2 月号ピックアップ記事 /座談会
先知先哲の人間学 鈴木秀子(文学博士) 數土文夫(JFEホールディングス名誉顧問) 横田南嶺(臨済宗円覚寺派管長) 栗山英樹(北海道日本ハムファイターズCBO)

「古典と歴史と人物の研究、これを徹底しなければ、人間の見識というものは磨かれない」
碩学・安岡正篤師のこの言葉は、私たちが先達に学ぶ所以を端的に示している。『致知』も48年、古典と歴史と人物を三本柱に据え、毎号の編集に努めてきた。本誌連載の執筆陣である鈴木秀子氏、數土文夫氏、横田南嶺氏に、『致知』の愛読者で無類の読書家として知られる栗山英樹氏を加えた四氏による座談会。それぞれの人生に彩りを添えてきた先知先哲の教えや言葉を語り合うことで見えてくる人間学の深奥な世界とは――。

森信三先生や坂村真民先生や平澤興先生、もう本当にありとあらゆる先達たちの叡知を、時間をかけて少しずつ学びながら選手に伝え、身につけていきました。
野球とか他のスポーツだけを学んでいたら、結果を残せなかっただろうなと。その道標が『致知』にはあるので、これからも学ばせていただきたいですね
栗山英樹
北海道日本ハムファイターズCBO

私が『致知』から勉強させてもらうのは、経営やスポーツ、伝統芸能など様々な分野でいま現在活躍している人たちが先達の教えを受け継ぎながら、それをどう具体化して活かしているのか、という生きた実例です。僅かな購読料で毎月素晴らしい人の生き方を勉強させてもらえる。こんな有り難いことはないですね
横田南嶺
臨済宗円覚寺派管長

私は『致知』に期待するところが大きいんですよ。小学生からお年寄りまで、幅広い世代に読まれている雑誌は『致知』だけです。
「10代から100歳までの人間学の探究」ということで、ぜひこれからも創意工夫して殻を破り続けてもらいたい
數土文夫
JFEホールディングス名誉顧問

一人ひとりが生きる根源の力を様々な形で教えてくれるのが『致知』であり、記事を読むことによって自分の生き方の中心軸や精神性の拠り所はこれでいいんだと気づかせてくれる。
それが『致知』の今後の大きな役目ではないかと思っています
鈴木秀子
文学博士
本記事の内容 ~全11ページ(約16,000字)~
◇お馴染みの三氏に栗山英樹氏を加えて
◇崇高な思いと現実を見据えた鋭い視点
◇辛苦は自分を大きく飛躍させてくれるチャンス
◇丙午の2026年は奔馬となり初志貫徹する年に
◇性根玉を磨いていく――山本玄峰老師に学ぶ
◇人のために命を捧げる――マザー・ブリットに学ぶ
◇倉廩実つれば礼節を知る――管仲に学ぶ
◇監督として実績を出せたのは先達の叡知を学んできたから
◇『致知』の魅力や役割、今後に期待すること
◇人生は習慣の織物 立志と日々の実行にあり
◇深い感謝があれば人は何度でも立ち上がれる
◇墨守するだけではなく新たに創り出す
プロフィール
鈴木秀子
すずき・ひでこ――昭和7年静岡県生まれ。聖心会シスター。文学博士。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。ハワイ大学、スタンフォード大学で教鞭を執る。聖心女子大学教授を経て、国際コミュニオン学会名誉会長。聴衆と共に「人生の意味」を考える講演会、各種ワークショップなどで指導に当たる。著書に『「思考は現実化する」を量子力学で解く』(村松大輔氏との共著/ビジネス社)、本誌連載をもとにした『名作が教える幸せの見つけ方』(致知出版社)など多数
數土文夫
すど・ふみお――昭和16年富山県生まれ。39年北海道大学工学部卒業後、川崎製鉄入社。常務、副社長などを経て、平成13年社長に就任。15年経営統合後の鉄鋼事業会社JFEスチールの初代社長となる。17年JFEホールディングス社長に就任。経済同友会副代表幹事、日本放送協会経営委員会委員長、東京電力会長を歴任し、令和元年より現職。同年旭日大綬章受章。著書に『徳望を磨くリーダーの実践訓』(致知出版社)。
横田南嶺
よこた・なんれい――昭和39年和歌山県新宮市生まれ。62年筑波大学卒業。在学中に出家得度し、卒業と同時に京都建仁寺僧堂で修行。平成3年円覚寺僧堂で修行。11年円覚寺僧堂師家。22年臨済宗円覚寺派管長に就任。29年12月花園大学総長に就任。著書に『禅の名僧に学ぶ生き方の知恵』『十牛図に学ぶ』『臨済録に学ぶ』『無門関に学ぶ』、栗山英樹氏との共著『運を味方にする人の生き方』(いずれも致知出版社)など多数。
栗山英樹
くりやま・ひでき――昭和36年東京都生まれ。59年東京学芸大学卒業後、ヤクルトスワローズに入団。平成元年ゴールデン・グラブ賞受賞。翌年現役を引退し野球解説者として活動。24年から北海道日本ハムファイターズ監督を務め、同年チームをリーグ優勝に導き、28年には日本一に導く。令和3年侍ジャパントップチーム監督に就任。5年WBC優勝。6年北海道日本ハムファイターズのチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)に就任。著書多数。横田南嶺氏との共著に『運を味方にする人の生き方』(致知出版社)がある。
編集後記
鈴木秀子先生と數土文夫先生と横田南嶺先生。『致知』で連載されているお三方の座談会をこれまで2度(2023年3月号特集「一心万変に応ず」、2025年4月号特集「人間における運の研究」)にわたって掲載してきましたが、今回は「先達に学ぶ」という特集で、新たに栗山英樹さんに加わっていただきました。「よくぞこの4名の日程調整ができたものだと感服しています」と横田先生がおっしゃった通り、ご多用な4名の方々の予定を合わせるのは思っていた以上に至難の業でしたが、お三方の都合がつく数少ない日程の中から栗山さんがご調整くださり、奇跡的に、11月12日(水)に都内ホテルにて座談会取材が行われました。
開口一番、「まさしくここにいらっしゃる皆さんが僕にとっての先達で、いつも『致知』や本を通じて学ばせていただいています」と栗山さん。「先知先哲の人間学」をテーマに、〝2025年を振り返って思うこと〟や〝来たる新年に向けての心構え〟に始まり、本題となる〝各々が特に強い影響を受けた先達の生き方や言葉〟を繙きつつ、話題は〝『致知』の魅力や役割、今後に期待すること〟へ。4名の方々が織り成す人間学談義に興味は尽きません。

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