「音楽による地球一家づくり」 を目指して 新堀寛己(新堀学園理事長)

「新堀ギター」として広く知られる新堀学園。1957年に同学園を創設し、理事長を務める新堀寛己氏は今年91歳を迎えた。少年時代の戦争体験で実感した平和の大切さを、いまもなお音楽を通して実現すべく前進を続ける氏の人生観に迫る。

僕は人生を登りに登って辿り着いた到達点、つまり死が人生の成就と考えています。
人生を登り続けるためにも、脳を最高に活性化して幸福道を歩むことが大事になってくるんです

新堀寛己
新堀学園理事長

──新堀さんが創立された新堀学園は今年で68年を迎え、ご自身も91歳のいまなお学園の運営、後進の指導と日々充実しているそうですね。

〈新堀〉 
私が新堀ギター音楽院を立ち上げたのは大学を出た1957年でした。音楽院といっても自宅の一部を改造した質素なバラックの建物でね。「心の糧になる音楽を!」と書いた手づくり看板を掲げてのスタートでした。

その頃、クラシック音楽といえば一部の金持ちが愛好するものという風潮でしたが、本当によい音楽はいっぱいあるのに、それを大衆が享受できないのは実にもったいない。

それでギターを通して音楽の生活化を図りたいという思いで音楽院を設立しました。その思いはいまも変わりません。

現在、神奈川、東京、千葉に21の直営教室、全国各地にブランド教室を構えており、私たちの活動はいまや国内だけでなく、国外でも高い評価を得られるまでになりました。

創立50周年の節目に、音楽の本場ウイーンで開催したギターオーケストラの演奏会では、終演後、聴衆が総立ちになり万雷の拍手が鳴り止やまなかったくらいです。

──90代のいま、70代、80代の頃と比べて、ご心境に変化はありますか。

〈新堀〉
それは大きいですね。何よりもこの年になって幸福というものの本質が分かってきた気がするんです。いわば幸福道ですね。

──幸福に至る道?

〈新堀〉 
ええ。人間は誰でも幸福になりたいと思って生きているわけですね。だけど、僕の友人たちを見ていても真っ直ぐに幸福に向かっていく人と、分岐点で逆の方向に行ってしまう人がいます。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇音楽は幸福と健康長寿の秘訣
◇音楽を通して平和の大切さを
◇「先生、ゼロからもう一度やり直しませんか」

プロフィール

新堀寛己

にいぼり・ひろき――昭和9年東京都生まれ。32年青山学院大学卒業、新堀ギター音楽院創立。高音・中音・低音の各音域ギターを考案・開発。ギターオーケストラを創始。これらは「新堀メソード」として平成7年に世界学術文化審議会より国際グランプリ受賞。著書は教本の他、『50歳から人生を謳歌するギター演奏のすすめ』(幻冬舎)『健康長寿に向かう幸福道』(湘南社)など。


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