2025年08月07日
~本記事は月刊誌『致知』2025年9月号 特集「人生は挑戦なり」に掲載のトップ対談(挑戦で切り開いてきた人生と経営)の取材手記です~
共に九州の地から東証プライム上場へと導いてきた
ゲストハウス型の婚礼施設を展開するアイ・ケイ・ケイを創業し、介護事業・食品事業なども幅広く手掛け、就職人気ランキングで3年連続九州・沖縄一に選ばれる人気企業へと発展させてきた金子和斗志氏。
日本初の豪華寝台列車「ななつ星in九州」を筆頭に、鉄道の常識を覆すアイデアで数々のヒットを生み出すなど、経営難に喘いでいた鉄道事業の改革と事業の多角化を推進し、JR九州を完全民営化へと導いた唐池恒二氏。
共に九州の地から東証プライム上場を果たし、日本を代表する企業へと育て上げてきました。
しかし、それぞれの会社がかつては経営難に喘いでいたこと、そこからいかにして今日の発展を遂げたのか、経営者はどのような考え方で経営してきたのか、意外と知られていないかもしれません。
九州を代表する経営者として懇意にしているというお二方が初めて語り合う、絶えざる挑戦を重ねてきた足跡、そこから見えてくるリーダーの条件とは――。
月刊『致知』最新号(2025年9月号)特集「人生は挑戦なり」では、金子和斗志さんと唐池恒二さんに表紙を飾っていただきました。対談のタイトルは「挑戦で切り開いてきた人生と経営」です。
『致知』は人生の道標
企画の発端は年初に金子さんと弊社代表の藤尾秀昭がお話をしていた折、金子さんが唐池さんと懇意にされていることを知りました。
というのも、金子さんは20年に及ぶ『致知』の愛読者であり、『致知』をテキストにした社内勉強会「社内木鶏会」をアイ・ケイ・ケイに導入くださるなど、長年に亘って弊誌を応援してくださっているのです。
唐池さんには今年3月号の連載「二十代をどう生きるか」にご登場いただき、その若々しい立ち居振る舞いやユーモアを交えた熱い語り口にすっかり心を打たれたばかりでした。
九州を代表する一流経営者が語り合う人間学談義に、ぜひ耳を傾けたい。そう思い至り取材依頼をすると、すぐに快諾のお返事をいただき、対談が実現する運びとなりました。
なお、『致知』愛読者である金子さんから今回特別にコメントをお寄せいただいたので、ご紹介します。
「私は浅学菲才で、今も未熟な人生を歩み続けていますが、常に『一度きりの人生をどう生きるか』と自問自答しています。その中で、『致知』は時に迷う私に明確な指針を与えてくれる大切な人間学の本です。
逆境困難を乗り越え、自分の使命に全身全霊で挑む人たちの体験に、私は多くのことを学び、時には涙し心が洗われ、又、奮起させられます。私にとって『致知』は人生の道標と言えます。
ステークホールダーの皆さまにいかに喜んで頂けるか、生涯勉強・生涯現役で努力邁進する為の、かけがえのない一冊となります。これからもご縁ある皆さまのご支援を賜りながら、共に『致知』を携え、ご一緒に学んでいきたい、と心より願っております」
対談取材は7月上旬、都内ホテルにて行われました。取材時間は2時間に及び、その内容を凝縮して誌面10ページの記事にまとめました。
「人生は挑戦であり、挑戦が人生」(金子さん)「夢見る力が気をつくる」(唐池さん)といった実感の籠った数々の言葉を通じて、一人ひとりの人生もまた経営であり、繁栄へと導く要諦を教えられます。
↓対談内容はこちら!
◇就職人気ランキングで3年連続九州・沖縄一に選出
◇餃子300人前がトレードマネーに
◇「すべての責任は俺が取るからやらせてくれ」
◇名経営者に通ずる本質に気づく力
◇夢が叶うということは夢が夢でなくなること
◇気を満ち溢れさせる5つの法則
◇三位一体となって成し遂げた上場への軌跡
◇逆境と屈辱が人と組織を強くする
◇世界一の豪華寝台列車「ななつ星」誕生秘話
◇人生は挑戦であり挑戦が人生
夢見る力が気をつくる
お二人の共通点は、拠点や実績だけでなく、従来の概念を打ち破るアイデアで絶えず挑戦を積み重ねてきたということです。そんなお二人が対談の中で口を揃えていたのが、夢を掲げることの重要性です。
例えば、唐池さんは1993年に赤字に陥っていた外食事業のトップに就任し、様々な改革に乗り出すことで、僅か3年で悲願の黒字化へと導きました。ところが、唐池さんが外食事業を離任した年から赤字に逆戻りしたのです。
再びJR九州フードサービスの社長に戻った唐池さんが真っ先に着手したのは、新たな〝挑戦〟でした。
〈唐池〉
不振を招いた一番の問題は黒字化を果たしたことによるモチベーションの低下でした。
夢が叶うということは、夢が夢でなくなること。次なる夢を描かなければ、人も組織も方向性を見失ってしまう。そう思い至り、「九州から出て、東京に行くぞ!」と宣言しました。
夢が叶うということは、夢が夢でなくなること。次なる夢を掲げた唐池さんは、いかにして東京進出を実現させたのでしょうか。その全貌は本対談で余すところなく紹介されています。
一方の金子さんは両親が共に商売人の家系に生まれ、幼い頃から後を継ぐことを意識していました。ところが、中学高校と進むにつれ、現実から目を背け、遊び呆けるようになってしまいます。
自堕落な生活を続けていた金子さんを変えるきっかけとなったのは、ホテル学校の先生のひと言、そして父親の教えでした。
「これだけの小さな夢と希望しかなかったら、その程度かそれ以下の夢しか実現できない。しかし、これくらい大きな夢と希望を持ってやれば、大きな夢を実現できる。たとえできなくても中くらいの夢は実現できるんだよ」
「大きな夢を語れ」「経営者は大きな仕事をしなさい」
夢と希望は大きく持つ──。この言葉に突き動かされた金子さんは、ホテル学校を卒業後、家業のホテル業に邁進していきます。零細企業の頃から株式上場という夢を掲げ、2013年に佐賀県伊万里市初の東証一部上場を成し遂げることができたのも、この教えを繰り返し反芻されていたからでしょう。
最後に、お二人のお話の中でとりわけ心に響いた言葉を紹介します。
〈金子〉
私は人生が仕事であり、仕事が人生、また人生は挑戦であり、挑戦が人生だと捉えてやってきました。
特に上場を成し遂げた頃は経営者も幹部も現場も、三位一体となっていた意識があります。全員がまとまって夢を追いかけていたことが、計り知れない力を生んだのではないでしょうか。
〈唐池〉
経営者は絶えず夢を掲げ続けること。そしてその夢に本気であることをいかに人々に伝えるか。これがリーダーの条件だと思います。夢見る力が気をつくるんです
金子さんと唐池さんが挑戦を続ける過程で掴んだ「人生と経営の真髄」には、私たちの日常の仕事や人生に活かせるヒントが満載です。ぜひ本誌の対談記事をお読みください。
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