安岡正篤師が説いた「原因と結果の法則」

昭和の名宰相とされる佐藤栄作首相から、中曽根康弘首相に至るまで、昭和歴代首相の指南役を務め、さらには三菱グループ、東京電力、住友グループ、鉄グループ等々、昭和を代表する多くの財界人に師と仰がれた安岡正篤先生。その教えは人物学を中心として、没後60年近くが経った今日なお、私たちの進むべき方向を示しています。月刊『致知』の創刊40周年を記念して刊行される『安岡正篤活学選集』。安岡教学を代表する10巻は、人間学の宝典であり、名言・金言の宝庫でもあります。選集の中から、印象に残る言葉をご紹介します。

教師の使命

教という字は人が他のお手本になって後進を導くという意味ですから、教師というものは言葉や技術で導くのではなくて、まずその人の徳がその人に接するものの手本にならなければいけません。(第1巻『人物を修める』より)

原因と結果

人間には奇跡というものはありません。奇跡などというのは研究不足、勉強不足の者の言葉でありまして、原因・結果というものは常にはっきりしておるのです。悪いことをしますと、いつかは悪い結果があらわれ、善いことをすれば善い結果があらわれる、というのは厳粛な自然の法則であります。したがって人間は因果律というものを大事にしなければなりません。第2巻『先哲講座』より)

自己革新の根本

「我を亡ぼす者は我なり。人、自ら亡ぼさずんば、誰か能く之を亡ぼさん」(修身)これは非常にいい言葉です。この一つだけでもつかみ得たなら、大したものだと思います。自己革新は、この「われ」にある。原因も結果も、自分自身にある。ローマを亡ぼしたのはローマです。日本を支えているものは日本です。健康で生き生きとした人生を送れるかどうかというのも、自分自身にあります。(第3巻『呻吟語を語む』より)

慈心・仁心を養う

要するに人間は、常にいつくしみ心、慈心・仁心を養わねばならぬということです。キリスト教でいえば愛であり、仏教でいえば慈悲である。慈悲とは本当によくできた語ですね。悲の字が特によい。人間は、物の命が無視され犠牲にされるのを悲しく思う。その物を愛すれば愛するほど悲しい。だから愛という字をかなしと読む。愛することがなくては、悲しむことがなくては、儒教も仏教もないのです。(第5巻『立命の書「陰しつ録」を読む』より)

国家の運命

青少年学徒原則
(イ) 愛読書を持て。
(ロ) 偉人に私淑せよ。
(ハ) 明師良友を求めよ。
(ニ) 礼節を正しうせよ。
(ホ) 家国の為に有為の人物となれ。
各国の運命は結局その国が如何なる青少年を持っているかに依って
決するというてよい。(第6巻『経世瑣言<総篇>』より)

 

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刊行に寄せて

このたび、『致知』創刊40周年の画期に当たり、その活学選集が刊行されることは、文字通り、画期的なことだといえよう。というのは、この10巻は、安岡正篤先生のそれぞれの時代の著作や講話集を代表するものであり、これを熟読玩味すれば、安岡教学の要諦を概ね活学し得るといえるからである。また、精選された10巻でもある。どれもみな、安岡教学を学ぶ上で不可欠の書ばかりだからである。

荒井桂(郷学研修所 安岡正篤記念館 所長・副理事長)

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【永久保存版/現代に甦る人間学の宝典】
安岡正篤活学選集(全10巻) 
安岡正篤・著

・限定3,000部
・11月下旬以降の発送となります。

【定価=本体16,600円+税のところ、
⇒先行予約特価=本体15,000円+税】

 

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