いまを 輝かせて生きる——8歳で旅立った愛娘が教えてくれたこと 結星蓉子(カウンセラー・コーチ)

結星蓉子さんは、2002年、愛娘と突然の別れを経験した。400万~800万人に1人が発症すると言われ、1年でおよそ10歳分老化が進む難病「プロジェリア」。治療法のないこの病を抱え、健気に生きる娘に、若き母は必死で伴走した。しかし娘亡き後、今度は自らの体に異変が起き始める。数々の悲痛を通じて結星さんが見出した、いまを輝かせる生き方。
【写真=指定難病「プロジェリア」と共に8年8か月を生き抜いた、娘の里紗さん(2歳前)】

私の人生を通じてお伝えしたいのは、「いまを大切に輝かせれば、過去も未来も輝く」ということです

結星蓉子
カウンセラー・コーチ

一人娘の里紗が8歳でこの世を旅立って、23年になります。長いようで、振り返ればあっという間だったとも感じます。

里紗は、800万人に1人とも言われる難病を伴って生まれてきました。当初は「なんで私が」「何か悪いことした?」という思いでいっぱいでしたが、歳月を経て、いまはこう確信しています。

「すべての経験が、私に必要なものだった」

私は2022年より、カウンセラー・コーチとして活動しています。最も辛い時に出合った心の学びによって、人生を生き直すことができた体験を基に、何があっても自分らしく生き、望む未来を叶えるためのマインドづくりを、セミナーや講演、個人セッションを通してお伝えしています。

以前の私は、娘を難病で亡くした自分を心のどこかで不幸な人、可哀想な人だと感じていました。ですから何に取り組んでも苦しく、うまくいきませんでした。自分に貼ったレッテルが、その通りの現実を引き寄せていたのです。

そうではなく、不幸と思うその経験があったからこそ、得られたものは何かと考えてみることです。この視点に立てた時、見える景色が一変しました。

何年経っても、娘との日々を思い返すと涙が溢れます。それでもあの体験がなければ、自分の心と向き合うこともなく、いまの私はなかったでしょう。すべては必然で、偶然はないのだと思います。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~(全4ページ)
◇すべては必然、偶然はない
◇子供の成長を見守れる日常は、本当に尊いもの
◇娘が笑っている「いま」を生きる
◇守るべき病気の娘から学ばせてもらう先生へ
◇変わらない日々に突然訪れたお別れ
◇いまを輝かせれば過去も未来も輝く

プロフィール

結星蓉子

ゆいぼし・ようこ――昭和44年千葉県生まれ。平成5年に娘の里紗さんを出産。ピアノ講師として活動しながら、2歳で難病「プロジェリア」の診断を受けた娘の子育てに奔走。現在は「人生は自分次第で変えられる」をモットーに、カウンセラー・コーチとしてセミナーや講演などを行う。米国NLP協会認定マスタープラクティショナー。


編集後記

世界で稀な難病を伴って生まれた一人娘に寄り添い抜いた結星蓉子さん。短くも豊かに歩んだ愛娘の生き方、そして自らの闘病から得た気づきを、時に涙して語られました。涙を流すことは敗北ではない。あらゆる自分を容認して前に進むこと。命の使い道を考えさせられる半生記です。

2025年11月1日 発行/ 12 月号

特集 涙を流す

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