水野学さんのブランド論


企業のブランディング戦略がいま
大きく注目されるように
なってきたとクリエイティブディレクターの
水野学さんは言います。

しかし、その一方で、
その必要性を理解していない
経営者がまだまだ多いそうです。

────────[今日の注目の人]───

☆ 水野学さんのブランド論 ☆

水野 学(クリエイティブディレクター)
  ×
中川 政七(中川政七商店社長 十三代)

※『致知』2017年9月号【最新号】
※特集「閃き」P48

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【水野】
ブランディングとは何かとか、
なぜ必要なのかっていうことを、
きちんと理解されてない
経営者の方が多いのは確かですね。

例えば、いま僕らの前に
メーカーの異なる三台の
録音機が並んでいますよね。

簡単に言えば、
ブランディングっていうのは、
どうやってその中の一つを
選んでもらえるかってことなんです。




というのも、いまはメーカーが
違っても機能はどれも
似たり寄ったりで、それ以外の
ところで判断してもらうしかない
時代になってしまいました。

つまり、技術の踊り場、
サービスの踊り場にきて
しまったということです。


【中川】
まさに踊り場ですね。


【水野】
その時に何が大事かと言ったら、
ブランドのビルドアップ作業
だということなんです。

要はブランドを丁寧につくって
いくことになるわけですが、
僕がよく言っているのは、

「ブランドというのは、
 小石を一つひとつ
 積み上げていく作業だ」

ってことです。

ブランドって、
すごく大きな岩みたいなものを
想像する方が多いんですが、
本当はそうではなくて、
例えば封筒のデザイン、社員の言動、
名刺などすべてにブランドが
宿っていくということなんです。

極端な話、経営者がインタビューを
受ける時のネクタイの色まで
目を光らせなければ、
ブランドというのはビルドアップ
されていかないと思うんです。


その小石というのをどんどん
小さくしていくと砂のように
なっていくわけで、
見方によっては砂山だと
言うこともできるんですよ、
企業というのは。

それだけに、もしどこか
一か所でも崩れると、
いろいろなところが崩れてしまう。


それがすごく怖いところで、
いかに砂山が崩れないように
一つひとつ積み上げていくかが、
ブランドを築いていく上で
すごく大切なことだと思います。



※お二人の対談は、これからの
 企業のあり方に対して
 示唆に富んだ内容となっています。