【木鶏会感動秘話 第3回】『致知』を10年読み続けることで人生が変わった〈井上石灰工業〉

月刊誌『致知』をテキストに、会社内で人間学を学び合う勉強会「社内木鶏会」。現在、全国約1,380の企業や学校で実施され、一人ひとりの人間力が高まり、組織のベクトルが揃うことで、社風(部風)や業績(成績)の向上に繋がっています。「美点凝視」の精神でお互いがお互いの素晴らしいところを見つめて認め合う。そしてお互いがお互いを尊重しつつ、共に人間的に成長する木鶏会は、多くの学びと感動に溢れています。
本連載では、笑いあり涙ありの木鶏会感動秘話を致知営業部員が綴ります。第3回は、営業部員・神谷が担当する、高知県に拠点を構え、「第12回社内木鶏全国大会」にも出場された井上石灰工業での木鶏会の様子、美点凝視で大きな変化を遂げた社員の感想文をご紹介します。

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無意識のうちに『致知』にちりばめられた言葉を欲していた

井上石灰工業は高知県南国市にある1884年創業の歴史ある企業です。社内木鶏は2013年から全社員でスタートし、現在に至っています。現在は約100名の社員で行われています。

導入当時は社員からの反発もありましたが、井上社長の不退転の覚悟により徐々に雰囲気がよくなり、2024年には「第12回社内木鶏全国大会」に出場されました。

ご発表の中で印象的だったのは、「会社の美点凝視」をされたことで新事業の立ち上げに繋がったというお話でした。

アルカリ性の性質を持つ石灰は、ブドウの土壌作りに欠かせない存在であることに気付かれたのです。いまでは日本ワインコンクールでブロンズ賞を、さらにサクラアワードでゴールド賞を受賞されるようになり、ワイナリー事業は新たな会社を支える柱として確立されました。

「本を読むのが苦手」「『致知』は難しくて読めない」と言った声をよく耳にします。今回ご投稿いただいた金折さまもそのお一人でした。

最初は推薦記事を読むのが精いっぱいだった金折さまでしたが、木鶏会に参加し続けている内に目に止まった記事を少しずつ読まれるようになり、いまでは隅から隅まで読んでいらっしゃる。ここに至るまでに10年かかったとのことでした。金折さまの実体験のお話は、きっとあなたを勇気づけてくれることでしょう。

▲金折好弘さん
『致知』2026年6月号「人間を磨く」を読んで感じたこと

人間を磨くために必要なのは、目の前にある逆境に負けない努力、自分自身を内省する心、そして素晴らしい人々や言葉に出会い、触れることだと私は思います。今経験していることのすべてを受け入れ、いかなる逆境も努力を重ねれば、結果的には最善の道に繋がっていく。この「最善観」という捉え方は、人間を磨く上で極めて大切な考え方です。

振り返れば、若い頃の私は目の前の逆境から逃げずに、自分なりに全力で取り組んできたつもりでした。しかし当時、その先に「人としてどうありたいか」という具体的な姿までは描けていませんでした。今でこそ、理想の人間像やそのための心の持ち方を考えられるようになりましたが、その大きなきっかけが、雑誌『致知』との出会いだったのかもしれません。

初めは社内木鶏会に必要な「総リード」と推奨記事を読むだけでした。しかし、自分が目指すべき人間像を具体的に模索し始めるにつれ、自然と読むページが増えていきました。気がつけば、読み始めてから約10年が経った頃には、毎月1冊を丸ごと読み通すようになっていました。

変化のスピードは遅かったのかもしれません。ですが、無理なく自然に自分自身が『致知』の言葉を受け入れ、必要としたからこそ、少しずつページをめくる手が伸びていったのだと思います。

不思議なことに、仕事が忙しく困難な状況に陥っても、自分の心を落ち着かせ、コントロールできるようになった時期と、読むページが増えていった時期は見事に重なっています。当時の私は、無意識のうちに『致知』にちりばめられた言葉を欲していたのかもしれません。

現在、二人の娘たちにも、大学入学時から折に触れて『致知』を渡しています。娘が就職活動の最終面接で「人間力」について話す機会があり、この雑誌が役に立ったと聞きました。決して強制したわけではないので、この硬派な雑誌を自ら自然に読んでいた娘たちの姿には驚かされましたが、考えてみれば彼女たちもまた、人生の成長期において、必要なタイミングで本質的な言葉に惹かれたのかもしれません。それこそが、この雑誌が持つ確かな魅力なのだと感じています。

私も娘たちも、人間としてはまだまだ発展途上です。だからこそ、これからも『致知』という学びの場を通して、家族で共に、人間として成長していきたいと思っています。

物事を成し遂げるには時間を要します。『致知』を読み始めたばかりの方もいらっしゃると思いますが、すぐに「読めない」と言って投げ出さず、10年読み続けてみてください。その頃にはきっとあなたも金折さまのように『致知』を手放せなくなっているに違いありません。


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