黒柳徹子が見つけた“本当の幸せに気づく秘訣”とは

先日、30年間主演を務められた舞台に幕を閉じることが発表された黒柳徹子さん。女優やユニセフ親善大使として活躍されながら、84歳のいまなお芸能界の第一線を歩み続けています。そんな黒柳さんは若い頃、ソントン・フィルダーというアメリカの作家が書いたお芝居『わが町』で主人公を演じた時に、「本当の幸せに気づく秘訣」を知ったといいます。

主人公はエミリーという女の子ですが、彼女は自分の子どもを産んだあと、20何歳かで死ぬんです。お姑さんたちは先に死んでいて、舞台の右と左にこの世とあちらの世界があるという終わりのほうのシーンで司会者が、「自分が1番幸せだったと思う日、たった1日だけこの世に帰らせてあげる」というんです。

エミリーは12歳のお誕生日の日を選びます。お父さんお母さんはもちろん若いですよね。エミリーは、「パパとママがこんなに若かったなんて知らなかった」と初めて気が付くんですね。家の中やお庭には懐かしくて素敵なものがいっぱいある。でも、皆素敵だから当時はわからなかった。

そして再び死んだ人の世界に帰って、「本当の幸せが、わかっていなかった。命が何万年もあるみたいに思い込んで。人間って、生きているときって、何も見ていないんですね。家族がちょっと顔を見合わせたり、いまが幸せだということに気付いてはいなかった」と姑に言うんです。

昔、私もエミリーの役をやったことがあって、やっているうちに涙が出てきてしまうようなお芝居なんですが、幸せって何だろうと考えるとき、そのときそのときの自分が幸せだと感じられればいいんだけれども、親と顔を見合わせる暇もないほどに忙しくしてしまって、なかなか気が付かないんですね。

ちょっとでも立ち止まって親の顔を見るとか、友達のこと、親切にしてくれる人のことを少しでも思ってみることができれば、生きているうちに幸せをかみしめることができるんじゃないかと思います。

(本記事は『致知』2000年9月号の記事を再編集したものです)

【登場者紹介】

◇黒柳徹子(くろやなぎ・てつこ)

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東京都生まれ。東京音楽大学声楽科卒業。NHK放送劇団に入団、NHK専属のテレビ女優第一号として活躍。その後、文学座研究所、ニューヨークのメリー・ターサイ演劇学校などで学ぶ。日本で初めてのトーク番組『徹子の部屋』は今年で38年目を迎える。昭和56年に著作『窓ぎわのトットちゃん』の印税で社会福祉法人トット基金を設立。その付帯事業である日本ろう者劇団の活動に力を注ぐ。59年より国連児童基金(ユニセフ)親善大使を務める。

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