就職企業人気ランキング[九州・沖縄]で2年連続1位! アイ・ケイ・ケイ社長の20代

「マイナビ・日経2020年卒大学生 就職企業人気ランキング」本社所在地域別 [九州・沖縄] で2年連続で第 1位を獲得した、ゲストハウス型の婚礼施設を各地に展開しているアイ・ケイ・ケイ。好業績を続ける同社社長の金子和斗志さんに、仕事を進める上での大切な点をお話しいただきました。

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夢と希望は大きく持つ

私は昭和27年、商売人の2代目として生まれました。母親は戦後の貧しい時代に家計を支えていくため、地元で仕入れた海産物を福岡まで売りに行く行商をしていました。

父親はアイデアマンで、アイスキャンディー屋や食料品の卸売、スーパーマーケットなど、いろいろなことを思いついては商売を営んでいました。

一所懸命働く両親の背中を見て育ってきたからでしょう。小学6年生の時の作文に「将来スーパーマーケットのチェーン展開をする」と書いています。

ところが、中学高校と進学していくにつれて、自由気ままにやりたいことをやるようになり、受験勉強から逃げ、大学受験に失敗。

その後、ダイエーに就職したのですが、8か月ほど経った時、父親から「ホテル学校に行かないか」と言われました。当時、父親は伊万里で小さなホテルを営んでおり、放蕩息子を見かねて手を差し伸べてくれたのでしょう。

ある年配の先生の授業を受けた時のこと。その先生はジェスチャーを交えながら、次のような話をしました。

「これだけの小さな夢と希望しかなかったら、その程度かそれ以下の夢しか実現できない。しかし、これくらい大きな夢と希望を持ってやれば、大きな夢を実現できる。たとえできなくても中くらいの夢は実現できるんだよ」
 
もう44年も前の出来事ですが、昨日のことのように覚えています。それだけ強烈に入ってきたのです。夢と希望は大きく持つ。この教えが腹に落ちたことと、父親の事業を継承する決心をしたことは、無関係ではありません。

父親から学んだ3つの教え

ホテル学校を卒業し、東京のビジネスホテルで半年間働いた後、伊万里のホテルに戻ってきました。昭和49年9月、22歳の時です。

ホテルといっても客室12部屋、スタッフは父親と母親と私、パートのおばさん2人の計5人。その小さなホテルで私はフロント業務に携わっていました。

20代の頃、仕事をする上で、人生を生きていく上で大切なことを、父親からたくさん教わりました。

1つは、「何でも自分で考える習慣をつける」ということです。「どうしましょうか」とすぐ人に頼るのではなく、自分で考える習慣が身についていったように思います。

2つ目は、「人の悪口を言わない」ということです。「人を批判したり人の悪口を言うことは、天に向かって唾を吐くようなもので、いずれ自分に返ってくる」と。

3つ目は、「法螺(ほら)を吹け」ということです。父親は「大きなことを言えば、それは叶う」「経営者は大きなことを考えなさい」といつも言っていました。

これらの教えを私に伝授してくれた父親への感謝と尊敬の念は絶えることはなく、素晴らしい両親のもとに生まれたことに、静かな誇りを抱いています。

解決できる問題しか現れない

当社に在籍する約700名の従業員の平均年齢は29歳。その全スタッフにいつも伝えているのは、

「人間には無限の可能性と無限の成長がある。だから、皆さんが得意な分野で努力を続けていけば、必ず成長できるし、自分の夢や希望も達成できる」

ということです。

多くの若者たちに接していると、最近は努力する人が少なく、精神的に弱い人が増えてきたと感じることが多々あります。

しかし、様々な成功者の本を読んでも、私の経験から言っても、逆境やピンチ、問題というのはその人に解決できるものしか現れません。加えて、それらは逃げても追いかけてくることを知らなければいけません。

たった1回の人生を生かさなかったら、自分に対しても、家族やご先祖様に対しても、申し訳ない。そう捉えて目の前の困難な仕事にチャレンジし、ひたすら一所懸命努力することができれば、素晴らしい人との出逢いが生まれ、運も味方し、新しい未来が広がっていくと確信しています。


(本記事は月刊『致知』2016年12月号「二十代をどう生きるか」から抜粋・編集したものです。あなたの人生や経営、仕事の糧になる教え、ヒントが見つかる月刊『致知』の詳細・購読はこちら)

【金子和斗志さんも『致知』を愛読しています】
逆境困難を乗り越え、自分の使命に全身全霊で挑む人たちの体験に、私は多くの事を学び、時には涙し心が洗われ、又、奮起させられます。私にとって『致知』は人生の道標と言えます。

――アイ・ケイ・ケイ社長 金子 和斗志

◇金子 和斗志(かねこ・かつし)
昭和27年佐賀県生まれ。佐賀県立伊万里高校卒業後、靴販売店での営業などを経て家業のホテルを継ぐ。平成7年アイ・ケイ・ケイ設立、社長に就任。22年大証JASDAQ市場に上場。24年東証2部に鞍替えし、25年東証1部指定。

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