7 月号ピックアップ記事 /二宮尊徳 ~世界に誇るべき偉人の生涯~
【第16回】優秀な弟子たち 北 康利(作家)

〝二宮尊徳はどんな人か。かう聞かれて、尊徳のことをまるで知らない人が日本人にあったら、日本人の恥だと思ふ。それ以上、世界の人が二宮尊徳の名をまだ十分に知らないのは、我らの恥だと思ふ。〟
――作家・武者小路実篤の言葉です。
白洲次郎、松下幸之助、吉田茂、小林一三、稲盛和夫……日本の歴史に名を刻む数多の偉人の評伝を上梓してきた作家・北康利さんが、いま、刮目する人物。それが二宮尊徳です。
尊徳に深い敬慕を抱く北さんが丹念に資料を紐解き、縁の地に足を運んで活写される尊徳の生涯は、読む人にこれまでにない感動を与え、大いに生き方の指針となる内容です。
〈写真左=著者撮影|写真右=撮影:齊藤文護〉
いずれにせよ二宮家は一時大いに華やいだ。誰もその後二宮家に再び悲劇が襲うことなど想像だにしていなかった。
北 康利
作家
●これまでのあらすじ
日光神領新田開発の目論見書(もくろみしょ)を提出するよう幕府から命じられた尊徳は、後世のために決定版の仕法雛形(ひながた)を書き残そうと奮闘する。彼は優秀な門人たちの助けも借りながらこれを完成させ、念願の小田原藩仕法にも生かそうと胸を膨らませるのだが、小田原藩から下されたのは「畳置き(仕法発業の中止)」という思いもよらぬ沙汰。そして彼を待っていたのは小田原からの追放であった。
~第16回の目次~
◇久々の慶事
◇福住正兄
◇岡田父子と大日本報徳会
◇日光仕法の下命
◇文の死
・・・つづく
プロフィール
北 康利
きた・やすとし――昭和35年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券業務企画部長等を歴任。平成20年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。『白洲次郎 占領を背負った男』(講談社)で第14回山本七平賞受賞。著書に『思い邪なし 京セラ創業者稲盛和夫』(毎日新聞出版)など多数。近著に『ブラジャーで天下をとった男 ワコール創業者 塚本幸一』(プレジデント社)がある。
編集後記
二宮尊徳の晩年。それはまさに、悲喜こもごもと言うに相応しいものでした。優秀な弟子たちの躍動と、悲しい別れ。尊徳の最後の願いとは――。

特集
ピックアップ記事
-
対談
我が修行に終わりなし
柳澤眞悟(大峯金峯山回峰大行満)
宮本祖豊(比叡山十二年籠山行満行者)
-
対談
一念の積み重ねこそ経営の真髄なり
大倉忠司(エターナルホスピタリティグループ社長CEO)
貫 啓二(串カツ田中ホールディングス会長)
-
対談
日本復活への道──日本精神をいかに取り戻すか
荒谷 卓(国際共生創成協会 熊野飛鳥むすびの里 代表)
ジェイソン・モーガン(麗澤大学准教授)
-
対談
希望の一念を燃やして生きる ~苦難の先に見えたもの~
浦田理恵(元ゴールボール女子日本代表)
姫野ナル(プロテニスプレーヤー)
-
エッセイ
日本を守った豊臣秀吉の一念
平川 新(東北大学名誉教授)
-
エッセイ
信念は偉大な夢を成し遂げる
榎本雅大(流通経済大学付属柏高等学校サッカー部監督)
-
インタビュー
「感動農業」への飽くなき挑戦
澤浦彰治(グリンリーフ社長)
-
インタビュー
「生命の根源」を求め続けて
神農 巌(陶芸重要無形文化財「青磁」保持者)
-
インタビュー
骨髄バンクと共に──粛々と歩み続けて37年
大谷貴子(全国骨髄バンク推進連絡協議会 副会長)
好評連載
バックナンバーについて

バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます
過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。
定期購読のお申込み
『致知』は書店ではお求めになれません。
電話でのお申込み
03-3796-2111 (代表)
受付時間 : 9:00~17:30(平日)
お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード