花まる学習塾代表・高濱正伸氏も必読書として薦めた『修身教授録』の名言

NEWSPICKS Magazine「ニューエリート必読書500」特集の中で、花まる学習塾代表・高濱正伸さんの必読書として森信三著『修身教授録』(致知出版社刊)が紹介されました。「メシが食える大人」の育成を目指し「「思考力・判断力・表現力等を含む生きる力」の教育に、25年前から取り組んでこられた高濵氏。95年に設立した進学塾「スクールFC」はチラシ・広告を一切打出さなかったものの口コミで評判を呼び、20名から始まった会員は現在20,000名を突破。「情熱大陸」「クローズアップ現代+」で取り上げられるなど、大きな反響を呼んでいます。高濱氏が教育分野の必読書として紹介された本書から、仕事や人生のヒントとなる珠玉の金言をご紹介します。

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人生は短距離競争

実際人生は二度とないですからね。人生は、ただ一回のマラソン競争みたいなものです。勝敗の決は一生にただ一回人生の終わりにあるだけです。しかしマラソン競争と考えている間は、まだ心にゆるみが出ます。人生が、五十メートルの短距離競争だと分かってくると、人間も凄味が加わってくるんですが――。

真の誠への歩み

真の「誠」は、何よりもまず己のつとめに打ち込むところから始まると言ってよいでしょう。すなわち誠に至る出発点は、何よりもまず自分の仕事に打ち込むということでしょう。

最初に結果を求めるな

およそ人間というものは、できるかできないかは、賭けてやってみなければ分かるものではないのです。ですから、できるかできないかは、一生の最期に至って初めて分かるわけです。しかるにどうです。未だ一歩も踏み出さないうちから、「自分はとても駄目だ」などと言って投げだすに至っては、実に意気地のない限りではありませんか。否、このような態度は、自己に与えられたこの生命の尊さに気づかない者の言葉であり、それはある意味からは、忘恩の徒とさえ言えるでしょう。

批評的態度

人間は批評的態度にとどまっている間は、その人がまだ真に人生の苦労をしていない何よりの証拠だともいえましょう。もちろんその人の性質にもよることですが、とにかく自分は懐手をしていながら、人の長短をとやかく言うているのは、まだその心に余裕があって、真の真剣さには至っていないと言ってよいでしょう。

人生の大問題

諸君は、一体いかなる力によって、かくは人間として生をうけることができたかという問題について、今日まで考えてみたことがありますか。私の推察にして誤りなくんば、おそらく諸君たちは、この大問題に対して、深く考えたことはなかろうと思うのです。

敬の一念と生命の進展

尊敬の念を持たないという人は、小さな貧弱な自分を、現状のままに化石化する人間です。したがってわれわれ人間も敬の一念を起こすに至って、初めてその生命は進展の一歩を踏み出すと言ってよいでしょう。

人生二度なし

君!この人生は二度とないのです。いかに泣いてもわめいても、そのわれわれの肉体が一たび壊滅したならば、二度とこれを取り戻すことはできないのです。したがってこの肉体の生きている間に、不滅な精神を確立した人だけが、この肉のからだの朽ち去った後にも、その精神はなお永遠に生きて、多くの人々の心に火を点ずることができるでしょう。学年の始めに当たって、私は諸君らがまずこの根本の一点に向かって、深く心を致されんことを切望してやまないしだいです。

全力で迫る

尊敬するということは、ただ懐手で眺めているということではなくて、自分の全力を挙げて相手の人に迫っていくことです。地べたをはってにじり寄っていくように――です。つまり息もつけないような精神の内面的緊張です。薄紙一重もその間に入れないところまで迫っていく態度です。

誠によって貫く

人間の進化が、本当に認められるのは、その人の死後に相違いないですが、しかもその真価は、死後にあるのではなくて、実に生前の生活そのものにあることを忘れてはならぬのです。結局一口に申せば、その人の一生が、いかほど誠によって貫かれたか否かの問題でしょう。

いまなお読み継がれる不朽のベストセラー

『修身教授録』森信三

定価=本体2,300円+税

森信三


明治29年愛知県生まれ。大正12年京都大学哲学科に入学し、主任教授の西田幾多郎先生の教えを受ける。卒業後、同大学大学院に藉を置きつつ、天王寺師範の専攻科講師となる。昭和14年、旧満州の建国大学に赴任。敗戦により新京脱出。21年6月無事生還。28年神戸大学教育学部教授に赴任。35年神戸大学退官。40年神戸海星女子学院大学教授に就任。50年「実践人の家」を建設。平成4年11月逝去。著書は『不尽叢書』『幻の講話』『人生二度なし』『修身教授録』『真理は現実のただ中にあり』など多数。

(本記事は、森信三・著『修身教授録』【致知出版社】より一部を抜粋・編集したものです。『致知』には人間力・仕事力を高める記事が満載!詳しくはこちら

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