【第16回】優秀な弟子たち 北 康利(作家)

〝二宮尊徳はどんな人か。かう聞かれて、尊徳のことをまるで知らない人が日本人にあったら、日本人の恥だと思ふ。それ以上、世界の人が二宮尊徳の名をまだ十分に知らないのは、我らの恥だと思ふ。〟
――作家・武者小路実篤の言葉です。

白洲次郎、松下幸之助、吉田茂、小林一三、稲盛和夫……日本の歴史に名を刻む数多の偉人の評伝を上梓してきた作家・北康利さんが、いま、刮目する人物。それが二宮尊徳です。
尊徳に深い敬慕を抱く北さんが丹念に資料を紐解き、縁の地に足を運んで活写される尊徳の生涯は、読む人にこれまでにない感動を与え、大いに生き方の指針となる内容です。

〈写真左=著者撮影|写真右=撮影:齊藤文護〉

いずれにせよ二宮家は一時大いに華やいだ。誰もその後二宮家に再び悲劇が襲うことなど想像だにしていなかった。

北 康利
作家

●これまでのあらすじ

日光神領新田開発の目論見書(もくろみしょ)を提出するよう幕府から命じられた尊徳は、後世のために決定版の仕法雛形(ひながた)を書き残そうと奮闘する。彼は優秀な門人たちの助けも借りながらこれを完成させ、念願の小田原藩仕法にも生かそうと胸を膨らませるのだが、小田原藩から下されたのは「畳置き(仕法発業の中止)」という思いもよらぬ沙汰。そして彼を待っていたのは小田原からの追放であった。

 ~第16回の目次~
 ◇久々の慶事
 ◇福住正兄
 ◇岡田父子と大日本報徳会
 ◇日光仕法の下命
 ◇文の死
 ・・・つづく

プロフィール

北 康利

きた・やすとし――昭和35年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券業務企画部長等を歴任。平成20年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。『白洲次郎 占領を背負った男』(講談社)で第14回山本七平賞受賞。著書に『思い邪なし 京セラ創業者稲盛和夫』(毎日新聞出版)など多数。近著に『ブラジャーで天下をとった男 ワコール創業者 塚本幸一』(プレジデント社)がある。


編集後記

二宮尊徳の晩年。それはまさに、悲喜こもごもと言うに相応しいものでした。優秀な弟子たちの躍動と、悲しい別れ。尊徳の最後の願いとは――。

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