運命を変えた一冊の本

生き方

Ω あなたの人間力を高める Ω
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致知出版社の「人間力メルマガ」 2016.7.10

もはや手術をもってしても
回復の見込みはない──。

子宮がんを患い、無情な宣告を
受けた工藤房美さんでしたが、
ある一冊の本との出逢いが
彼女運命を大きく変えることになりました。

気になるその本とは。

────────[今日の注目の人]───

★ 運命を変えた一冊の本 ★

工藤 房美
×
村上 和雄(筑波大学名誉教授)

※『致知』2016年8月号【最新号】
※連載「生命のメッセージ」P106

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【工藤】
治療当日、実際にどんな
治療なのかについて事前に
説明がなかったので、
何の準備もせずに放射線室に
向かっていたら、看護師さんが
「タオルを持ってきてくださいね」
って言うんですよ。

私は首にかけたタオルを指さして、
「持っていますよ」と笑顔で答えたら、
その看護師さんが
「いえいえ、
口にくわえるタオルです」って。

【村上】
口にタオルを。

【工藤】
もうそのひと言で、

「いったい何が起こるのだろう」

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「きっとゾッとするような
治療がいまから行われるんだ」

と不安が広がって、足が震えだしました。

治療としては子宮に直接放射線を
当てるというものなのですが、
麻酔や痛み止めは一切使わないため、
患者が一ミリも動けないように診察台に
固定するところから始まりました。

その作業と治療用の器具の装着で
約一時間かかりましたが、
とにかく体をグルグル巻きにされて、
最後に口にタオルを押し込まれました。

そこから一時間にわたる
治療が始まりましたが、
もう痛いとか苦しいなんてものじゃない。

でも、悲鳴を出そうにも
タオルのせいで声も出ない。

私はただその痛みを
無防備に受け止め続けること
しかできませんでした。

溢れる涙を拭いたくても、
それすらもできない。

【村上】
……。

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【工藤】
治療が終わって、
また一時間かけて
器具を外してもらうと、
車椅子に乗せられて
病室まで運ばれました。

完全に思考はショートしていて、
もう何も考えたくない。
そんな感じでした。

そして時間が経つにつれて、
こんな治療をあと二回も
続けるのかと考えたら、
もう治らなくていいから、
そのまま消えてしまいたいと思いました。

いよいよ明日は二回目の
「ラルス」という日のことでした。

三男が通っている学校の
教務主任が私に本を
プレゼントしてくれたんですよ。

その本というのが、
村上先生のご著書
『生命の暗号』だったんですよ。

【村上】
しかし、その状況でよく本を
読もうと思われましたね。

【工藤】
本を開いたらいっぱい線が
引いてあったので、そんな
大切な本をわざわざ届けて
くださったことがとても嬉しくて。

それに本を読んでいるうちは、
次の治療のことを
忘れられるじゃないですか。

ところがいざ読み始めたら、
私の知らないことが
いっぱい書かれていて、
「そうなんだ!」とか
「わー、面白い、面白い」って
言いながらどんどん本の
世界にのめり込んでいきました。

【村上】
どんなところが面白いと
思われましたか。

【工藤】
たくさんありましたけど、
例えば……

※たくさんの「ありがとう」が
生んだ奇跡の物語の続きは
本誌でご覧になってください。