辛抱と笑顔 石井誠一(石井サイクル店主)

13歳で自転車屋に丁稚奉公に入って以来、103歳のいままで自転車修理業の一道を歩み続けてきた石井サイクル店主の石井誠一氏。100歳を越えてもなお店頭に立ち続ける氏を突き動かすものは何か。健康の秘訣、職人としての心構えを交えてお話しいただいた。
【写真=石井サイクルの店舗内には、石井氏の自転車修理職人としての技量に対する表彰状、感謝状などが所狭しと飾られている】

この年になっても働けていることが本当に幸せです。

自転車をいじっている時が一番楽しいんですよ。

これからも辛抱と笑顔で、この自転車修理業の天職に生涯現役で打ち込んでいきたいですね

石井誠一
石井サイクル店主

――石井さんは、103歳になるいまもなお自転車修理職人として現役で働かれているそうですね。

<石井> 
103歳だからといって特別なことはありません。ああ、そうかという感じです。仕事が来ればやるけれども、来なけりゃ来ないで、店の整理やお勝手の掃除をしたり……。そんな毎日ですね。

――健康長寿のために意識して実践していることはありますか。

<石井>
悪いところは、昭和35年からの右膝のリウマチ。だから、歩行はあまりできないのですが、自転車修理の仕事には別に差し支えはないね。

やはり若い頃と違って、特に80を超えてから暴飲暴食をしなくなりました。しないというか、しようと思ってもできないというのが本当のところです。

ただ毎晩、晩酌だけはやっています。仕事を終えた後、炭酸飲料水で割った焼酎に氷を入れて一杯飲む。それで仕上げは日本酒。

あとは、ニンニクを毎日2つ、3つくらい食べています。レンジで3分温めると、皮がすぐに剥(む)けて食べやすいんです。昼に食べると臭いがするので、夜に食べる。

――いまも仕事をコツコツ続けていること。毎晩の晩酌とにんにくが健康長寿の秘訣なのですね。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇103歳、健康の秘訣
◇20歳で戦争へ
◇自転車修理の道を歩む
◇人生をひらくのは辛抱と笑顔

プロフィール

石井誠一

いしい・せいいち――大正11年東京生まれ。高等小学校中退後、住み込みで自転車修理の修業に入る。昭和18年、20歳で徴兵され中国戦線に出征。終戦後に捕虜になり21年に帰国。様々な職を経験し、31年34歳の時に東京都墨田区に石井サイクルを開業。


編集後記

103歳現役自転車職人である石井誠一さんの取材は、東京都墨田区にある自宅兼店舗・石井サイクルにて行われました。店舗内には所狭しと、職人として技量を称える賞状や感謝状が飾ってあり、石井さんが職人として重ねてきた努力が偲ばれました。激動の時代を生き抜いてきた石井さんの歩みから、健康長寿、よりよく生きる人生・仕事の極意を学びます。

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