【編集長取材手記】世界一へと導いた名将が語り合う「運を引き寄せ成功を掴む法則」——王貞治×栗山英樹

~本記事は月刊誌『致知』2026年10月号 特集「運をつかむ」に掲載の対談(何が勝運を呼び寄せるのか)の取材手記です~

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各界一流プロの取材から見出した「運をつかむ人の共通点」

「いつの時代でも、仕事にも人生にも真剣に取り組んでいる人はいる。そういう人たちの心の糧になる雑誌を創ろう」

日本で唯一の人間学を学ぶ月刊誌『致知』はこの理念のもと、有名無名や職業のジャンルを問わず、各界で一道を切り開いてこられた方々の体験談を毎号掲載しています。

創刊当初、「こんな堅い雑誌は誰も読まない」と言われながらも、口コミによって少しずつ広まり、いまや最年少は小学1年生から最年長は103歳のご長寿まで、世代を超えて11万人が心待ちにする月刊誌へと育ちました。

毎日のように、「致知を読まない日は一日もありません」「人間としてもっと成長しなくてはと考えさせられる私の大切な人生の教科書です」「毎号が永久保存版」と、ありがたいことに全国各地の愛読者の皆様から、こういった感謝と感動の溢れる声が届きます。

そして、この9月1日に発刊された10月号をもって、おかげさまで創刊48周年を迎えました。創刊48周年記念号となる10月号の特集テーマは「運をつかむ」。

本誌ではこれまで何度も「運」に関する特集を組んできました。各界の第一線で活躍されている一流の方々にお会いし、質問を発するたび、「私は運がいいんです」と口を揃える。「私は運が悪いんです」と答えた人は誰一人としていません。これも一つの「運をつかむ人の共通点」と言えるでしょう。

運とはいかなるものか。運はどこから来るか。運をつかむ人とつかみ損ねる人の差は何か――。人生におけるこの一大テーマに関して、最新号では、長年勝負の世界に身を置き、チームを幾度も頂点に導いてこられた二人の名将に語り合っていただきました。福岡ソフトバンクホークス会長の王貞治さん(86歳)と北海道日本ハムファイターズCBOの栗山英樹さん(65歳)、共にWBCで侍ジャパンを率い、世界一を成し遂げた名将です。

選手時代と監督時代それぞれの心懸け、野球の神様に愛される人の共通点、強い組織をつくるリーダーの条件、野球を通してつかんだ人生の要諦に迫る人間学談義。タイトルは「何が勝運を呼び寄せるのか」。

二人の名将の姿に感動したこと、学んだこと

この対談を企画したのは、王さんと栗山さんが昨年、一般財団法人「球心会」を設立されたことがきっかけでした。加えて、それぞれ22年と10年の長きにわたって月刊『致知』を愛読し、応援してくださっていることも挙げられます。

共に野球界を代表する名将であり、『致知』を長年愛読し、人間力をベースに選手を育て、結果を出し続けてこられた二人に対談していただくことで、素晴らしい化学反応が生まれ、「運をつかむ」というテーマに関して学びと感動溢れるお話を賜れるのではないか。

そんな思いから双方に依頼をし、過密なスケジュールの間隙を縫って、7月中旬に東京都内のホテルで対談取材がセッティングされました。

実は、王さんは今年1月、弊社主催の新春特別講演会にてご講演いただくことになっていましたが、体調不良で急遽登壇が叶わなくなり、容態を心配していました。しかし、当日お会いしてみると、想像以上に元気旺盛な姿に接し、安堵を越えて感服しました。「氣力には限界がない」との王さんの言葉が一層重みを以て迫ってきます。

栗山さんは対談開始の30分前には到着され、王さんが到着されるのをエレベーターホールの前で立ったまま待っていました。終始、謙虚素直に学ぼうとする栗山さんの少年のような眼差しもまた、大変印象的でした。

そんな二人が豊富な経験や実績をもとに培ってきた指導哲学と流儀は、本誌対談記事にたっぷりと掲載されていますので、ぜひ味わっていただきたいと思います。

それぞれ22年と10年の長きにわたる愛読者

二人はなぜ『致知』を読み続けてくださっているのでしょうか。その理由や魅力について語られたメッセージを紹介します。

まず王さん。

『致知』と出逢ってもう20年以上になる。現状に満足せず、人の生き方に学びながら、自分を高める――。これは私が野球選手として、また監督として、常に心懸け実践に努めてきた姿勢であり、『致知』を読み続ける中で、毎月教えられていることでもある。人は時代の波に振り回されやすいものだが、『致知』は一貫して「人間とはかくあるべきだ」ということを説き諭してくれる。本当に世の中に必要な本だと思う。

次に栗山さん。

『致知』に出逢い、恩師と呼べる様々な先達に出逢い、そういう人たちの言動や考え方を取り入れて、いまの私があります。私にとって『致知』は人として生きる上で絶対的に必要なものです。私もこれから学び続けますし、一人でも多くの人が学んでくれたらと思います。それが、日本にとっても大切なことだと考えます。

功成り名を遂げてこられたお二人が、いまもなおこうやって学び続ける姿勢に感銘を受けると共に、編集者冥利に尽きる思いがします。

ここでしか読めない、人間学の真髄に触れられる対談

王さんは言わずと知れた世界のホームラン王(868本)、国民栄誉賞第1号であり、巨人軍の不動の4番バッターとして、長嶋茂雄さんと共にV9の中心的存在でした。監督としてもリーグ優勝4回、日本一2回、第1回WBC世界一の成績を誇る球界のレジェンドです。

一方、栗山さんは不遇の選手時代を過ごし、引退後はコーチ経験もなく北海道日本ハムファイターズの監督に就任し、新人監督ながら3年ぶりのリーグ優勝。2023年のWBCで3大会ぶり3度目の世界一に導いたその活躍ぶりは記憶に新しいでしょう。

しかしながら、世界のホームラン王がいかにして生まれたのか、大谷翔平選手を二刀流としてどのような思いで育ててきたのか、最下位のチームを日本一に変革した原動力とは何か、WBCで世界一を引き寄せた運とは何か、こういったことは意外と知られていないかもしれません。

お二人の2時間に及ぶ白熱の対談取材をギュッと凝縮して誌面10ページにまとめました。主な見出しは下記の通り。

◇奇跡のような巡り合わせ
◇運をつかむ上で大切な三つの要素
◇世界のホームラン王はかくて生まれた
◇一流の人は突き抜けている
◇どん底の選手時代を救ってくれた二人の恩人
◇リーグ最下位から日本一への道のり
◇大谷翔平氏が世界最高の選手たる所以
◇勝つ時は選手のおかげ 負ける時は監督の責任
◇トップの覚悟が運を巻き込む
◇常にアンテナを張っているかどうか
◇歳を取っても氣力には限界がない

「お二人の出逢いと交流」や「球心会設立に懸ける思い」に始まり、「自分を今日へと導いてくれた出逢い」という原点、「選手時代に積み重ねた努力」「監督として常に心掛けてきたこと」「どのように逆境に向き合い、飛躍へと繋げたか」。「いかにして勝運を掴むか」をテーマに、「日々実践している心身の調え方、欠かさない習慣」「強い組織をつくるために、リーダーに求められる条件」。さらには、「野球の神様に愛される人の共通点」として、「長嶋茂雄や大谷翔平など、数々のスターを見て感じること」。最後に、「野球を通して学んだ〝人生で一番大事なもの〟」に至るまで、約1万4000字の記事の中に、一冊の書籍になるほどの内容が満載しており、まさに人間学の真髄に触れられる対談です。

何が勝運を呼び寄せるのか――とりわけ深く心に響いた言葉

最後に、対談のテーマである「何が勝運を呼び寄せるのか」に関して、とりわけ深く心に響いた言葉を一つずつだけ挙げたいと思います。

不平不満を言っている人は運をつかめないですよ。ひたむきさや貪欲さを持ち続けて行動する者にのみ勝利の女神は微笑むんです――王貞治

自分のことはさておき、誰かのために尽くしている人のところに運は引き寄せられると実感しています――栗山英樹

一流の名将同士が語り合う、体験や学びを通して掴んだ人生と仕事を好転させる「思考と行動の習慣」「運を引き寄せ成功を掴む法則」「逆境を支える珠玉の金言」には、私たちの日常生活に生かせるヒントがちりばめられています。お二人が織り成す人間学談義に興味は尽きません。

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