「業績が下がる企業」に共通するのは〝他責〟の企業風土――2000社の経営指導を通じてわかったこと〈田口佳史〉

映画会社に勤めていた20代の頃、とある事故により瀕死の重傷を負うも、病床で『老子』の教えに救われ、以来古典を愛読し続けてきた田口佳史氏。これまでに、東洋思想とリーダーシップを約2,000社以上の経営幹部に平易に説き明かし、メンターとして多くの人に仰がれています。『致知』ではそんな田口氏に、東洋古典の中核をなす九つの経典「四書五経」より、心に刻みたい名言を抜き出して毎月解説いただいています。その中から、今回は『論語』を題材にした2024年3月号の連載の内容を一部紹介します。
(本記事は月刊『致知』2024年3月号  連載「四書五経の名言に学ぶ」より一部を抜粋・編集したものです)

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自力を尽くす君子 他人に期待する小人

「君子(くんし)は諸(これ)を己(おのれ)に求む 小人(しょうじん)は諸を人に求む」

『論語』の「衛霊公(えいれいこう)第十五」に出てくる名言です。

「小人は何事も他人の力を期待し頼りにして行う。これに対して君子は、何事も他人の助けを頼りにせず自力を尽して行う」といっています。

「吾(わ)れ少(わか)くして賤(いや)し」と『論語』で告白している孔子(こうし)の幼少期は、決して恵まれたものではなく、春秋時代の荒れ狂う戦火の巷(ちまた)を、早くに父親を亡くし、母親を助けて暮らしました。貧しく遣(や)る瀬(せ)無い毎日であったことでしょう。

しかし、何事も自分で行うという「自立の精神」はその頃に培(つちか)われたもののようです。この「自力主義」ともいうべき心構えの重視は、しばしば『論語』にも登場する孔子らしさの一つであります。

自責か他責かは大きな差になる

私は50歳頃までは、企業の経営指導を行っていましたが、その頃痛感したことがあります。

経営が円滑に進まず業績も下降線をたどっているような会社には、共通して同じ病巣(びょうそう)があるということです。

それは「他責の社内風土」です。他責とは、失敗の原因を他人の所為(せい)にしてしまうことです。

日本を代表する大企業や名門企業も、業績が上向かない原因を追究していくと、企業風土、企業文化としてこの「他責」という組織の特性が出てくることが、実に多くありました。

組織の改革は業績が低迷している原因の解明を行うところから始めるのですが、部門別の解明の為のヒアリング(聞き取り調査)を数日かけて行っても、他部門の批判で終始することばかりでした。

〝あいつが悪い、こいつが悪い〟と言っているうちは、真なる原因の解明にはなりません。視線を他人から自分に向けるのは容易なことではありませんが、ここが要点なのです。

他責では直しようがありません。自責になり、〝自分の何がいけないのか〟となって始めて「自反(じはん)内省」となり、改善改革に向かって進み出すのです。

「自責」こそ成功の秘訣といってもよいでしょう。


(本記事は月刊『致知』2024年3月号  連載「四書五経の名言に学ぶ」より一部を抜粋・編集したものです)

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◇田口佳史(たぐち・よしふみ)
昭和17年東京都生まれ。記録映画監督としてバンコクで撮影中、水牛に襲われ瀕死の重傷を負う。生死の狭間で『老子』と出合い、東洋思想研究に転身。「東洋思想」を基盤とする経営思想体系「タオ・マネジメント」を構築・実践し、1万人超の企業経営者や政治家らを育成。配信中の「ニューズレター」は海外でも注目を集める。主な著書(致知出版社刊)に『「大学」に学ぶ人間学』『「書経」講義録』『「中庸」講義録』他多数。最新刊に『王陽明「伝習録」に学ぶリーダーの人間学』。

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