2017年07月16日
92歳もいまも子供たちに 
算数の楽しさを教え続ける 
東京都国分寺市在住の片桐重男さん。 
 
長年の指導経験に培われた 
指導論に耳を傾けてみてください。 
 
───────「今日の注目の人」─── 
 
片桐 重男(新算数教育研究会名誉会長) 
 
※『致知』2017年8月号【最新号】 
※連載「生涯現役」P102 
 
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──子供たちに指導する上で 
  心掛けておられることはありますか。 
 
 
それはひと言で言えば、 
人間愛に基づく指導ですね。 
 
 
──人間愛に基づく指導。 
 
 
僕が思うに、教育というのは 
単に頭から教え込むのではなく、 
子供がこういうことを 
教わりたいなという状態に 
もっていって初めて教えて 
あげることが大切で、 
そうしないと教わることの本当の 
価値が分からなくなってしまう。 
 
子供たちが自分の力で 
この問題を解きたいとか、 
自分で問題を見つけるような 
経験をまず持たせることが大切で、 
そうなると当然失敗することもある。 
 
その時に失敗を責めるのではなく、 
間違っていることに気づかせて、 
「こうしたらどうだろうか」 
と導いていく。 
 
そうやって子供の考え方を 
活かす方法で学習を 
進めることが根本です。 
 
それが人間愛なんです。 
 
 
──教え込むというのは、 
  人間愛の対極にある 
  というわけですね。 
 
 
教え込むっていうのは、 
要は過保護なのです。 
 
子供が助けてほしいと 
思わないうちに助けちゃう。 
 
それが教え込みでしょう。 
 
それともう一つ気を 
つけなければいけないのが 
無視ですね。 
 
一つのクラスに子供が 
たくさんいるので、 
当然考え方もそれぞれ違ってくる。 
 
そうなると、時にはある考えを 
している子供に気づかないか、 
もしくは気づいていても 
授業の進行を優先して 
その子供を無視する。 
 
これはやむを得ない 
場合もあるでしょうが、 
この無視も人間愛じゃないんです。 
 
もっとも… 
 
 
 
 
※子供たちのみならず、 
 先生方にも指導の在り方を 
 伝え続ける片桐さんの活動については 
 本誌でお楽しみください。 



 
						





 
                    