11 月号ピックアップ記事 /二十代をどう生きるか
頑張り続ける底力のあるやつだけが、最後に最強な運を掴むことができる ガッツ石松(元WBC世界ライト級チャンピオン)

アジア人初のWBC世界ライト級チャンピオンに輝き、5度の防衛に成功したガッツ石松氏。現役引退後は俳優・タレントとして幅広く活躍を続けている。しかし、幼少期は赤貧を極め、人生の辛酸を嘗め尽くす日々だった。拳一つで世界の頂へと上り詰めた20代の歩みを振り返っていただき、運命を開く要諦を探る。

人より上に行くには努力はもちろん、常にWhyを追求していくこと。
これはボクシングに限らない。
人生はWhyが肝なのだと実感している
ガッツ石松
元WBC世界ライト級チャンピオン
【写真=1974年4月11日、アジア初の世界ライト級チャンピオンに輝き、両手を挙げてガッツポーズをするガッツ石松氏】
20代、それは人生というマラソンの通過点といえる。その先に続く道を切り拓くためにも、酸いも甘いも経験して、右往左往することが大事だと実感している。
昔のスポーツ界は一度入り込んだら簡単に引き下がらない世界だった。翻っていまの時代は、少し足を踏み入れただけで分かった気になる若者が多いと感じる。20代でいい加減な人間は先の人生もいい加減になってしまう。今回、愛読する『致知』から若者へ向けてメッセージを語る場を得たので、無我夢中でボクシングに打ち込んだ俺の20代を振り返ってみたい。
1949年、4人きょうだいの次男として栃木県上都賀郡で生まれた。親父は体が弱く、あまり働かなかったので、うちは毎日がその日暮らしだった。雨漏りのする家はひび割れた戸板の隙間から月が見える始末。冬には凍いてつく隙間風が吹き込み、親子6人で身を寄せ合って寒さを耐え忍んだ。
病弱な親父に代わり、家計を支えたのが母だった。朝早くに出て行き、男たちに交じって橋桁の工事や砂利道を舗装する力仕事をやり、夜遅くに真っ黒な顔をして帰ってくる。汗水垂らして働く母の姿を見ては、いつか俺が楽にさせてやりたいと思ったものだ。
とはいえ、……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇同じ過ちを繰り返さない
◇「立派な人間になれ」
◇常にWhyを追求する
◇やられっぱなしでは終わらない
◇粗にして野だが卑ではない
プロフィール
ガッツ石松
がっつ・いしまつ――本名・鈴木有二。昭和24年栃木県生まれ。40年中学卒業と同時に上京、プロボクサーを志しヨネクラジムに入門。41年プロボクシングデビュー。49年WBC世界ライト級チャンピオンとなり、以後5回防衛。54年引退し、芸能界に転身。20年広島国際学院大学現代社会学部客員教授。著書に『神様ありがとう俺の人生』(桜の花出版)など多数。
編集後記
幼い頃からテレビで当たり前のように拝見してきたガッツ石松さんへの取材ということもあり、只ならぬ緊張感のもと都内の事務所に伺いました。しかし、そんなこちらの緊張をよそに明るく溌剌とした様子で颯爽と現れ、「OK牧場!」と屈託のない笑みを浮かべるガッツさんに接し、一瞬で緊張が解けると共に思わず心を掴まれたのです。なぜガッツさんが長年に亘って人々を魅了し続けるのか。表裏のない気さくなお人柄に触れ、その答えが見えたように感じます。

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