プロの条件、一流の資質とは——野村克也監督が残した人生を変える15の金言

南海、ヤクルト、阪神、楽天の4球団の監督を務めること通算24年。名将として、多くの選手やコーチを育成した野村克也さん(享年84)。生前、月刊『致知』のインタビューで多くの金言を残しています。その中から、ビジネスパースンにも役立ちそうな15点を厳選し再録しました。

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準備が大切/夢や目標をもつ

思想が二流の人間は伸びない
素質は一流でも思想が二流の人は伸びない。二流の思想が一流の素質を阻害してしまうケースがよくみられます。少し能力があるばかりに努力なんてちゃんちゃらおかしいという気分になって、野球をなめ気を抜く。故障してもこれ幸いと休みたがる。こういう人は思想が二流の人です。

準備怠るべからず
「運」に期待してはいけない。運は結果論である。ただし、一生懸命努力していれば必ず運が向いてくると信じて、準備を怠らないことである。鍛錬して準備していなかったら、運が来ても逃がしてしまう。「備えあれば憂いなし」である。

夢や目標が人を敏感にする
人生に大きな夢をもっている人というのは敏感である。目標意識がはっきりしている人は敏感である。目標がしっかりしていると、ものごとに肯定的になるから、それが敏感にするのであろう。人間の最大の悪はなんであるか、それは「鈍感」である。

24時間の使い方
どうしたらうまくなれるか、どうしたら一軍に上がれるかって、24時間そればかり考えていましたね。でも最終的には、一日24時間の使い方だな、と思いました。

変化のタイミング
結果が出ていない以上、これまでと同じことをやっても同じ結果になるだけです。変わらなければいけない。

365日続ける/限界を克服する

視点を変える
やっぱり人間、視点です。視点を変えると、見えなかったものが見えてくるのです。

目標達成の原理
バッターなら、ホームランを40本以上打って、ホームラン王になりたい、とはだれでも考えることである。だが、ホームラン王になりたいという漫然とした夢だけでいくらバットを振っても、ホームラン王にはなれない。

ホームランを40本以上打つという目標の地点に立って、いまの自分を見つめてみると、目標を達成するためには何が足りないかがはっきり見えてくる。そこで足りないものを克服することに焦点を絞って努力するようになる。そうして初めてホームランが40本以上打てるようになるのである。

毎日やることが大事
一人前のプロになるには、毎日1時間でも30分でも、とにかく365日毎日やることが大事なのです。すると身体で覚えるようになります。身体で覚えるというのは、直観的、本能的に体が動くようになるということ。

限界の先に一流への道がある
(私の)限界が2割5分ならば、(3割バッターとなるためには)あとの5分を何とかして克服しなければならない。安打にすると、1シーズン2~30本の差でしかない。が、これは大きな壁で、真剣に考えましたよ。

はじめは、その差を埋めるためになんでもやってやろうと思いましたね。次に気づいたのは間違った努力をいくらやっても無駄だということです。で、変わったのは何かといいますと頭です。私は投球を読む努力をしました。これで、一皮むけましたね。

誰にもプロの能力はある
ほとんどの人が、自分の能力、才能を知らずに死んでゆく。プロの条件なんて何もない。誰でもプロになれると思うんです。高いレベルを目指そうという、その気さえ持続していればプロになれると思います。人間は誰しも何らかの才能を持って生まれてくるそうです。その才能に気づき磨いた者が幸せをつかむのではないでしょうか。

間違いは許されない/努力は口にせず

原点は“気”
私はプロの原点は“気”だといっている。気力、勇気、気合い……気のない人はだめだ。気の持続が力になる。それが原理だと思うのである。気があればその気になるし、その気になればやる気になる、やる気になれば構える気になる。そういう風に発展していくのではないか。

プロに間違いは許されない
人間は間違いを犯すものだという前提には、プロとしての甘さがあるのではないでしょうか。プロなのだから間違いは許されない、という考えに立つのが本物の一流という気が私はします。

一歩一歩
人間、ひと飛びに上に行けないという風にうまくできていて、そのために強さが求められ、それに応えて人間は成長してゆくのだと思います。

努力について
「私はすごく努力しましたよ」などというやつがいるでしょう。これは日本語としておかしいんです。努力しているかどうかを判断するのは、まわりの人でしょう。自分が判断すべきことではない。だから、自分は努力しているなどというやつに、本当に努力しているやつがいたためしがない。

敗けないための準備
“負けてたまるか”という精神論だけでは、まだプロとはいえません。負けないためにどうしたらいいか、それがグランドを離れてからの課題です。データを集め、猛訓練を通じて相手に負けない準備を進めるのがプロです。


(本記事は月刊『致知』1983年3月号~2010年12月号までに掲載された記事の一部を抜粋したものです)

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◇野村克也(のむら・かつや)
昭和10年京都府生まれ。29年峰山高校からテスト生として南海(現・福岡ソフトバンク)ホークスに入団。本塁打王9回、打点王7回を取り、40年には戦後初となる三冠王となる。MVP5回。45年~52年監督(捕手兼任)。その後、選手としてロッテ、西武を経て55年引退。平成2年よりヤクルト監督としてリーグ優勝4回、日本一3回。11年から3年間阪神タイガース監督、14年から社会人野球シダックス監督、18年から東北楽天ゴールデンイーグルス監督。22年同チーム名誉監督就任。著書多数。最新刊は『野村の実践「論語」』(小学館)。令和2年2月11日死去。

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