2025年09月04日
~本記事は月刊誌『致知』2025年10月号 特集「出逢いが運命を変える」に掲載の対談(「ナポレオン・ヒルの成功哲学をかく生かせり」)の取材手記です~
累計1億冊突破、世界で『聖書』の次に多く読まれている名著
「私たちは出逢う人によって、また出逢う書物によって自分の人生が変わる」
これはアメリカ南東部バージニア州のワイズにあるナポレオン・ヒル財団のオフィスに掲げられている言葉だそうです。
「成功哲学の祖」と称されるナポレオン・ヒル(1883年10月26日~1970年11月8日)は、駆け出しの雑誌記者時代に鉄鋼王アンドリュー・カーネギーと出逢い、カーネギーの要請で誰もが活用できる成功の秘訣の体系化に着手します。
実に20年もの歳月をかけて、ヘンリー・フォード、セオドア・ルーズベルト、トーマス・エジソン、ジョン・ロックフェラーをはじめ、500人以上の成功者を取材・研究し、そこから見出した共通点や成功法則を13のステップにまとめ、1937年に出版されたのが『THINK AND GROW RICH』(邦題『思考は現実化する』『成功哲学』)です。
「自己啓発の源流」との呼び声高い本書は各国で翻訳され、90年近く経ついまなお世界中で愛され続けています。累計1億冊を突破し、世界で『聖書』の次に多く読まれている名著であり、影響を受けた方も多いのではないでしょうか。
本書との邂逅によって、人生が劇的に好転したというナポレオン・ヒル財団CEOのドン・グリーンさんとアチーブメント会長兼社長の青木仁志さん。
ドンさんは1942年にバージニア州のワイズという非常に貧しい地域に炭鉱夫の息子として生まれます。家には本がほとんどなく、水道やトイレすらもない貧困家庭でした。家の近くにある図書館から借りてきた本を家で読むのが唯一の趣味で、16歳の時に『THINK AND GROW RICH』に出逢い、いくつもの新規事業を興して成功。その後、銀行家として最年少支店長からCEOとなり、経営危機に陥っていた銀行を黒字転換させ、60歳の時にナポレオン・ヒル財団に招かれ、現在に至ります。
青木さんは1955年に北海道函館市の貧しい家庭に生まれ、3歳の時に両親が離婚し、17歳の春、当てもなく高校を中退して単身上京。事業に失敗し、3000万円の借金を抱えます。学歴もない、家柄もない、自信もない、まさに人生のどん底だった23歳の時に『成功哲学』と出逢いました。その後、完全歩合制のブリタニカでトップセールスマン、トップマネジャーに。32歳でアチーブメントという人材教育コンサルティングの会社を創業して以来、ナポレオン・ヒルの成功哲学を土台にした研修プログラムをこれまで延べ50万人以上の方に提供してきました。
そんなお二人に、ナポレオン・ヒルの書籍との出逢いやその活学の足跡を語り合っていただきました。
『致知』創刊47周年記念号となる2025年10月号特集「出逢いが運命を変える」にドンさんと青木さんの対談記事が掲載されています。タイトルは「ナポレオン・ヒルの成功哲学をかく生かせり」。
まさしく1冊の本との出逢いが運命を変えることを私たちに教えてくれます。
僅か4日のスピード実現! そこから半年温め、満を持して掲載
この対談取材は、今年3月25日に東京・六本木の国際文化会館にて行われました。
企画の発端はその僅か4日前、3月21日に東京會舘で行われた青木さんの「古希感謝の集い」に招待を受け、出席させていただいたこと。
青木さんと親交の深い500名以上の方々が集まる中で、アチーブメントのスタッフの方がドンさんと引き合わせてくださり、「もしよろしければ、取材しませんか」と。
ドンさんは83歳、今回が最後の来日になるかもしれない――そう思い、せっかくの機会なので、ぜひやりましょうと、そこから急ピッチでそれぞれのスケジュールを調整し、対談取材の運びとなりました。
当日はアチーブメントのスタッフである本間滋さんが通訳を務めてくださり、その尽力によって円滑に取材を進行し、実に学びと感動、ユーモアに溢れたお話を拝聴することができました。心より感謝申し上げます。
『致知』は毎号特集テーマを組んで編集しているのですが、最も相応しい特集テーマの時にご登場いただこうと半年近く企画を温め続け、このたび創刊47周年記念号にて満を持して掲載となりました。
2時間に及ぶ取材内容を凝縮して誌面9ページ、約13,000字の記事にまとめました。主な見出しは下記の通りです。
◇ナポレオン・ヒルを通じた運命的な出逢い
◇驚くほど多い二人の共通点
◇アジア人初のゴールドメダル受賞に至った舞台裏
◇全世界1億冊を突破 愛され続ける所以
◇どん底だった23歳で『成功哲学』に巡り合う
◇よい情報に触れることが豊かな人生の扉を開く鍵
◇16歳の貧困少年が図書館で見つけた1冊の本
◇ヒル博士の哲学を生かし最年少支店長からCEOへ
◇経営危機に陥っていた銀行をいかに再建したのか
◇これだけは伝えておきたいヒル博士の言葉と教え
まず「お二人の出逢いと交流~どんなところに惹かれるか、お互いの共通点~」に始まり、本題である「運命を変えた本との出逢い」として、「初めてナポレオン・ヒルの本を読んだ時の状況と心の変化」「特に感銘を受けた言葉やエピソード」「その教えをどのように実践し、結果をもたらしたか」、さらには「これだけは伝えておきたいナポレオン・ヒルの教え」「いま私たちがナポレオン・ヒルから学ぶべきこと」「先達や古典に学ぶ意義」「人生における出逢いの大切さ」など、一冊の書籍になるほどの内容がギュッと凝縮されています。
対談取材を通じて、最も心に響いたお二人の言葉
迎えた発刊日の9月1日、印刷所から弊社に最新号が搬入されました。通常、ご登場者の方々には宅配便で掲載誌をお送りしているのですが、今回はアチーブメントさんの全面的な協力のおかげで対談記事を収録できたため、一日でも早く、直接お届けし、感謝を伝えたいという思いが込み上げてきました。
当初は広報担当の方にお渡ししようとアポイントを調整していましたが、何と大事な月初会議の日にも拘らず、青木さんは間隙を縫って時間を捻出してくださったのです。
そして誌面の頁を捲りながら、とても嬉しそうに微笑まれ、ご自身のSNSで早速PRしてくださいました。
「月刊『致知』に私とナポレオン・ヒル財団のドン・グリーンCEOの対談が掲載されています。是非皆さん『致知』をお読みください」と。
振り返ると、青木さんとはいまから5年前に弊誌連載「20代をどう生きるか」で取材させていただいたのが最初の出逢いでした。それ以来、懇意にさせていただき、3年前にはフォーバルの大久保秀夫さんと対談され、今回が3回目のご登場です。
青木さんは『致知』を高く評価し、ご自身で購読するのはもちろん、会社の役員の方にもお贈りくださっています。以前、このような有り難いメッセージを寄せていただきました。
今の日本に求められているものは、如何に生きるかという目的意識をもった指導者の存在だと思います。
月刊『致知』は人間学を学ぶことの出来る日本で最も優れた月刊誌であると考えています。良質な情報と出会うことによって、人生の質は間違いなく向上していきます。一人でも多くの方がこの月刊『致知』の購読を通して、より良い人生を生きて頂けることを祈っております。
また今回の対談でも、ご自身の実感を込めて、次のようにおっしゃっています。
やっぱり人間はよい情報との出逢いによって選択の質が変わる。よい情報に触れることが豊かな人生の扉を開く鍵なんです。それはヒル博士の書籍はもちろん、月刊『致知』もそうですよ。取材だから言っているのではなくて、本当にそう思っています。
これはもう編集者冥利に尽きる思いです。
最後に、今回の対談取材を通じて、最も心に響いたお二人の言葉をそれぞれ紹介します。
まず青木さん。
自分が志を持っていないと、素晴らしい人や本と出逢えない。
出逢ったとしても素通りしてしまう。求める心がなければ、出逢いという扉は開かれないんです。
次にドンさん。
「人が心に描き、信じたことは、どんなことでも達成できる」
これは私に最も勇気を与えてくれるナポレオン・ヒルの言葉であり、私自身の人生を振り返っての実感でもあります。
これらの言葉はまさに人生の真理を突いた金言です。生まれ育った国は違えども、お二人には貧しい幼少期を経て、ヒル博士の本との邂逅を機に一念発起し、運命が大きく好転、事業家として実績を上げた共通項があります。
お二人が愚直に学び、実践し続けてきた「ナポレオン・ヒルの成功哲学」には、人生や仕事、そして運命をも好転させる不思議な力があり、私たちの日常生活に生かせるヒントが満載です。古今東西を問わず、いつの時代でもどんな環境でも不変かつ普遍の成功哲学談義に興味は尽きません。
◎各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。※動機詳細は「③HP・WEB chichiを見て」を選択ください