点、つまり死が人生の成就と考えています。
人生を登り続けるためにも、脳を最高に活性化して幸福道を歩むことが大事になってくるんです
新堀寛己
新堀学園理事長
──新堀さんが創立された新堀学園は今年で68年を迎え、ご自身も91歳のいまなお学園の運営、後進の指導と日々充実しているそうですね。
〈新堀〉
私が新堀ギター音楽院を立ち上げたのは大学を出た1957年でした。音楽院といっても自宅の一部を改造した質素なバラックの建物でね。「心の糧になる音楽を!」と書いた手づくり看板を掲げてのスタートでした。
その頃、クラシック音楽といえば一部の金持ちが愛好するものという風潮でしたが、本当によい音楽はいっぱいあるのに、それを大衆が享受できないのは実にもったいない。
それでギターを通して音楽の生活化を図りたいという思いで音楽院を設立しました。その思いはいまも変わりません。
現在、神奈川、東京、千葉に21の直営教室、全国各地にブランド教室を構えており、私たちの活動はいまや国内だけでなく、国外でも高い評価を得られるまでになりました。
創立50周年の節目に、音楽の本場ウイーンで開催したギターオーケストラの演奏会では、終演後、聴衆が総立ちになり万雷の拍手が鳴り止やまなかったくらいです。
──90代のいま、70代、80代の頃と比べて、ご心境に変化はありますか。
〈新堀〉
それは大きいですね。何よりもこの年になって幸福というものの本質が分かってきた気がするんです。いわば幸福道ですね。
──幸福に至る道?
〈新堀〉
ええ。人間は誰でも幸福になりたいと思って生きているわけですね。だけど、僕の友人たちを見ていても真っ直ぐに幸福に向かっていく人と、分岐点で逆の方向に行ってしまう人がいます。……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇音楽は幸福と健康長寿の秘訣
◇音楽を通して平和の大切さを
◇「先生、ゼロからもう一度やり直しませんか」
プロフィール
新堀寛己
にいぼり・ひろき――昭和9年東京都生まれ。32年青山学院大学卒業、新堀ギター音楽院創立。高音・中音・低音の各音域ギターを考案・開発。ギターオーケストラを創始。これらは「新堀メソード」として平成7年に世界学術文化審議会より国際グランプリ受賞。著書は教本の他、『50歳から人生を謳歌するギター演奏のすすめ』(幻冬舎)『健康長寿に向かう幸福道』(湘南社)など。
特集
ピックアップ記事
-
対談
勝利への道は、努力と辛苦の日にあり
野村忠宏(Nextend代表取締役/ ミキハウススポーツクラブGM)
阿部一二三(パリ2024オリンピック 柔道男子66㎏級金メダリスト/パーク24所属)
-
インタビュー
越えられない壁はない ~H3ロケットはこうして打ち上げに成功した~
岡田匡史(宇宙航空研究開発機構〈JAXA〉理事・宇宙輸送技術部門長)
-
エッセイ
『三国志』に学ぶ人間学
中川昌彦(評論家)
-
インタビュー
日本の明るい未来を創る オーガニック給食への挑戦
太田 洋(いすみ市長)
-
インタビュー
「どんな時も、 笑っとけ!」——創業者が見た夢の続きを見る
山口久美子(玄品グループ 関門海社長)
-
インタビュー
パリで和の心を伝承する
秋吉雄一朗(「茶懐石 秋吉」オーナーシェフ)
-
対談
名将の哲学【日本一17回&10回はかくして生まれた】
阿部由晴(常盤木学園高等学校サッカー部監督)
井手口 孝(福岡第一高等学校男子バスケットボール部監督)
-
対談
苦難は事業の基なり
河邉哲司(久原本家グループ本社社長)
中岡生公(鈴懸社長)
-
特別講話
生きる力
千 玄室(茶道裏千家第十五代・前家元)
好評連載
バックナンバーについて

バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます
過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。
定期購読のお申込み
『致知』は書店ではお求めになれません。
電話でのお申込み
03-3796-2111 (代表)
受付時間 : 9:00~17:30(平日)
お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード