3 月号ピックアップ記事 /インタビュー
日日是鍛錬——極めるところに道は拓ける 西村道子(昴 会長)

創業から60年を数え、九州・沖縄の5県で運営、鹿児島・宮崎ではトップ公立高校の合格実績でN0.1の「昴」。民家の二階でリンゴ箱を机にして始めた学習塾を、九州の学習塾で唯一の上場企業と為さしめた原動力は、「日日是鍛錬」を旨とする人間づくり。創業者の夫と共に、のべ15万人の塾生を送り出し、84歳を迎える西村道子会長の語る〝鍛錬〟とは。

極めるところに道は拓ける……。これは私の信条です
西村道子
昴 会長
【写真=1995年12月、店頭登録を果たす。左端が西村道子さん、隣がご主人の佳夫氏】
――ご主人と民家に開いた学習塾を前身とする「昴(すばる)」は創業60年を迎え、地元鹿児島県・宮崎県で実績、規模共に業界トップを走っていると伺いました。
〈西村〉
亡くなった創業者の主人・西村佳夫とは二人三脚で40年以上経営に携わって、その後も必死でしたから、長かったとは感じません。
おかげさまで昴はいま鹿児島の31校を中心に、宮崎に13校、熊本に10校、福岡に3校、沖縄に4校、計61校を運営するまでになりました。2025年の実績では、例えば鹿児島で学力トップの公立高校三校の入学者は、ほぼ二人に一人が昴の卒塾生です。宮崎県でも、県内最難関の公立高理数科で、定員40名に対して毎年25~30名近くを卒塾生が占める状況です。
――高い合格実績の秘訣は。
〈西村〉
一番大事にしているのが、人間教育、人財づくりです。
株式会社昴の「使命観」は「日日是鍛錬(ひびこれたんれん)」です。「鍛錬」の二文字は剣豪・宮本武蔵の『五輪の書』からいただきました。この使命観の下に、指導理念を定めています。
一つは、お預かりしたお子さまを全職員が、我が子我が事と思い、厳しく指導する。二つには、学力気力 体力を養成する。そして三つには、責任をもって一人残らず第一志望校に合格させる。
子供たちが21世紀を生き抜くには、学力を鍛えるだけでは不十分です。避けて通れない受験に取り組む中で、人間的に成長してほしい。それが私たちの願いであり、私たち自身が日々鍛錬していなくてはできないことです。
振り返れば、昴の始まりはリンゴ箱を机にした、小さな学習塾でした。なぜ生き残れたのだろうと考えると、時代に左右されない理念があったからだと思います。……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~(全4ページ)
◇始まりは、リンゴ箱の机から
◇人はよき師に出会えば必ず成長する
◇明治生まれの父に叩き込まれた礼節
◇念願の上場と夫との別れ
◇偉大な教師は心に灯をともす
◇上、明らかならず 下、正しからず
プロフィール
西村道子
にしむら・みちこ――昭和17年鹿児島県生まれ。37年に夫・西村佳夫と共に鹿児島市内で学習塾を起業。40年鶴丸予備校を創業。平成7年12月店頭登録(現在、東証スタンダード市場上場)。18年株式会社昴社長。令和2年日本民間教育大賞「民間教育最高功労賞」受賞。3年より会長。著書に『21世紀を生き抜く子どもたち』(幻冬舎メディアコンサルティング)。
編集後記
日日是鍛錬。一見して武道場の合言葉のように思えるこの五文字を、社員の〝使命観〟とされていることに驚きました。この言葉に違わず、お約束の時間に鹿児島市内の「昴」本部に伺うと、社屋の車庫に人影が。小雨が降る中、弊誌の訪問に、会長自らがお出迎えくださったのでした。
取材ではゆったりとした口調で歩みを語られましたが、84歳といわれて分からないほど柔らかな物腰とともに、内から湧き出るエネルギーを感じました。かつて受験競争を先導しているとして白眼視された学習塾を育て、これまで数多くの子供たちを送り出してきた教育者としての気骨、愛情、誰よりも自分に対して鍛錬を課している姿に、こちらも鼓舞されました。
取材後は、日日是鍛錬の書の前で、そして桜島を背景にしての撮影に快く応じてくださり、感動を噛み締めました。

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