一歩一歩着実にステップを踏んでいるか——第一次南極観測越冬隊長・西堀栄三郎が語った成就する人の共通点

登山家としての顔も持つ、理学博士の西堀栄三郎氏。日本人で初めて世界最高峰のエベレストに登頂した、植村直己さんのエピソードを踏まえ、成就する人の共通点について語っていただきました。
(本記事は『致知』1982年5月号 特集「ものの見方・考え方」より一部を抜粋・編集したものです)

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植村直己の踏んだステップ

<西堀>
ただね、ものの見方、考え方ということでいえばね、彼は1人でやりましたからね。日大の山岳会の連中が10人、植村の10倍の人員を整えて、 犬の数も報道人の数もなにもかもみんな10倍でした。それにブラス、エスキモーも加わったでしょう。それに比べ、 彼は1人ですわな。

これをどう考えるかなんですよね。つまり、10人かかってようやくやれることを1人でやったと。彼はスーパーマンであるといういい方もできるし、逆に1人でできることを10倍の人間でやってる。あれ、なんじゃい、といういい方もできる。

どっちが正しいのか、それは問題ですが、ただ植村は10人かかることを1人でやった、スーパーマンだというときに、生まれつきスーパーマンであったというように解釈されたとすれば、 それは間違いだと思うんですよ。彼が今日まで常々と築きあげてきたものを忘れてはならない。踏むだけのステップの数はちゃんと踏んでいるわけです

その踏み方がみっちりと身になるようにていねいに踏んだか、いいかげんに踏んだか、ですね。つまり、 一歩一歩がち密であり、しかも踏むだけのステップを一つも省略しないで、 為し遂げていけば、一生の間に、人がで加えて、そのステップの間隔を早く成し遂げていけば、一生の間に、人がでけんようなことをできるということになるわけですよ。

雪の大平原での統率

<西堀>
大事なことは目的をはっきりさせることですね。なんのために私たちはこういうことをするんだということを、まずはっきりさせる。目標じゃない、目的です。それをはっきり認識させる。

それから、みんな、その目的に対しで忠誠をお互いに誓うわけです。隊長とか人間に対して誓うんじゃなくて、 目的に対して忠誠を誓うわけです。これは戦争にしてもなんにしても、それでいくからうまくいくんです。

そしてその次はその人たちを常に倦ましめない、退屈させないこと。

次から次へと具体的な仕事、共同でやる仕事を与えることです。そのときに大事なのは、ものの喜びがどこにあるかということを考えることです。

それは結局、その人がどれだけ人間らしく、創意工夫を働かせたかということに尽きる。つまり、きのうよりきょう、きょうよりは明日というふうに、なにがしかの進歩がそこにあるように工夫をさせるということです。創意工夫を少しずつでも働かす。そうして困難なことがあっても創意工夫によって克服し得ますとね、その人はえらい張りきるようになる。


(本記事は『致知』1982年5月号特集「ものの見方・考え方」より一部を抜粋・編集したものです)

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