3 月号ピックアップ記事 /インタビュー
困難を受け入れ、人生を輝かせる 東谷 瞳(脳性麻痺ライター)

生まれつき脳性麻痺を患い、手足と言語に障がいを抱える東谷瞳氏。様々な制約の下、普通学校への進学、就職、子育て、作家業など、挑戦を続けてきた。障がいという逆境に行く手を阻まれながらも、生きる道を求め続けたその歩みに、自らを磨くヒントを探る。

できるようになることばかりを追い求めるなら、障がいを持つ私は何もできないんです。でも、できることに目を向け一所懸命に取り組めば、すべての困難が自分を成長させる糧になると私は信じています
東谷 瞳
脳性麻痺ライター
【写真=今日まで二人三脚で歩まれたお母様と】
――先日、東谷さんから弊社宛てにいただいたメールの内容に感動しました。
〈東谷〉
2025年に18年勤めた三重県庁を退職したのですが、在職中は『致知』の言葉に何度も力をもらいました。その御礼のつもりで感謝のメッセージを綴ったところ、思いがけず今回の取材に繋がり、とてもびっくりしています。
――ご自身の障がいのことも書かれていましたね。
〈東谷〉
はい。私は生まれつき脳性麻痺を患っています。生まれる時にうまく呼吸ができず、いわゆる仮死産で生まれたんです。その後遺症で、手足と言語に障がいが残りました。
右手は握ったままほとんど開かず、使うのは左手が中心です。歩行はとても時間がかかる上、足に大きな負担がかかるので、普段は車いす生活を送っています。言語も聞き取りづらいですが、初対面の相手に何とか聞き取っていただけるほどの会話は可能です。
――不自由を強いられながらも、18年にわたってお仕事を続けられたことに驚嘆します。退職した現在はどのように過ごされているのですか。
〈東谷〉
生まれ育った三重県で、母と小学5年生の娘と3人で暮らしています。夫とは離婚して、現在は養育費の援助を受けつつ、同居する母の全面的な協力のもと子育てを行っています。
県庁を退職後は、……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~(全4ページ)
◇仮死状態で生まれて
◇人生を形づくった母の支えと願い
◇できないことを受け入れ、生きる道を探す
◇できることを徹底していく
◇抱きしめることもできない私が娘にしてやれること
◇流れに沿って生きる
プロフィール
東谷 瞳
ひがしたに・ひとみ――昭和60年三重県生まれ。平成19年三重大学教育学部教員養成課程障害児教育コースを卒業、三重県庁に就職。令和7年退職。現在は小説の執筆や講演、市民活動団体「Flower」の運営などに当たる。著書に『あきらめが生む輝き』がある。
編集後記
取材では発声が困難な中、絞り出すようにしてお話しくださいました。取材の受け答えをはじめ、東谷さんの人生は常に、必死そのものです。そのお姿から学んだのは、人生の大事とは、何を為すかということ以上に、与えられた条件の中で全力を尽くすこと。それを支えたお母様との二人三脚の歩みに胸を打たれます。

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