「ホリスティック医学」と「量子力学」が教える、健康で幸福な人生を歩む秘訣(帯津良一×村松大輔)

ホリスティック医学の第一人者として人間の死と生の問題に向き合い続けてきた帯津三敬病院名誉院長の帯津良一さん。量子力学の学びを子供たちの教育やセミナーなどに生かし、多くの人々の人生を好転させてきた開華GPE代表理事の村松大輔さん。お二人の対談から、健康で幸福な人生を掴む秘訣を学びます。(本記事は『致知』2021年5月号 特集「命いっぱいに生きる」より一部を抜粋・編集したものです

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「量子力学的」人生への目覚め

〈帯津〉
村松さんの人生、仕事の原点もお聞かせいただけますか。

〈村松〉
私の原点として大きかったのは、やっぱり、父親が経営する会社で働いた経験ですね。

大学では物理学などを学び、仲間の多くが大学院に進む中、私は早く社会で自分を試したいと考え、就職先も決まっていました。ところが、卒業式の日に父から電話が掛かってきて、「工場長が急に辞めると言い出して困っている。帰って来れるか」と。それで心に葛藤を抱えながら、自分を殺して父の会社に入ることにしたんです。

入社後、表面的には一所懸命に働くんですけど、根底に不満や反抗心の周波数を響かせて働いているからか、社員の不満、愚痴が私のところに全部押し寄せてきたんです。それに対してまた反抗心で返すというように、社員との関係がどんどん悪化していって、とうとう鬱になってしまいました。

〈帯津〉
鬱にまで……。それをどう乗り越えていかれたのですか。

〈村松〉
そこで私はようやく自分自身に向き合い、父のために働いているという自己犠牲や反抗心ではなく、自分はどうありたいか、ありのままの思いを大切にするようになったんです。

量子力学的に言えば、相手の顔つきや言葉、自分がつくった製品といった「物」を見るんじゃなくて、自分の心はいまどういう周波数でいるか、自分は製品に対してどういう思い入れを持っているかというエネルギー側に目を向けていったんです。

そうすると、それまで仕事に対して「手順通り仕事したからいいでしょ?」というような態度だったのが、「いかに心を込めて仕事をしているか」というところに意識を向けられるようになり、社員とのやり取りでも、彼らの意見に対して「どうしたの? 何かあったの?」というプラスの周波数に入れるようになっていきました。

家庭も同じで、例えば妻とやり取りする時に、「俺はこんなに頑張っているんだぞ!」という周波数でなくて、「ああ、そんなに大変だったんだね。自分にできることがあれば手伝うから」という周波数で答えると、妻もそれに共鳴して対応が柔らかくなるんですよ。

そして、実はその頃、母が運営する塾を週末に手伝っていたんですけど、次第に自分は子供に教えたい、子供たちの可能性を引き出す仕事がしたいんだという自覚を深めていきました。本当にやりたいことが見つかったんです。

〈帯津〉
自分が変わったことで、人生も変わっていったのですね。

〈村松〉
ええ、それから仕事や生き方がすごく楽になり、社員との関係も鬱もよくなっていきました。要は、大学卒業後に独学で学んだ量子力学の理論を自分の体験として掴むことができたわけです。

それでいろいろな事情で父が会社を廃業することになって、私は世の中を変える、世界をよりよくしていくような子供たちを育てたいと、すぐに地元の群馬で開華塾をスタートさせました。2013年、38歳の時のことです。

宇宙でお会いしましょう

〈村松〉
帯津先生は、いまも忘れられない出来事、印象に残る患者さんなどはいらっしゃいますか。

〈帯津〉
忘れられない患者さん、それはもう随分いますよ。末期の子宮がんで入院していた40代の女性の方がいたんですが、毎週金曜日の院長講話会の時にいつも一番前の席に座って、ニコニコして聞いてくださっていたんですね。

ところが病状を診て通院治療にしたところ、しばらくして来なくなったんです。はて? と思っていたら手紙が届いて、「先生の病院で最期を迎えようと思っていましたが、いまベッドの空きがないとのことで、別のホスピスに行くことにしました」と。

そして「先生とはこれでお目にかかれないかもしれないけれど、いずれ宇宙のどこかでお会いしましょう」と書いてあったんです。この一行にはもう何も言えませんでした……。

〈村松〉
心に沁みる言葉ですね。

〈帯津〉
それともう一人、これ以上治療のしようがなくなって私のところに入院してきた肺がんの患者さんも印象に残っています。この方は気功などに取り組んで明るく頑張っていたんですが、病状が悪くなっていくにつれ、だんだんと暗い表情になっていきました。

ところが、この方は私と同じ埼玉の川越出身でしてね、回診に行く度に故郷の昔話をするようにしたら、表情がどんどん明るくなっていったんです。

そうして、ある日、回診に行くと、ベッドの上にきちっと正座して私を待っていたんですよ。「どうしたの?」って聞いたら、「先生にひと言ご挨拶したくてお待ちしておりました。人生の最期にこんなにいい医療を受けられるとは思ってもいませんでした。本当にありがとうございました」とお辞儀をしてくれて、次の日に旅立って逝かれたんです。

〈村松〉
ああ、次の日に……。自分の死期を悟っていたのですね。

〈帯津〉
ですから、こちらも患者さんに対していい加減な気持ちでは向き合えない。作家で畏友の青木新門さんが『納棺夫日記』に、「死に直面して不安におののく人を癒やすことができる人は、その患者さんより一歩でも二歩でも死に近いところに立つことができる人である」と書いていますけど、私もそれを受けて、毎朝起きると「きょうが最後だ! しっかり生きよう!」とまず覚悟を固めて一日を始めるようにしたんです。

『致知』最新2025年8月号に帯津良一さんがご登場!!
五木寛之氏92歳、帯津良一氏89歳。片や希代のベストセラー作家として、片やホリスティック医学の第一人者として、それぞれの道をいまもなお第一線で走り続けている。二人の活力の源、そして長きにわたる人生行路を通じて見えてきたものは何か。共に九十の坂に差しかかった二人が縦横に語り合う、老病死を乗り越える人生の秘訣とは。

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 『致知』さんと私との出会いは40年以上前に遡ります。その経緯は覚えていないのですが、私の顔が表紙を飾ったことがありました。藤尾社長さんはまだ青年のようでした。
 ところが今はどうでしょう。不振をかこつ出版業界にあって、天上天下唯我独尊とばかりに聳えているではありませんか。皆様のご努力に満腔の敬意を捧げるものです。さらなるご発展をお祈り申し上げます。

◇帯津良一(おびつ・りょういち)
昭和11年東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、同医学部第三外科、都立駒込病院勤務を経て57年埼玉県川越市に帯津三敬病院を設立(平成13年より現職)。日本ホリスティック医学協会名誉会長、日本ホメオパシー医学会理事長。『帯津三敬病院「がん治療」最前線』(佼成出版社)など著書多数。

◇村松大輔(むらまつ・だいすけ)
昭和50年群馬県生まれ。平成10年東京大学工学部を卒業し、父親の経営する会社に勤務。25年脳力開発塾「開華」設立。量子力学をベースに「自分発振」による脳力開発を提唱。現在は企業向けのセミナー等でも活躍。著書に『「自分発振」で願いをかなえる方法』、2021年4月に『時間と空間を操る 「量子力学的」習慣術』(共にサンマーク出版)を刊行予定。

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