2017年07月02日
これまで7,000名以上の患者さんを
救ってこられた脳血管内治療の
エキスパート・坂井信幸さん。
プロフェッショナルだからこそ
お話しいただける話が満載です。
───────「今日の注目の人」───
坂井 信幸(脳神経外科医)
※『致知』2017年8月号【最新号】
※特集「維新する」P52
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特に脳動脈瘤の場合、
一歩間違えたら治療で死に
至ることがありますので、
最悪のケースがあることを
必ずお伝えします。
患者さんたちは無事治る
という最高のストーリーを
思い浮かべてこの病院に
来られるわけですけど、
そのギャップをちゃんと理解して
もらうようにはしていますね。
──あとは結果で勝負される。
ええ。もう本当に結果がすべてで、
当然いつも百点を目指すわけです。
しかし、99点ならまだいいのですが、
反対に101点になると
零点と一緒なんですよ。
──どういうことでしょうか。
完全を目指してほんの
少しでもやり過ぎてしまうと、
それが失敗に繋がることがある。
そのことを痛感したのは、
脳動静脈奇形という、少しでも
出血したら命にかかわる病気の
患者さんを手術した時のことでした。
僕がまだ30代の頃で、
当時はカテーテルが太い血管にしか
通せない時代でした。
ほぼ満足いく詰まり具合だったのに、
完全を目指してもう一押ししたのです。
術後は患者さんの
意識はしっかりしてて、
会話や食事もできる。
脳外科医にしてみれば
十分合格点でした。
ところが、手に痺れが出て
動かしにくくなったことが原因で、
退院後に自ら命を絶たれたんです。
──亡くなられたのですか。
まさかの結末でしたが……
※与えられた条件で常にベストを
尽くしてこられた坂井さんの
歩みの続きは本誌で!