2017年05月02日
「走る哲学者」と称された
元陸上選手の為末大さんと
遺伝子工学の第一人者
村上和雄さんとの初対談。
スポーツが人間にもたらす可能性や
物事を長く続ける秘訣など
話は多岐にわたりました。
───────「今日の注目の人」───
為末 大(元陸上選手)
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村上 和雄(上智大学名誉教授)
※『致知』2017年6月号【最新号】
※連載「生命のメッセージ」P112
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【村上】
現役時代、特に
困難だった時期はありますか。
【為末】
僕は世界一になりたい
という思いで陸上を始めましたし、
世界大会でメダルを取りたい
という思いがモチベーション
だったのですが、一つ目のメダルを
案外早く取ってしまいましてね。
まだ23歳の時だった上に、
それが世界大会のスプリント種目で
日本人初のメダルだったものですから、
次に何を目指したら
いいのか分からなくなって、
3年くらいスランプに
陥ってしまいました。
【村上】
その後メダルを二つも獲得なさって、
長く現役を続けられたそうですが、
どのようにして気持ちを
切り替えたのですか。
【為末】
一番の源泉になったのが好奇心ですね。
自分が本当はどこまでいけるのか、
よく分からないまま終わるのが嫌で、
それを知りたいという欲求。
それがすごく大きかったですね。
僕の目から見ると、
歩みが終わらない人の特徴というのは、
目標を目の前にぶら下がっている
ニンジンみたいな
感じで追いかけ続けていく。
その原動力というのは
好奇心なんじゃないか
という気がしています。
ですから競技成績も
重要なんですけど、
それとともに分からなかったことが
分かるようになる喜びというのも、
競技生活を続けていく上では
とても大切だと思います。
日々の小さな喜びというのは、
その気になればいくらでも
見出せるもので、僕にはそうした
日々の小さな喜びと、
試合における結果を
モチベーションに
競技を続けてきました。
【村上】
それは科学の世界にも
通じるお話ですね。
アインシュタインは…
※本誌では6ページにわたって
対談が掲載されています。
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全国の『致知』読者から届いた声
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日本にはまだこんなに
素晴らしい経営者の方々が
いらっしゃるんだ、自分も
見習おうという気になるから
『致知』を読み続けています。
───菊本敬子さん/奈良県