7 月号ピックアップ記事 /エッセイ
信念は偉大な夢を成し遂げる 榎本雅大(流通経済大学付属柏高等学校サッカー部監督)

今年1月の全国高校サッカー選手権で、見事決勝進出を果たした流通経済大付属柏高校サッカー部。監督就任5年目にして大きな実績を上げた榎本雅大氏の道のりは、名監督の後任という重圧の中での歩みであった。榎本氏はいかにしてこの試練を乗り越えたのか。そして少年時代から積み重ねてきた高校サッカーに懸ける一念とは。
【写真=『365人の仕事の教科書』(致知出版社)を活用した授業を全学年240人のスポーツ進学コースで行っている様子】

常々部員たちに言っているのは、夢は一足飛びには実現できない。
一段一段自分の足で登って行く以外に実現する方法はないということです
榎本雅大
流通経済大学付属柏高等学校サッカー部監督
今年1月、私が監督を務める流通経済大付属柏高校(以下、流経)サッカー部は、高校サッカーの頂点を決める全国高校サッカー選手権大会(冬の国立)で、決勝戦への進出を果たしました。
対戦相手の強豪・前橋育英高校とは1対1のままお互いに譲らず、PK戦に突入。10人ずつの蹴り合いの結果、8対9で惜敗しました。
敗れはしたものの、限りなく優勝に近い準優勝であり、選手たちの健闘を心から称えたいと思います。何よりあの国立競技場の大舞台に立てたことは、この上なく幸せなことでした。
あれから約半年。優勝まであと一歩、否、あと半歩、我われに足りなかったものは何か─決勝の大一番で与えられた人生の宿題と向き合い、そして頂点を垣間見た自分たちだからこそできることを追求する日々を重ねてきました。
今年掲げたスローガンは、「木鶏の如く」。木鶏とは、私が愛読する『致知』から学んだ言葉です。
訓練を積んだ闘鶏は、あたかも木彫りの鶏のように何事にも動じず、体中に徳が横溢しているという意味で、東洋古典『荘子』に由来します。
実際、私がこれまで見てきた強豪チームは、いずれもこの木鶏の如くに堂々と、自信に満ち溢れています。その自信は、常に矢印を自分に向けているところからきているのではないかと私は思います。たとえ不本意な局面に陥っても、仲間やコーチ、親のせいにするのではなく、自分に力がなかっただけと内省を深める。そこから、さらなる成長の足がかりを掴むことができると思うのです。
これを踏まえて各部員は……(続きは本誌にて)
本記事の内容 ~全4ページ~
◇「木鶏の如く」をスローガンに
◇監督としての苦悩と覚醒
◇自分の意志を明確にし持ち味を磨くこと
◇『仕事の教科書』を授業で活用
◇夢は一足飛びには実現できない
プロフィール
榎本雅大
えのもと・まさひろ――昭和53年山形県生まれ。小学生時代にサッカーを始める。平成13年国士舘大学体育学部卒業。在学中に関東大学選手権、総理大臣杯、全日本大学選手権でそれぞれ優勝を果たす。14年流通経済大学付属柏高等学校の教員となり、サッカー部コーチに。令和2年同サッカー部監督に就任。
編集後記
『致知』を愛読し、弊社書籍『365人の仕事の教科書』を授業に活用する流通経済大学付属柏高校サッカー部監督の榎本雅大さんは、今年1月の冬の国立で見事決勝進出を果たしました。選手のモチベーターとして、各人の成長と将来を見据えて真摯に指導に打ち込む姿に感服しました。

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